窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ブギウギ」(111)

第23週「マミーのマミーや」(金)

放送日

  • 2024年3月8日

概要

梅吉が亡くなった。葬儀では、松吉が号泣しながら、遺影の自慢をする。そんな中、スズ子は、葬儀に参列していた杖をつきながら歩く初老の女性と目が合う。それは、およそ15年前に一度だけ話をしたことがあるスズ子の生みの親、キヌだった。あのときは幼かった二人の息子たちも、今では立派な青年となっていた。スズ子は、キヌと二人で話をすることになる。(NHKオンデマンドの解説より)

香川から東京へ戻ってきた後、スズ子はかつてキヌからもらった金時計を愛子に託す。

今日の愛子とスズ子とキヌ

愛子「マミーのお友だち?」
スズ「そうやなあ……、マミーのマミーや」
キヌ「……」

今日の愛子

「おじいちゃんどこ行ったんやろ?」

感想

香川で梅吉は、キヌやその子らといい関係を保っていたらしい。写真を撮ったり可愛がったりして。周囲の目もあるから本当のことは言えないが、そうやって気にかけていたんだろう。だから梅吉の葬儀にキヌが来て、スズ子と会うことになり、話をすることができた。キヌの子らは「福来さんのような有名人と知り合いなんて、母ちゃんもやるやん」と呑気に言っていたから、知らないのだ。

だから愛子にキヌのことを聞かれたスズ子が「マミーのマミーや」と答えた時は焦った。今ここで言わなくてもと思ったのだ。それで愛子がキヌに向かって「おばあちゃん!」と叫んで近寄って行ったりしたら、子らに気付かれるではないか。もっとも、キヌの子ももう大きいから、事実を知っても動じることなく、「天下の福来スズ子が実の姉だとは!」と喜ぶ(だけ)かも知れないが。

スズ子にとっては親のことはずっとわだかまりがあったが、最後に梅吉と、自分は知っていたことを伝え、知っていたのに知らないふりをし続けたことを梅吉から感謝され、ようやく解放されたのだろう。

金時計を「発見」したのも面白い。実の両親のいわば形見だが、受け取ってからこれまで、恐らく見たり触ったりしたことはほとんどないはずだ。今回も、鐘を鳴らすアレを探していてうっかり見つけてしまったのだ。が、わだかまりも解けた今、隠すことなく堂々とそれを愛子に見せることができた。

それにしても、こんなことならもっと早く梅吉が香川へ帰って来ていたら、と思う。大阪で独りにしておけないと、半ば強引に東京へ連れて来たが、東京での梅吉は明らかに病んでいたし、スズ子とはお互いに悪影響しか与えていなかった。映画監督にも脚本家にもなれなかったが、カメラマンとしては大成した。その方面の才能は確かにあったのだ。

なお、タケシの「仕事詰まってますよ、予想外に香川が長引いちゃったから」はいくらなんでも無神経過ぎるセリフだ。これでは「梅吉がさっさと死んでくれないから」というように聞こえる。梅吉が予想より数日生き延びてくれたおかげで、スズ子はきちんと向き合うことができ、愛子はおじいちゃんと仲良くなることができたのだ。ドラマ内では誰も気にしていなかったけど、自分はこれまでのタケシのセリフや態度で一番気になった。

さて、過去編は終わり(だろう、さすがに)。残り三週間。どう展開する!?



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