窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「タリオ 復讐代行の2人」(NHK)(2)

サブタイトル

  • 炎を操る女教祖にマミクロ絶体絶命

放送日

  • 2020年10月16日

登場人物

概要

公式サイトより引用:

妻を呪い殺された和紙職人(竹原ピストル)の復讐話。男が住む村は昔から信仰心にあつかったが、ある日女教祖(伊藤歩)が現れ、不思議な力で村人たちを帰依させた。だが意に従わなかった男の妻を呪い殺した、復讐してほしい、と頼むこむ。真実と黒岩は二人で村に乗り込むが……。

雑感

予告編を見た時にうすうす感じていたのだが、まんま「TRICK」だった。まあ仲間由紀恵阿部寛ならぬ浜辺美波岡田将生ペアのTRICKというのも、これはこれでアリか……。

あとで知ったが、演出(木村ひさし)・脚本(蒔田光治)ともにTRICKの人であった。


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(2020/10/28 記)

「極主夫道」(日本テレビ)

おおのこうすけ作の人気コミックス(既刊5巻)の実写ドラマ。

放送日

  • 2020年10月11日

登場人物

概要

黒田龍は不死身の龍と恐れられた極道だったが、美久との結婚を機に足を洗い、専業主夫になった。

雑感

玉木宏は好きな俳優だし、「麒麟がくる」ではここのところ帰蝶の出番がなく寂しい思いをしていたから川口春奈も見てみたかったし、というわけで視聴。

しかし、個人的にはイマイチかな。玉木宏が、主婦業がいかに大変かを熱弁するのはなかなかいいと思ったが、かつての舎弟・雅との会話だけでなく、近所の主婦との会話も含めてすべて極道言葉で話すのは違和感がありまくりだし、正直なところ耳障りでもあった。川口春奈の出番が少なく、それほどかわいくなかったのもマイナスポイント。まあ、今回は初回で、龍の紹介回だから、美久についてはこれからなのかも知れないけど。


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「光秀のスマホ」(3)「#織田家はブラックでした」

概要

光秀は松永久秀とLINE、じゃなくてFUMIのやり取りをしている。どうやら光秀は体調不良で休んでいるらしい。松永は信長のブラックぶりに辟易している様子。そんな松永に同調したり励ましたりする光秀だが、そこへ信長から電話がかかってきた。ビビって電話に出られない。留守電を確認すると、「猿に頼むわ」のひとこと。

その直後、秀吉からOmoteTimeがかかってくる。「上様から中国攻めを命じられましたが、毛利相手に私一人で大丈夫でしょうか……」。光秀が電話に出なかったため、秀吉に指示がいったのだ。

後日、光秀は信長に電話し、体調も治ったのでまた誠心誠意上様のために尽くすと伝えると、「松永が裏切ったから殺してきて。あと、平蜘蛛は無傷で持ち帰れ」と。いきなり突拍子もない指示にのけぞる光秀。

光秀は信貴山城を取り囲みながら松永にメッセージを送る。このままじゃ俺に殺されちゃうぞ、平蜘蛛をくれたらこっそり逃がしてやるけど……。松永から「お前最低だな」の返事がきたと思ったら、爆発音が。松永が自爆したのだ。

「平蜘蛛は無傷で戻せと言っただろう」と信長に叱られる光秀。これはなんだ、と言って信長に見せられたのは、「平蜘蛛をくれたらこっそり逃がしてやる」という光秀のメッセージ(のコピー)。松永が死ぬ前に信長に送っていたようだ。「お前最低だな」と信長から言われた直後、秀吉から「播磨平定しました~」との報が入る。「このまま但馬も攻略していいっすか?」

あわててフォロワー数を確認すると、光秀は18345、秀吉は急激に増えて光秀を追い抜いた。光秀は静かに秀吉のフォローを外す……

配役(三回目終了後に初めて明かされた)

雑感

細かい説明がなく、視聴者にある程度の知識があることを前提に話が進んでいく。知らなくても楽しめるが、松永がたびたび信長を裏切ったこと、松永の持つ平蜘蛛に信長は執心し、譲るように何度も頼んだがそのたびに松永は断わってきたこと、最期は釜に爆薬を仕込んで爆死したこと、などを知っているといっそう面白い。これはスエヒロさんのパロディ作品にも通じるが、知っていれば知っているほど楽しめるのだ。恐らく、僕が気づいていない「仕込み」がまだまだあるだろう。

光秀が松永にあれこれメッセージを送るも読んでいる様子がなく、それどころじゃないのかな、と思いつつ、つい「平蜘蛛をくれたら……」と送ってしまい、それを自分で読み返して、いやいやこれはまずい、と思って削除しようとした瞬間、すべてのメッセージに既読がついてしまうところなど、実にお見事である。

それにしても、「お前最低だな」と信長に言われてしまった光秀、これからどのような運命が待ち構えているのだろうか!?



