窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

(03)「謎の男」

題名

  • 「光る君へ」第03話「謎の男」

放送日

  • 2024年1月21日

登場人物

宇多源氏

朝廷

その他

  • DAIKI(須麻流(すまる)、安倍晴明の従者)

概要

自分のせいで放免に捕らえられた道長を心配するまひろ。しかし、父の為時に謹慎を強いられたため、ただ案じることしかできない。兼家の指示で道兼は女官を使って帝の食事に毒を仕込み、円融天皇は急激に体が弱っていく。政権を掌握するために二の手を打ちたい兼家は、ライバルの左大臣家の動向を探るため、為時を利用してまひろを間者として送り込む。(公式サイトより)

直秀は放免(検非違使の下部)に追われていた。途中、まひろにぶつかるが、そのため落としたものを拾って返してくれる律義さもあった。放免にどちらに逃げたか訊かれたまひろは別方向を指さしたが、そこにいたのは三郎であり、代わりに三郎が捕まってしまう。まひろは慌てて「その人は違う」と叫んだが聞き入れられず、三郎は連行されてしまった……というのが前回の引き。

代筆家業をしていることが父にバレ、謹慎させられてしまったまひろは、三郎を案じてもどうしようもない。が、もちろん連行された先で身分がわかると、叱責されたのは放免の方だった。直秀は自分の代わりに捕まった三郎を追いかけて、始末を見届けると、まひろに、無事だったとひそかに報告する。

源雅信の娘、倫子(ともこ)はいい年齢なのに嫁に行く様子がない。何を狙っているのか? 意図を知りたい兼家に、為時は策を献ずる。倫子が定期的に開催している和歌のサロンにまひろを送り込もう。雅信の妻、穆子(むつこ)は遠縁だから可能だ。

まひろは、久しぶりに外出できること、しかも好きな和歌の話ができることに興味を惹かれつつも、身分違いの自分が参加することに気後れも感じる。いざ参加して、漢字合わせのゲーム(偏継ぎ)が始まると、無双して一人で全札取ってしまう。赤染衛門(あかぞめえもん)が古今集の和歌を吟ずると、「すごい! 合ってます」などと失礼な言葉を口にする。

が、帰宅後、父の真意を知ってしまい……

雑感

  • タイトルは直秀のことだろう。なぜ散楽一座の一人が忍びの真似事をしているのか。なぜ見物人の中から互いの存在に気付いていない三郎とまひろを結びつけるようなことをしたのか。
  • 焦がれた者どうしが再会する展開は、いつになってもいいものだ。三郎とまひろのことだが。まあこの二人は結婚しないけどな。
  • サロンに参加したまひろは思わず無双してしまうが、他の人の顔色を見て「やり過ぎたか?」と思った時に倫子がにこにこ笑って「まひろさんは、漢字がお得意なのね」と声をかける。これが怖かった。本当に無邪気に褒めているのか、サロンの主人として、場を壊さないために声をかけたのか、腹に一物、二物あるのか。どれもありそうだがさっぱりわからない不気味さ。これは黒木華ならでは。
  • まひろが自分一人が浮いていると気づき、他の人のおしゃべりに言葉を挟みたくても挟めずにいる、その時の表情(特に目の動き)が見事としか言いようがない。キョドっているのとも少し違う。吉高由里子ってこんなにうまい人だったか……?
  • 6年前、母の死を偽った父を許せずにいたまひろは、以後、父との間がうまくいっていない。その上やっと見つけた生き甲斐の代筆家業も禁止され、謹慎の憂き目に遭い、父を恨んでいた。が、そんな父が、代筆は許さぬが親戚の開催する和歌サロンなら参加してもよいと言ってくれたのは、自分の才を認めてくれたのかと、さぞ嬉しかったことだろう。恥ずかしくないように振舞わねばならぬと心に決めたことだろう。が、父の真意は右大臣家を探らせることだったと気づいてしまった。しかし、さすがにもう子どもではない、父の立場もわかる、わかった上で傷ついている。その演技が素晴らしい。

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