いったいなんだったんだ映画の「SP」は

ようやく観に行かれた。

題名SP THE MOTION PICTURE 革命編
監督波多野貴文
出演■テレビ編から/岡田准一井上薫)、堤真一(尾形総一郎)、真木よう子(笹本絵里)、松尾諭山本隆文)、神尾佑(石田光男)、平田敦子(原川幸子、警護課庶務係)、江上真悟(中尾義春、課長)、野間口徹(田中一郎、公安の人で井上の同期)、山本圭(麻田雄三、総理大臣)、他

■映画(前作)から登場/香川照之(伊達國雄、与党幹事長)、他

■映画(本作)で初登場/波岡一喜(安斎誠、「第二部」の脚本を描いた一人)、平岳大滝川英治、「第二部」の脚本を描いた一人)、入山法子(青池由香莉、「第一部」に加担するSPの一人)、他
公式サイト革命篇|映画「SP」公式サイト
制作日本(2011年3月12日公開)
劇場新宿ピカデリー

雑感

とにかく終わった。飽きずに最後まで見たという意味では、まあまあ面白かったうちだろう。しかし、テレビ編からふたつの映画を見てきて、いったいなんだったんだ、という虚脱感もある。

  • 「すべてが明かされる」という触れ込みであったが、別にすべては明かされていない。明かされたのは尾形が何かたくらんでいる、その内容と背景である。といっても井上薫の両親を殺したテロリストは麻田雄三が仕込んだもの、というのはだいたいわかっていたし、結局、テレビ編の後半(エピソードIV)の続きが映画「野望編」になり、その続きが「革命編」になっただけ。エピソードIのテロリストは誰に指示されたのか? エピソードIIIで、尾形らが警護の任を解かれた後、マルタイの大橋はどうなったのか? もう今さらテレビ編なんてどうでもいいけどね。
  • テレビ編と映画「野望編」は見ているのに、ところどころ話の通じないところがあった。山本に彼女がいるとか、田中が殺されかけたとか。野望編は一回しか見ていないし、あれから時間も経っているため、細かいところは忘れているのかもと思っていたのだが、見終わったあとWebで確認していてとんでもないことに気付いた。なんと封切直前の3月5日にテレビスペシャルで「革命前日」というエピソードを放映したらしい。これは映画「野望編」と「革命編」の間に入るもので、尾形の行動に不審を感じた田中が独自の身辺調査を行ない、その結果ある事実にたどりつき……井上は「シンクロ能力」がますます嵩じて、このまま職務を続ければ問題が起きると言われ……など、「重要な」エピソードが盛り込まれていたらしい。束の間の休日に、山本が彼女とデートしたり、石田が別れた妻やその子に会う場面もあったとか。これはいくらなんでもひど過ぎないか。
  • テレビ編の結末が映画に持ち越され、その映画も二部構成になっている時点でものすごいセコイと腹立たしく思っているのに、ふたつの映画の間にテレビSPが入ってまたストーリーが進む……。当然、DVDが発売になっているわけでもないから、当日の放送を見逃した人は見返すすべもなく映画の最終エピソードに臨まなければならない。僕のように、そうした放映があったことすら知らない人は何人もいただろう。そりゃ見なくても大筋はわかるが、それを言うなら、この映画自体、観なくたって日常の生活になんの支障もないのだ。こういうふざけたやり方を誰が企画したのか。亀山千広か。責任者でてこーい! とオレは言いたい。
  • ストーリーは別にして、アクションも、「野望編」の方が派手で楽しめた。井上が自動車の上を走ったり、走るトラックの荷台での決闘、笹本が矢に射抜かれる場面など、バラエティに富んでいた。それが「革命編」では、井上らを「気に入らない」と言っていたSPチームに襲われ、人数でまさる彼らを返り討ちにしたくらい。最後、テロリストたちを制圧するために(尾形以外の)彼ら全員を瞬時に殺してしまったのは、すごいといえばすごいが、いろいろと疑問が沸く。とにかく、誰が汚職をしたとか、尾形の長い演説とか、理屈っぽい場面が多くて爽快感に欠ける。
  • 「係長はオレたちに止めてほしいんですよ!」っていっても、これだけ大それたことを実行していて、今さら「止めてほしい」と言われてもねえ。麻田総理を(非合法に)追い込んで罪を告白させ、その自白テープを公開して彼を失脚させるぐらいのことはいつでもできただろうし。
  • 井上、笹本、石田、山本がたった4人で制圧に向かう時、山本が笹本に「もっと殴ってほしかった……」「安心しろ。これからもっと殴ってやるよ」という会話をかわす場面、おいおいこれは死亡フラグかよと思ったが、彼らはケガひとつせず制圧を終えるのであった。
  • で、6ヵ月後の場面……。尾形らに罪を暴かれた政治家連中はどうなってんですかね? 予期せぬ井上らの「乱入」で見せ場を失った伊達國雄は? 一番気になる点は最後まで明かされず。いったいなんだったんだ!