窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「どうする家康」(26)

題名

  • 「どうする家康」第26話「ぶらり富士遊覧」

放送日

  • 2023年7月9日

登場人物

概要

瀬名と信康の死から数年、織田・徳川両軍は甲斐へ攻め上り、ついに武田を滅ぼす。信長を恨む様子もなく従順に付き従う家康を理解できず、忠勝ら家臣の一部は不満を持っていた。そんな中、家康は安土へ戻る道中に信長を接待したいと申し出る。家臣団に於愛や茶屋四郎次郎も加わって富士遊覧の供応が始まるが、気まぐれな信長に振り回され計画は思うように進まず……。(公式サイトより)

雑感

松本潤」がカッコいい!」に尽きる。

これまでは優柔不断だったり、家康はいろいろと情けないところを見せてくれた。情けないと感じたということは、それだけ松潤がうまかったとも言えるが、とにかくカッコ悪かった。が、今回の家康は実にカッコよかった。

信長の真似をして? 月代にしたのもよく似合っているし、顔つきが凛々しい。何かが吹っ切れたのか。迷いのない、いい顔をしている。信長に対しても変に反抗的になったりせず、素直に、言うことをよく聞くようになった。

極めつけは、海老すくい。酒井忠次の十八番だが、いかにも素人芸の酒井忠次とは異なり、見事に決まっている。これは歌と踊りをきちんと身につけた人の芸だ(まあ、松潤だから……)。

「男なら、せめてなりたや織田家臣」
「上様の天下めでたき日本晴れ」

タイトルを見た時、これは武田を滅ぼした後の富士遊山のことなのか? 武田が滅ぶなら、それがメインの話になるのでは? と思った。また、家康の信長へのヨイショぶりがコミカルに描かれていたため、前回の重苦しい回の次だから息抜き回かとも思った。どちらも大違い。

武田勝頼の最期もそれはそれで見応えがあったが、本作においてそれはメインではない。これまでの家康は気持ちが顔によく出ていたが、築山事件以来、顔に出さなくなった。信長は「読めなくなった」と言い、武田勢の皆殺しを命じたり、せっかくの接待なのに温泉を断わったり、三河者は田舎者だ、そんな風ではこれから甲斐を治めるのにバカにされるぞと焚きつけたりしたが、家康は動ぜず。本心を引き出せない。

そのような状態が二年続いたということだろう。ついに家臣たちが「本心を!」と訊いたところ、家康はやっと本心を明かす。「信長を討つ」と。

史実通りなら間もなく本能寺の変が起きる。家康は信長討伐を考えていたが、その前に光秀が動いたために未遂に終わるということか、それとも光秀を焚きつけて裏で動かしたという解釈になるのか?

家康たちが信長をずっと接待している時に、信長に随いていたのが光秀だったというのも示唆的だ。

森乱を演じている大西利空は17歳だがずいぶんといろいろな映画やドラマに出ている。「アリバイ崩し承ります」にも出演していたが印象がない。映画「水は海に向かって流れる」にも出演。この映画は見ておくべきだったが、もう上映しているところはない。


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