窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

坂本龍馬とお江

今年の大河の主人公が浅井三姉妹の末娘お江だと聞いた時は、前年の坂本龍馬に比べてあまりにも知名度に差があるので驚いた。上野樹里は好きなので、今年も初めから見るつもりでいたものの、僕自身、お江のことなんてほとんど知らない。母親の市や、長女のお茶々のことならそれなりに知っているが……

しかし、実際に見てみると、そのあたりは杞憂だとわかった。お江は知らなくても、織田信長木下藤吉郎明智光秀徳川家康などはもちろんおなじみの面々であるし、姉川の合戦も、築山殿事件も、本能寺の変もわかる。そういう点では身近に感じる物語であり、知らない世界ではない。

もうひとつ、坂本龍馬や幕末のことについては、僕もそれなりには知っている。それで、昨年は「龍馬伝」を見ていて、いくらドラマだとはいえあまりにも史実とかけ離れていると「なんだよそれはー」と不満が募った。なんでこのエピソードを抜かすんだとか、この人のキャラはこうじゃない、とか。今年は、江自身のことは知らないため、第二話・第三話に描かれている話など史実とは関係なさそうな気配もするけど、非常に心穏やかに見ていられる。

あまりにも知名度の高い人物や(視聴者がそれぞれの人物像を持っている)、近代の人物(記録が多く残っており、作家の想像の余地が少ない)をドラマの主人公にするのは難しい面もあるのだろうが、しかし、「史実を踏まえて描く」のは鉄則だと思うのだが。作者が創作するのは、事実をどう解釈するかではないだろうか。