窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(129)

最終週「スエコザサ」(木)

放送日

  • 2023年9月28日

登場人物

概要

寿恵子(浜辺美波)のために、万太郎(神木隆之介)は何としても図鑑を完成させると決意する。(NHKオンデマンドの解説より)

授与式から帰宅した万太郎と寿恵子を虎徹と子どもたちが迎える。式の様子を聞きたがる子らに万太郎は寿恵子の病状を話し、母を支えてほしい、自分は図鑑の発刊を急ぐと宣言する。

その万太郎の許に、野宮が(京都から?)やってくる。植物の数が多過ぎて、自分一人ではとても描き切れない、協力してもらえませんかと依頼されたのだ。頭を下げる万太郎に野宮は言う。「槙野さんからの依頼なんて、この上ない誉れです」。

さらに藤丸は沼津から「細菌なら任せて」、波多野は「僕が大学の仕事があるから毎日は来られないけど、彼らが夏休みの間手伝いたいと」学生二人を連れて来る。アマチュアの植物愛好家・小畠と鳥羽が、それぞれ岩手、熊本から。さらには佑一郎が博士になった祝いにやって来る。事情を話した万太郎に「索引はできたのか? どういう順で並べるのか?」と的確なアドバイス。索引のことを考えていなかった万太郎に、じゃあ索引はわしが手伝おう、と助力を申し出る。

佑一郎は「永代橋」「清洲橋」の建造にも関わった。後継者も育っているから、もう仕事は退こうと思っている、だから時間はある、と。

さらに登場したのは堀井丈之助だ。「なんで俺も? シェークスピア全集が完成したからそれを持って来て、祝ってもらおうと思っただけなのに!?」と言いつつも、藤丸や波多野と席を並べて校正に勤しむ。そして懐かしの「深夜の戯言」として、演劇博物館を作りたいと言い出す。金はないから、早稲田が作ってくれないかな、と。

マキシモビッチ博士の生誕100年を祝う記念式典が北海道帝国大学で開催されることになり、万太郎はそこでの講演を依頼される。寿恵子のことが心配で、断わろうかと迷う万太郎に、寿恵子は「学問への貢献と義務をお忘れですか」と言って送り出す。その後、机の上にある図鑑の原稿を寿恵子はひしと抱きしめる……

感想

終盤にこれまでの登場人物が集まってくるのは、矢吹丈のタイトルマッチを少年院時代の仲間やウルフ金串、ゴロマキ権藤らが見に来たのと同じパターンが、集まり方が見事。これまでの万太郎は、実は結構コミュ障なところがあって、なんでも一人で抱え込む癖があった。もともと学校へ行っておらず、大学へ行っても、出入りを許されただけで「教授」や「助手」の身分があるわけでもなく、のちにそこも追われる。「同僚」もいなければ「教え子」もいないのだから、一人でやるしかなかったと言えばそれまでだが、その気になれば道はあったようにも思われる。

だが、昨日波多野から「傲慢だ」と言われ、「称賛と同時に学問への貢献と義務を負う」ことの重要性を説かれたからこそ、万太郎は協力者を募ることにした。結果、全国から大勢の人が集まってくれた(8人集まったからこれぞ八犬士、との声がtwitterであがっていたが、波多野を入れれは9人だし、虎徹を含めれば10人。八犬士になぞらえるのはちょっと強引かな)。

槙野の研究室が、丈之助の登場によって一瞬にしてくさ長屋と化してしまうのがいい。

終盤に入って、子は千鶴のみに絞って描くことにしたのかと思ったら、他の子も登場。だったらなぜ昨日の授与式に出席しなかったのだろう。虎徹は出たかっただろうに。

園子の絵もちゃんと飾ってある。寿恵子がそこへ目を走らせるのが印象的。「もうすぐ会えるね……」とでも考えていたのだろうか?

北海道へ行くことを最後まで迷っていた万太郎だが、どうらんをしっかりと抱えていた。講演だけ済ませてとんぼ返りで戻ってくる気はないらしい。

昨日、「若い役者の老け演技の共演」は寿恵子が圧勝だと書いた。が、佑一郎の貫禄ある声や動作はそれに匹敵する。中村蒼、「八重の桜」の熊本バンドの一員かあ、印象になかった……。

とにかく、今日も寿恵子は生きていた。よかった。



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