窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」総集編第一週「旅立ち」

放映日

  • 2020年8月9日

雑感

麒麟がくる」再開まで、三回にわたって総集編を放映する。その第一回目。帰蝶が信長に嫁ぐまでだったので、第八回までをまとめたことになる。これまで第二十一回まで放映されているから、ちょっと多目のまとめか。

半分も終わっていないドラマを三回に分けて総集編とするため、それなりにじっくりとした話になるかと思ったが、総集編は総集編。名場面を食つなぐだけで分断が激しく、ストーリーになっていない。新たに撮っているわけではなく既存の映像から抜いてつなげているだけだから致し方ないことではあるのだが。

だから、既に全編見ている人が、そうそう、こういうシーンがあったねーと懐かしく振り返るにはいいだろうが、見たことのない人がこれを見ても、どんなドラマかは伝わらないのではないか。

総集編が既存の映像から抜いてつなげているがゆえの宿命なのだが、登場回数が少なくても、登場する時はその回において主役級の働きをするキャラクターというのは、総集編においても光を当てやすく、印象に残りやすい。たとえは足利義輝、三淵藤英、松永久秀などである。土岐頼純もそうかも知れない。本編においても一回登場しただけだが、総集編でもきっちり存在を示した。

一方、本編ではほぼ毎回のように登場し、いろいろな意味で主人公の動きや考えに影響を及ぼしはするものの、話の展開に直接関わって来ない人を、総集編で登場させるのは難しい。明智光安、牧、菊丸、望月東庵などがそうである。光安、牧、菊丸は、とにかくどこかで登場させないと、ということで総集編でも一場面ずつ登場したが、あまり必然性のある場面ではなかった。駒はさすがに何度か登場はしたが、傷を負った十兵衛をなぜ駒があそこまで献身的に看病したのか、総集編ではさっぱりわからない。でも、それがわからないと、本当は駒を登場させる意味がない。

わからないといえば、終盤で帰蝶尾張に行きたくない、私を守ってほしいと十兵衛に泣きつくのは、単に信長に嫁ぎたくないというだけではないのだが、それも総集編だけ見ていてはわからない。だから、その十兵衛に、尾張に行くべしと言われ「十兵衛が申すのじゃ。是非もなかろう」と答えた帰蝶が、このセリフにどんな思いを込めたのかもわからない。

ついでに言えば、帰蝶ツンデレならぬツンツンで、十兵衛に対してはきつい言い方ばかりするが、鶴を追いかけただの牧のご機嫌伺いだのと理由をでっちあげては明智荘に入り浸っている目的を、付近の人は(遠い妻木の人も)皆知っているのに、十兵衛だけが気付いていない、というのもこのドラマの面白さのひとつなのだが、もちろんそんな場面もなし。

そうした人情の機微がちゃんと伝わってこそのドラマだ。毎年、年末に総集編を見ると思うのだが、総集編は総集編で別に脚本を書き、本編と合わせて総集編用に別撮りもしておく、ということはできないものか。

今回はイレギュラーな対応であるが、手間をかけて総集編を作るのではなく、これまでの21回の中から三つ四つ選んで再放送をした方が、新たなファンを取り込むにも良かったのではないか。粗筋紹介だけなら、ナレーションを駆使して15分くらいでまとめ、サイトに置いておくとか、8月30日の再開前に放映するとかした方が、需要はあるように思う。



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瀬戸康史と山本美月が結婚

2020年8月7日、瀬戸康史山本美月が結婚を発表した。この日、婚姻届けを提出。既に同居している。瀬戸康史は32歳、山本美月は29歳。結婚するのに一番いい年齢だと思う。

瀬戸康史は「私の家政夫ナギサさん」に出演中。まさにホットな話題である。山本美月は昨年の大河ドラマに新聞記者役で出演していたのが記憶に新しいが、僕にとっては、なんといっても「女子ーズ」のすみれ役が印象に残る。
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人気俳優同士の結婚なので話題になるのは当然だが、今回は、発表された写真が高く評価されている。二人とも同じ色の服であること、女性がパンツなど、ジェンダー・イコーリティーによく配慮されているというのだ。男性が座り、女性がその方に手を置く姿勢も好感度が高いようだ。

