龍馬伝-07「遥かなるヌーヨーカ」

出演

雑感

今回の表のテーマは、龍馬と河田小龍との出会いだが、僕としては、児玉さんラブ(はーと)の回だった。

龍馬が江戸修行を終えて土佐に帰ってくることになり、姉たちは大騒ぎである。八平も、龍馬に会えるのが楽しみでたまらないのだが、一家の主としてみっともない姿は見せられぬとばかり、でんと座っている。座っているが、気もそぞろ……という、子煩悩な父親の姿を、腕組みして座ったまま、視線を落ち着きなくさまよわせる演技で見事に表現していた。なんとも達人の演技ではないか。

体調の悪いのを龍馬には知られまいとするが、ついに倒れてしまう。なぜか坂本家に泊りこんでいる河田小龍に、「龍馬は年を取ってから生まれた子です、長く付き合うことはできないと覚悟していたはずなのに……行く末を見たいと思ってしまいます……」「この家はいい。みんながそなたのことを慕い、尊敬し、心配しちゅう。そういう家庭だからこそ、龍馬のような優しい男が育ったのだろう。しかし、奴はただの優男ではないぞ。間違いなくひとかどの人物になる」「そうですか、ひとかどの人物になりますか。……それを、見たかった……」というやりとりで、涙。リリー・フランキーの淡々とした演技が、却って場を盛り上げる。

ある晴れた日、坂本家は一家総出で桂浜に行く。そこで龍馬は、黒船を作って家族とともに異国を旅するのが夢だと語る。八平は「そうか、おまえはそんな夢を持っていたのか……」と嬉しそうにうなずく。日本を離れることが大罪だとされる鎖国の世で、龍馬の話を聞いた家族が、なぜ「そんな恐ろしいことを!」と感じなかったのかは不思議だが、単なるホラだと思ったのかも知れない。中身より、龍馬が夢を語るというそのことが嬉しかったのだろう。涙なくしては見れない場面だ。

ステラ(テレビ番組雑誌)2/19日号に児玉清のインタビューが載っている。この海辺のシーンは4回通したが、福山は一度もNGを出さなかったとのこと。「福山雅治のすごみを感じてほしい」と児玉さんは繰り返し主張しているが、僕としては、これまでの7回で、そのすごみが際立っているのは児玉さんでしょう、と思うのである。

八平が息を引き取るのはその数日後だが、そのことはナレーションで告げられただけで、死ぬ場面を映さなかった演出も良かった。