窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(054)

第11週「ユウガオ」(木)

放送日

  • 2023年06月15日

概要

万太郎は、石版に自らの手で植物画を描いて印刷し、ついに植物学雑誌は完成。田邊教授もその出来栄えを認めるが、徳永助教授らは田邊の言葉に違和感を覚える。その夜、牛鍋屋で雑誌創刊を祝った後、万太郎と竹雄は、大畑夫婦に一世一代の依頼をする。万太郎から釣書を受け取った大畑は、張り切って白梅堂へ向かおうとするが……。(NHKオンデマンドの解説より)

研究室の外で西瓜割りに興じる学生たち。大窪が注意するも一緒にやろうと仲間に引き入れられる。その様子を微笑ましく見守る徳永と、うるさいと窓を閉める田邊。

刷り上がった学会誌を見て、徳永は絵に感心し、「これだけ描ける人は、今の日本には……」と言いかけ、その場にいた野宮に気付き、口を濁す。野宮は「いませんよ。これは画家の絵ではありません。植物を熟知している、植物学者の絵です」と笑顔で言う。

田邊は、巻末に自分への謝辞が述べられていたことでご満悦。よくやったと褒め、ロシアへ30部送るよう指示。みんなが沸く中、田邊は「日本の植物学はやっと芽が出たと世界に知らせるいい機会だろう。私が雑誌を思いついたからこそ、こうして形になったわけだ」と言い出し、皆は唖然とする。

感想

田邊が突然、自分の手柄のように言い出し、周囲が唖然とするシーン。手柄を横取りしたかに見える場面だが、自分はそうは思わない。そもそも万太郎が雑誌を作ろうとしても、原稿は集まらず、無理に作ったとしても、読む人もいない。まして海外に送ることなどできなかった。

研究室の皆に論文を書いてもらえたのも、印刷費を出してもらえたのも、ロシアへ送ることができるのも、すべては田邊教授のおかげなのだ。学会誌制作を通じて研究室の皆とも打ち解けることができたし、自分で自分を植物学者だと認めることもできた。これを万太郎が一人で頑張ったと捉えるのは間違いだ。田邊はそのことを指摘したに過ぎない。

もっとも、徳永や大窪あたりが、「すべては田邊先生のお力あってこそだぞ。槙野、いい気になるなよ」と釘を刺すならわかるが、自分で言ってしまったことで却って周囲の反感を買ってしまった。田邊先生にはお気の毒であった。

ところで、1号出しただけで万太郎は手を引くことにしたらしい。これは続けることに意義がある。たった1号でやめてしまっては意味がないが、万太郎は次の手を考えているのだろうか。

万太郎と竹雄が大畑夫妻に仲人の依頼をする。娘の佳代を嫁に、という話だと勘違いしてひと騒動あるかと思ったが、この二人は勘違いしなかった。勘違いしたのは佳代本人。万さんから話があったんでしょ、私はオーケーよ、と夢見るように答え父親に一喝されたのはお気の毒であった。


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