そこまでは分析しなかったが、この写真にいい印象を持ったのは事実。山本が足を交差させ、まっすぐに立たず少しかしいだり、瀬戸が左手をポケットに入れたり、僕らがやったらカメラマンに即座に注意されそうな「少し外した」態度だけど、厭味にならず、センスよくまとめている。二人の発案なのか、いいスタイリストがいるのか。


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(2020/8/11 記)

NEWS23「綾瀬はるか『戦争』を聞く」

知らなかったが、綾瀬はるかは2010年以来、毎年「NEWS23」の特別企画として60人以上の戦争体験者にインタビューを続けて来たそうだ。これも知らなかったが、綾瀬はるか広島市出身。

戦争体験者の声を拾い、記録していくのは大切なことだが、中には「思い出したくない」「語りたくない」という人も少なくないようだ。そんな人でも、綾瀬はるか(のような著名で好感度の高い女優)が直接訪ねて来ることで、心を開くということもあろう。ご本人はさぞ大変だろうと思うが、綾瀬はるかのキャラはこうした役割には適任と思った。

この番組の中で、ハロルド・アグニュー博士と被爆者二人との対談(の恐らくダイジェスト)が再放された。ハロルド・アグニューはアメリカの物理学者で、原爆の開発に関わり、広島に原爆を投下した飛行機に科学観測員として同乗し、投下後の広島の町の撮影を行なった人だそうだ。

対談で博士の言い分はこんな感じか。

  • 核爆弾は戦争で使うべきものではないしこれから先二度と使われないことを望む
  • 広島の原爆も東京大空襲も同じ、程度が違うだけ
  • そもそも真珠湾がなければヒロシマもなかった。真珠湾で私は知り合いを何人も亡くした
  • 謝罪する気はない。自分に謝罪せよと言うなら、まず日本人は真珠湾を謝罪しろ

言い方がいちいちカンに障る人で、こういう言い方をされたら被爆者ならずとも腹が立つな、とは思ったが、この対談後に、これだけのことをしておいて一切謝罪の言葉がなかったのは残念だ、と締めくくるのは納得が行かない。真珠湾、空襲、原爆。確かに規模も程度もまるで違う。が、しれで死んだ人がいた、という点は同じ。死んだ人はそれぞれ、家族も、友人も、いたであろうことも。

真珠湾だけではない。満州国建国、国際連盟脱退などもそうだが、こうした事実を日本は、日本人は、アメリカ人に対して、あるいは世界の他の国の人に対して、どう総括するのか。その部分をスルーして、ヒロシマだけを取り上げるのはフェアではないと思う。

対談は広島で行なわれたようだった。ハロルド博士は、とにかく広島まで来たのだ。そのことに対するポジティブな評価が番組内で言及されなかったも残念だ。

この対談が行なわれたのは2005年、ハロルド博士も、二人の日本人も、既に鬼籍に入られているそうだ。

(2020/8/14 記)

「私の家政夫ナギサさん」第五話

サブタイトル

  • 「極秘計画で母と妹の仲直り大作戦! 隣の敵の秘密……」

放送日

  • 2020年8月4日

概要

公式サイトより転記:

ある夜、メイ(多部未華子)が帰宅するとナギサさん(大森南朋)から料理を教わる母・美登里(草刈民代)の姿が。父・茂(光石研)の還暦パーティーで手料理を振舞い、驚かせたいらしい。これを機に、3年前に実家を飛び出したままの妹・ 唯(趣里)と美登里の仲を取り持ちたいメイは、ナギサさんに相談。すっかりナギサさんに心を許しているメイは、自分もナギサさんについて知りたいと思うようになる。
一方、田所(瀬戸康史)はメイのことを意識しながらも何かを隠している様子……。

