第9週「ヒルムシロ」（火）
放送日
- 2023年05月30日
概要
酒への課税が重くなり、役人から厳しい目を向けられる峰屋。タキも身体が弱くなってきているが、峰屋やタキの事情を万太郎には知らせないよう、綾に口止めするのだった。一方、植物学雑誌創刊の許可を得るため田邊と話す機会をうかがっていた万太郎は、西洋音楽の演奏会に田邊と同行するチャンスを得る。（NHKオンデマンドの解説より）
これまで酒は売った分について税金がかかったが、これからは作った分について税金がかかるようになる。それで、どれだけ作ったかごまかさないように役人が調べに来るが、何年も前に作って寝かしてある酒を、今年作った酒を隠していただろうと決めつけたり、台所の料理酒まで数えようとしたり、乱暴な調査を繰り広げる。
そもそも作っただけで全部が売れるわけではないし、腐蔵になって全部がダメになる可能性もある。作った分に税金をかけること自体理不尽なのに、役人の横暴ぶりに綾らは頭を抱える。
万太郎への手紙には、そうした内情は明かさないが、うすうす何事かを察したのだろう、万太郎はより一層、日本の植物学を外国に追いつき追い越すことに熱意を燃やすのだった。
今日の万太郎
「これも峰屋のためじゃ。なんぼ政府が酒屋から金を絞ったち、それで国の力を外国に示せるわけじゃない。それより、わしら植物学者が、雑誌で世界の度肝を抜いちゃる方が、はるかに国の力を示せる。ほなら、政府もバカらしゅうなるじゃろ」
感想
タキばあさん、歳取ったなー。顔つきもどことなく覇気がない、立ち上がる時も昔より時間がかかるようになったと思ったが、役人の横暴ぶりを綾が報告し、今後のことを考えないと、と言いかけても気にも留めず万太郎のことばかり考えている。タキにとってはもうどうでもいいのだ。それを察した綾が、向き合うのではなく、隣に座り、タキの背中をさする。そして「あとで茶屋へ行こ」と誘う。お茶なら家で淹れれば、というタキに、あんみつが食べたいからと言う。タキは、いい年して甘えん坊だねえという顔で綾を見るが、もちろん綾はタキのためにそう言っているのだ。いいシーンだった。
