窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

TRICK、エピソード2(第四話、第五話)

出演

雑感

息の長い人気シリーズとなる本作は、仲間由紀恵阿部寛のコンビが主演である、という前知識はあった(というか、ちょっとDVDを見ればすぐわかってしまう)が、前回の終わり方だと上田と奈緒子の縁が切れてしまう。どうつながるのか、と思ったら、天才物理学者である上田次郎のところには、超常現象のような不可思議な事件の相談が警察から持ち込まれるのだった。どこかで聞いた設定だが、フジテレビのドラマ「ガリレオ」は2007年の放映なのでこれよりずっとあと。ただし東野圭吾の「探偵ガリレオ」が上梓されたのは1998年だから、それがスタッフの頭にあったのかも知れない。

その上田は、ガリレオ先生と違って科学的知識はともかく、現実の(日常の)謎を解くには今一つキレがなく、しかも憶病でもあるため、捜査に奈緒子を付き合わせることになった。このスタイルが続くのだろう。捜査費用をどうしていたのかは今のところ触れられていない。上田は少なくともお金に困ってはいないようだし、上田が個人的に連れて行った相棒なので、本来なら上田が奈緒子に相応の手当を支払うべきだが、あの二人の仲からすると、どうなのかは怪しい。

さて、本作では、新しく赴任した警官が「村人が誰もいない」といって寄越した連絡が発端。消防団が調査に赴くと、実際に村人が消えている。しかも、しかも食べかけの料理が机の上に乗っていたり、テレビがついていたりして、今の今までそこで普通に生活していたらしい。つまり、旅行なり仕事なりで家を空けたという風ではない。上田、奈緒子が調査に行くと、ミラクル三井が「村人は自分が消した」といい、同行した警官の前田を消してしまう。その上上田の首だけ消すと宣言し、上田が姿を消した後奈緒子の前には首なし死体が……

一話ずつ見るつもりが、上田の死体が登場した時点で終わりでは、後編を見ないわけにはいかない。50分二話で1エピソードという構成は少々長いが、引き込まれた。

上田の、偉そうにしているけど実は気が弱い、気が弱そうだけど意外に喧嘩が強いなどのつかみどころのないキャラクター、同じく奈緒子の、おしとやかにみえるけど気が強く口が悪いという元祖ツンデレキャラ、そして仲がいいのか悪いのかわからない二人の関係、というこの設定は実に面白い。

ただし、キーワードとしてやたらに繰り返される「貧乳」と「巨根」はちょっとな……。品がないし、ものすごく失礼だし、あんまり笑えない。もっとも、首なし死体を前にして、「上田だと確認できることはないのか?」と矢部に詰め寄られた奈緒子が、下半身を見ればわかる、と下着をはぎ取るのだが、実はこれまで男性のその部分を見たことがないらしい奈緒子は、これだけ見ても大きいのか小さいのかわからず……というあたりは、あまりに現実離れしていて笑えたが。ま、深夜枠だからな。

ミラクル三井が「村人は自分が消した」と言った時、その方法がわからないため何も言い返せないまま地団太を踏む(だけの)二人だが、方法はどうあれ、村人を消したと言っているのだから、今すぐ村人を元に戻さない限り、誘拐なり監禁なりでしょっぴく、とすれば良かったのではと思えるのだが。

今回は奈緒子の「エヘヘヘヘ」笑いがなかった(やむ落ちにはあった)。

トリック(2) [DVD]

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