美登里は還暦パーティーで手料理を振舞うべく、ナギサに教わって特訓するが、なかなか思うようにいかない。メイの提案で、その日はナギサに出張料理を依頼することにする。

ナギサは、その日の出張料理のために、唯に、家族の思い出の料理やそのレシピを聞き出し(メイや美登里は恐らくレシピがわからないので)準備をし、さらに、(メイ・父と結託して)4人分の料理となると自分一人では大変だからと、助手として唯を連れて行くことに。大きめの帽子とサングラス・マスクで変装した唯だったが、美登里には見抜かれる。意地を張りつつもともに食卓を囲むように促され、仲直りが実現。茂の思い付きの一言で、唯の夫と子も急遽呼びつけることになり、茂は孫を抱くという夢がかなうことになる。

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忘れた。エプロンだったっけ?(思い出したら修正する)

雑感

今回は泣かされた。みえみえのお涙ちょうだい劇ではあったが、それはそれでいい。仕事のことや田所のことがほとんど描かれず、家族のことに焦点を絞ったのはよかった。

唯と美登里はお互いに意地を張り合って、相手から謝って来ない限り和解はあり得ないと4年も言い続けてきたが、結局、唯が折れたわけだ。折れたつもりはない、と言うかも知れないが、ナギサがたかだか四人分の料理の準備ができないはずがないのはわかっていただろうし、何なら美登里やメイに手伝わせればいいことだ。いくら変装が条件でも、まさか唯自身、最後まで美登里に隠し通せると思っていたわけではないだろう。お父さんにも会いたかっただろうし、メイやナギサの気持ちも汲んで、この機会に乗せられることにした、ということではないか。

美登里は早々に気付いていたようだが、最初は意地を張って気付かないふりをしていたのだろう。しかし料理の手際が鮮やかなことはちゃんと見ていた。唯は唯で無為な時間を過ごしていたわけではないと理解したのは立派だった。

まさか唯の家族を呼びつけるとは思わなかったが、突然の連絡を受けてもきちんと応じ、子を連れてきた夫くんは偉かった。あるいは、話を聞いた時にこうした成り行きも想定していたいのかも知れない。

ところで、田所が何かを隠している件、Webサイトでは何やら思わせぶりに書いているが、単にゴミがたまっているのをメイに見られたくなかっただけではないかと思うが、違うのか? 山本美月が部屋にいた?(放映時にはそこまで気づかなかったけど)


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(2020/8/11 記)

「私の家政夫ナギサさん」第四話(その2)

昨日は、うまく描けず断片的な話のみになったが(いつもそうだが)、今回のテーマは「結婚はなぜ、なんのためにするのか」であったのだと思う。

天保山製薬・横浜支店のMRで存在感のなさではぴか一の馬場が、結婚指輪をしていることに最初に気付いたのは薫だった。何があったのか問いただす、という名目で支店の飲み会を開催。冴えない馬場が、なぜ結婚できたのかと根掘り葉掘り聞くのだが、相手の女性は「馬場さんといると、気取らず、素の自分でいられる」から自分を選んでくれた、という話を聞いて皆は妙に納得してしまう。

薫と婚活をしていることを明かしたメイは、どんな相手と結婚したいかを訊かれて「今の生活を1ミリも変えなくていい人」と答え、突っ込みを入れられるのだが、これはメイの本音なのだろうなと思う。

もともと周囲の圧に屈した形で婚活を始めただけで、メイ自身に強い結婚願望があるかといえば、そうではない。仕事が忙しく、帰宅後も勉強に追われ、部屋を片付けることさえできないメイに、結婚相手の世話など焼けるはずがないのだ。

