窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

あれは伊藤蘭ではなくキャンディーズだったのだ

紅白歌合戦の録画をもう一度見る.

紅白出場歌手が発表され、その中に「伊藤蘭(初)」という名前を見た時、2019年に(再)デビューしたソロ歌手の伊藤蘭が出場するのだと思った.デビュー4年で三枚のアルバムをリリース.「My Bouquet」はオリコン8位になり、日本レコード大賞の企画賞も受賞.ライブ活動も精力的に行なっているようなので、いいタイミングだと思った.娘の趣里が朝ドラの主人公をやっていて話題性があるとの判断もあったのだろうけど.

ところが歌う曲が「年下の男の子~ハートのエースが出てこない~春一番」というキャンディーズ時代のヒット曲メドレー.自分はソロの曲を聞きたかったからこの選曲にはガッカリしたと前回の記事で書いた.

ところが録画を繰り返し見ていて、自分が重大な勘違いをしていたことに気付いた.2023年はキャンディーズのデビュー50周年.亡くなった田中好子や一般人になった藤村美樹を除き、伊藤蘭が一人でキャンディーズを再結成したのだ.再結成されたキャンディーズの4回目の出場だったのだ.

そう思ったら、かつてキャンディーズが好きで応援していた頃のことを思い出し、泣けて来た.自分はスーが好きだったから、スーがセンターを務めた「あなたに夢中」が一番印象に残っているんだけど.

ファンが150人駆け付けて来た、という説明があった.紅白のステージは希望者が殺到するから抽選になるはず.なぜ伊藤蘭のファンだけが大量動員できたのか、ということも気になっていたが、皆のいる場所とは別ステージだった.伊藤蘭が歌うためだけのステージにファンを集めたのだ.小さな会場だが、全員が伊藤蘭のファンで、まるでリサイタルのように盛り上がった.狙い通りではあろうが、いい演出だった.

ポケットビスケッツ(とブラックビスケッツ)については「ポケットビスケッツはバラエティの企画が生んだグループだが、音楽で生きていく気はない(才能もない)内田やウドと、歌手として希代の才能を持った千秋のすれ違いが当時から哀れだった。バラドル扱いはいいから、もっともっとあの歌声を聴かせてほしかった」と書いた.が、ネットの声をいろいろ見ていたら、バラエティ企画でポケットビスケッツ(とブラックビスケッツ)が結成されたことで、千秋(とビビアン・スー)という才能を掬い上げることができた、という意見があり、なるほどと思った.


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