だから、今の生活を変えたくないのであれば、結婚はできないし、するべきではない、ということになるが、話はそう簡単ではない。本作はそっちの方向に話を広げるつもりはないようだが、男の場合は、結婚しても生活のスタイルを変えない人は少なくないし、変えずに済むことも多い。むしろ、変えたくないから結婚する、という側面もある。令和の世にそうした考え方が通用するかどうかは別にして、少なくとも昭和の頃はそうした認識は少なからずあっただろう。

仕事は生活費を稼ぐためだけにするのではない。メイは、たとえ高給取りと結婚したとしても仕事は辞めたくないだろう。となると、方法はふたつしかない。(ナギサのような)主夫が務まる男性と結婚するか、主フの仕事を(ナギサなどに)外注するかである。

メイは、田所は、どのような答えを出すのだろうか。



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「私の家政夫ナギサさん」第四話

サブタイトル

  • 「今度は父襲来! 秘密の指きり…デートで鉢合わせ!」

放送日

  • 2020年7月28日

出演

概要

公式サイトより転記:

意気揚々と玄関の扉を開けたメイ(多部未華子)は、目の前に田所(瀬戸康史)を発見。ついに、田所に自分が隣に住んでいることがバレてしまう。しかも田所は「男性とお住まいなんですか?」と屈託なくメイに一撃を……。ナギサさん(大森南朋)を雇っていることを絶対に知られたくないメイは、それは父だと必死にごまかす。そして二人が隣に住んでいることは「ヒミツ」にしようと提案。メイと田所は二人だけの「ヒミツ」を共有をすることに……。

ある晩、メイの父・茂(光石研)がメイの部屋にやって来た。美登里(草刈民代)からナギサさんの話を聞いていた茂は、ナギサさんに興味津々。人懐っこくナギサに酒をすすめ、メイには決して語らなかったナギサのプライベートが明らかに!?

一方、医師の肥後(宮尾俊太郎)はメイに猛アプローチ。メイは誘いを断れず遥人(眞栄田郷敦)を伴い、懇親会という名のデートをすることに。するとそこへ、田所と薫(高橋メアリージュン)がやって来た。まさかのデートの鉢合わせに、メイは混乱! さらに肥後が思わぬ行動に出て、事態は思わぬ方向へ……!?

綱島で閉店する飲食店が続出。大々的な土地の買い占めが進んでいるらしい。副支店長の松平が、どうやら総合病院ができる計画があるらしいとの情報を得てきた。この情報はまだアーノルド製薬はつかんでいない。先に話を進めて契約を取るぞ、と皆にネジを巻く。そんな松平に、支店長の古藤は、九州へ異動の話があることを伝える。支店長の席が空いたと。

メイの父・茂は間もなく還暦なので、それを名目に家族四人で集まりたい、孫の顔も見たいという。唯が家を出てから家族が集まることはなくなっていたのだ。母も唯も意地っぱりだから、難しいだろう。その話を聞いたナギサは、自分にできることがあるのではないかと考える……

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割と早い段階で、田所のシャツの背中に。CG合成ではなく、本当に服に縫い込んでいるらしい。いや、初めからそうだと思っていたけど。初回のタオルは販売されたらほしい。
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雑感

メイがナギサに、隣人の田所に会ったら父親のふりをしてほしいと頼む。家政夫を雇っていることがわかったら恥だから、と。これまでの三回で、母親の呪いも解け、ナギサの仕事の貴さも理解できたはずと思っていたが、依然としてメイはこんな失礼なことを平気で口に出す。差別というのはこうして生まれ、広まっていくのだろう。ナギサは、恐らくこうした物言いには慣れており、気にしてはいない風だったが……

もっとも、ナギサの職業倫理にも疑問符が付く。茂がメイに、自分の還暦祝いに家族で集まりたいと相談する。茂はメイに相談したのであって、ナギサにではない。家政夫は、家に出入りするわけだから、家の事情がいろいろとわかってしまうが、それに対して見ざる・言わざる・聞かざるを貫くべきなのは当然のこと。それなのに、断わりもなく唯に話してしまうう。メイにも協力を申し出る。一見、親切なようだが、こんな風に家のことを書ぎまわって余計なことに平気で首を突っ込むような人は、家政夫には向いていないのではないか。メイがナギサを正式に雇うにあたって契約書にサインをしたが、その契約書には守秘に関して言及がないのか。

ナギサと父との会話から、ナギサが独身であることがわかる。

肥後のプロポーズだが、婚活アプリでメイが「いいね」を押してしまったために肥後がその気になってしまったのだから、間違いならさっさと詫びるべきだ。仕事でつながりがあるから気まずい思いをしたくない、面と向かって言いにくいと先延ばしにしていては、事態を悪化させるだけだろう。ちょっと、ひどい。

肥後とメイ、田所と薫、それぞれのデートのあと、帰る方向が同じ田所とメイは、近所の公園で、さらに飲みを。仕事熱心なことも、食の好みが一致していることもわかり、意気投合する……


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(2020/8/5 記)

「麒麟がくる」までお待ちください~キャスト・スタッフが明かす大河ドラマの舞台裏

放映日

  • 2020年7月26日

出演

概要

昨年までの10年分の紹介と麒麟を含めた11回分の中からメイキングというか、そのシーンを撮るためにスタッフがどういう準備をしているのかなどを明かした内容。

雑感

内容自体は面白かったが、19時半から75分という長時間である必要はあったか。大河ドラマ本編が放映できない穴埋めなのだから、大河枠で(同じ時間帯で)放映してほしかった。

この10年は、自分が最も熱心に大河ドラマを見ていた時代と重なるが、改めて振り返るとすごい玉石混交だなと思う。「平清盛」「八重の桜」「おんな城主 直虎」「いだてん」などは歴史に残る名ドラマであるが、ここでは名前はあげないがアレとアレとアレはひどかった。

役者はもちろん、脚本も演出も音楽も毎年担当者は変わるけれど、大河ドラマそのものを制作しているチームそのものが毎年総入れ替えしているわけではないだろう。そういうところが大まかな方針やら設定やらを決めて、過去の大河でこういう試みをしたがよくなかったからやめよう、これはうまくいったから今年はもっとこうしよう、というようなあれこれがあって、それを受けて現場が脚本を書き演出をしているのではないのか? なぜ毎年毎年こうも変わるのか?

思うに、ドラマのよしあしを評価する評価基準もなければそれを判断できる人もいないのではないか。ただただ視聴率ありきになっているのではないのか。そんなことはないと思いたいが。


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「不要不急の銀河」(NHK)

題名

  • 不要不急の銀河

放映日

  • 2020年7月23日

出演

  • 片桐はいり(河原千代、スナック「銀河」の初代ママ)
  • 小林勝也(河原八郎、千代の夫)
  • リリー・フランキー(河原満、千代の息子)
  • 夏帆(河原秋、満の妻)
  • 鈴木福(河原慧、満の長男)
  • りり花(河原唄、満の長女)
  • 茅島みずき(柚木夕香、慧の彼女)
  • でんでん(店の常連客)
  • 安藤玉恵(演歌歌手)

スタッフ

概要

場末の町に千代がスナック「銀河」をオープン。以来、固定客もつき、長く愛される店に。客の小林と夫婦で店を経営。結婚すると満をもうけ、その満が長じてのち、常連客の秋を妻とすると、千代は店を息子夫婦に任せることに。代替わりしてからも店は続き、オープンから50年が経とうとしていた。そこへ新コロナ禍が起き、営業自粛を余儀なくされる……

というドラマを新たに制作するためのメイキングもドキュメントとして制作し、一緒に放映するという型破りの作品だった。このドキュメントの部分が結構長く、時間にして半分以上はそうだったのではないか。専門の医師に当初から参加してもらい、その指導のもと、いかにリスクを抑えて撮影をするか、その過程を記録した貴重な作品。

雑感

まさに今しか撮れない、今だから意味のある作品だった。コロナ後の新作ドラマとして、「さよならMyWay!!!」「転・コウ・生」「世界は3で出来ている」を見て来たけど、どんどん進化していると思う。こういう実験的な作品に果敢に挑戦する制作陣の姿勢に、まずは拍手を送りたい。

興味深かったのは、ドキュメンタリーの部分で、単に専門家の協力を得てガイドラインを作り、それに従って撮影しましょうではなく、こういう時代にドラマを撮っていいのか、ドラマを作る意味、ということを見つめ直していたことだ。

本編ではそれがスナックという形で表現される。同じ店でもスーパーやドラッグストアと違い、不要不急だと言われるサービスだが、一方でそれで生活をしている家族がいて、一方ではそれがストレスの発散や気分転換の場として必要としている人がいて、しかし現実に感染のリスクもあるわけで……という袋小路だ。

ただし本編ドラマの終わりは納得が行かない。店の営業を継続したい満と、“自粛警察”に貼り紙までされてしまい、これ以上店は続けられないという秋と連日喧嘩を続けていたが、ある時常連客の誕生日だという日に、千代が息子夫婦に断りもなく店を開け、客を入れてしまう。マスクもしないで。これはちょっといただけない。それで救われる客がいるのは事実としても、不安を感じる近所の人がいるのも事実だろうし、マスクもせずもし感染者でも出したらここに住めなくなるのでは? それを心配するからこそ秋は反対しているのに。

ついでに、彼女にキスがしたいとお願いを続ける慧クンもキモい。いや、高校生男子の頭の中はソレしかない、というのはわかりますよ。自分も通った道だから。しかしね、そう言える相手がいるというだけで、恐らく全国の高校生の上位5%くらいに入る幸せ者だという事実を、もう少しかみしめた方がいい。彼女が、「もう、そんなことばっかり言うなら別れる!」と言わずに付き合ってくれるのは、本当に恵まれているのよ。


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「アシガール」SP「超時空ラブコメ再び」

これまでの中で一番面白かった。

放映日

  • 2020年7月23日

出演(TVシリーズから)

出演(初登場)

概要

TV編で高山宗熊は羽木と和睦を結んだが、父・宗鶴は納得せず、織田の家臣・相賀一成の助力を得て小垣に攻撃を仕掛ける。高山と話し合いをするため忠清は小垣へ向かう。唯もついていこうとするが、忠清に止められる。父がこれを知れば血気に逸って戦を仕掛けようとするだろう、唯は黒羽に残り、それを止めてほしいと。

高山を動かしているのは実質織田なので、話し合いは決裂、小垣は占領される。勝ち目のない戦に向かおうとする羽木本軍だが、唯に止められ、黒羽を捨て逃げることに。しかし天野信茂と千原元次は収まらず、二人だけで高山軍に斬り込む。何人かを倒すが、多勢に無勢、千原は殺される。信茂もあわやではあったが唯が煙玉で敵をかく乱させ、救い出す。

まぼ兵くんで敵の目を引き付けている間に羽木勢を隣国に逃がしたことを確認すると、唯は小垣を目指す。高山軍につかまるも、殿に会いたいと宗熊に直訴。降伏のための高山の使者という名目でなら小垣に行かせてもらう。

再会した忠清と唯はひしを抱き合う。唯の(高山からの)勧告に従い忠清は降伏を決意。唯は、今この場で結婚式をあげてほしいと頼み込む。今の自分に嫁を取ることはできないと忠清は断わるが、城代の木村から、小垣城の最後にめでたい宴を開けるならこれほど素晴らしいことはない、ぜひ華燭の典をあげなされ、そして一生分抱いてあげなされと焚きつけられ、式を挙げることに。

二人きりになると、忠清は、唯に平成の世に帰るように言う。拒む唯だが、言うことを聞けば自分も決して死なないという忠清に、唯は従わざるを得なかった……

雑感

とにかく忠清が素敵過ぎる。羽木家のこと、領民のこと、唯のこと、いろいろに思いを巡らせ、最善の判断をする。これほどできた人間はいない。おまけに唯を見つめる目には……こっちもきゅんきゅんしてしまう。現代パートで、高校の制服を着て(着させられて)唯とデートするところ、おまけに唯の自転車を奪って一人乗ってしまい、唯に走らせるところなど、やさしいんだか冷たいんだか。萌ポイントである。

唯はいろいろと考えの足りないところもあるが、とにかく一途で一所懸命である。その上、若君やおふくろさまなどの言うことをきちんと聞き、受け入れる素直さがある。だからこそ唯の言葉に忠高までが耳を傾けるようになるのだろう。それにしても唯を叱る吉乃は立派で、天野信近はいい嫁を娶ったと鼻が高いのではないか。

行けに投げ捨てたはずのタイムマシン起動スイッチを忠清が拾っていたというのも可愛いが、水にぬれた精密機械が正常動作するとは思えない。その上、あと一回使ったら終わりのはずのタイムマシンを、未来の尊に改良・増強させてるなど、その手が使えるなら何でもありになってしまうが、そこは覚と美香子が完全にギャグにしてくれたので、まあそれはそれでいいだろう。

忠清の命を救うために平成に連れてきた唯だが、この世にいては忠清としての生を全うすることはできないと思い知り、戦国に戻らせること、そして自分も付いていくことを改めて決意して物語は終わる。まあ、これしかないだろうし、悪くない終わり方である。

ただ、忠清が家族や領民を捨ててただ一人平成の世に来て唯とイチャイチャして過ごしたとしても、忠清としての生を全うできない、本当の幸せはない、というのは事実だろうが、同様に、唯が家族や将来を捨てて忠清についていったところで、そこに唯の本当の人生はあるのだろうか。わずかの期間にすっかり戦国の世に馴染んできているようだが、一生豚肉も牛肉も食べることができない、具体が悪くなってもろくな薬もない、スマホがない、水洗トイレがない、タンポンがない、コンドームがない、そんな世の中に本当に我慢できるのか。ケチをつけるわけではないが、時代を超えた恋は悲劇しか生まないと思う。だからこそ、悲しくも美しいのだ。


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「私の家政夫ナギサさん」第三話

サブタイトル

  • 「母襲来でおじさん卒業… 目指すは家事もデキる女!?」

放送日

  • 2020年7月21日

出演

  • 夏子(居酒屋「万薬の長」店員)

概要

メイとナギサがいるところへ約束の時刻より大幅に早くメイの母がやってきた。最初は彼氏と勘違いして、家政夫であることを説明しても、男のくせに家政夫なんかと、失礼なことを連発。メイはいたたまれないが、初対面で自分もナギサに同じようなことを言っていたことに気付き、反省。

母はメイが火事が苦手だということを初めて知るが、あなたはやればできる子なんだと言い、メイもまた母の期待に応えたいと、仕事だけでなく家事も頑張る決意をする。が、無理は続かず、仕事が忙しかったこともあって過労で倒れてしまう。その場に居合わせた母だが、途方に暮れた挙句、ナギサに電話してしまう。駆けつけたナギサから、熱の下げ方、雑炊の作り方などを指導され、娘を看病する母は、ナギサの仕事の重要性に気付く……

今日の宣伝

メイのオーバーオールのような前掛けに「火曜ドラマ 私の家政夫ナギサさん」と広告が入った。
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雑感

とにかくメイ母の毒ぶりがひどく、見ているだけで気分が悪かったが、自分の悪いところに気付いたようなので、もうこのドラマを見て不愉快な思いはせずに済むかと思うとほっとする。

瀬川遙人企画のセミナーも、いろいろトラブルはあったが無事終了することができた。

メイは田所に誘われて飲みに行ってしまう。田所に気がある陶山薫には内緒。

居酒屋「万薬の長」店員は初回から登場しているが、一回限りだと思っていた。まさか毎回登場するとは。


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(2020/7/23 記)