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「光秀のスマホ」(2)「#“秀☆吉”って誰だよ」

概要

「秀☆吉さんからフォローされました」と通知が来たので見に行くと、秀吉はフォロワー312人。フォローしてやろうかと思うが、やめておく。

光秀は首尾よく織田家の家臣になれたようである。そして京都奉行に就任。奥さんのひろこや娘の玉と愛のこもったメッセージのやりとりを続ける。

浅井長政が裏切ったとの報が届く。光秀は急ぎLINEグル……ではなくFUMIグループに投稿しようとするが、「浅井長政」と打っている間に「長政裏切り」と書いた秀吉に先を越されてしまう。信長からは「だれかしんがりを頼む」とのメッセージ。一瞬躊躇したものの、光秀は「やります」と投稿。その一瞬あとに秀吉からも同様の投稿があるが、光秀は「遅い遅い」と心の中でバカにする。

金ヶ崎の退却でしんがりを務めたことなどが評価され、光秀は織田家臣団で初めて城を持つことが許され、そのことがニュースになる。秀吉はOmoteTimeで光秀に思い切り媚を売る。光秀のフォロワーは一気に1万人を超えたが、この時点で秀吉のフォロワーは412人。光秀は、フォローしてやっか! と余裕で「フォローする」をポチる。

雑感

前回、名前がチラと出た秀吉が本格的に登場する。最初に、フォロワー数があまり変わらなかったため、フォローをやめておいたが、圧倒的に引き離した後でフォローしてあげるところがとにかくおかしい。

実物の秀吉も登場。この時点では光秀を演じているのが誰かは明かされていない。秀吉は調子が良く、おしゃべりで、人にへつらうのが得意。いかにも秀吉っぽいが、しかし実のところ何を考えているのかわからない点は、「麒麟がくる」の秀吉と共通するかも知れない。

しかし、二回目にして既に「麒麟がくる」を追い越してしまった。「麒麟がくる」は既に27回を終わったが、坂本城や、金ヶ崎の退却どころか、まだ京都奉行にすら就任していない。本当に本能寺まで行くのかな?



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「光秀のスマホ」(1)「#これからは信長の時代でしょ」

武将たちが群雄割拠し、天下統一に向けて覇権を争っていた戦国時代。もしも彼ら武将たちがスマートフォンを持っていたら……という設定のドラマである。時代物のパロディを扱わせたら今の日本で右に出る人はいないと思われるスエヒロさん(@numrock)が画面の作りこみを手伝ったと聞いて、このような番組があることを知り、放映を楽しみにしていた。

概要

光秀は、フォロワー数がなかなか伸びず、エゴサすると自分の悪口が見つかったりするので落ち込んでいる。そんな矢先、ネットニュースで今川義元桶狭間織田信長に討ちとられたことを知る。士官するにはどうすればいいかヤマカン(戦国版Siriか?)に聞くと、仲介者を探せという。そんな矢先、細川藤孝から足利義昭が上洛するためにボディガードを探していることを知り、そこで織田信長足利義昭の両者を引き合わせようともくろむ。

信長・義昭の密会が戦文オンラインに抜かれた。そのニュースがバズっていることを喜ぶ光秀だが、誰もセッティングしたのが光秀だと気づいてくれない。業を煮やして、裏垢で「仕掛けたのは光秀らしいよ」とつぶやく。

信長からは感謝され、「光秀さん、これからも頼むわ」とメッセージが飛んでくると、「是非に及ばず」のスタンプで返す。

雑感

戦国時代にスマホがあるという設定がSFもいいところなのだが、ストーリーは意外に真面目である。光秀は朝倉のところにいて、信長から誘われるが断わる。その後、信長と義昭を引き合わせるなど、「麒麟がくる」と呼応している。「是非に及ばず」は本能寺の時に信長が呟いたとされるセリフで、知っているとおかしさ倍増である。

性格はもちろんかなり違うが。

アプリ

メインで使っている短文投稿アプリはなんという名前なのだろう。アイコンは常に見えるが名称がわからない。もうひとつ、個別メッセージ交換アプリはFUMIである。電話は現代と同じように使えるようである。その他、トップ画面にあるアプリは、「暦」「天気」「銭」「連絡先」「石垣積む積む」「連歌メモ」「UnuTube」「OmoteTime」「馳走ログ」「家臣マッチング」「武士ナビ」「知恵袋」「Ichizon」「暗箱」「写真」「ニュース」「モノカリ」「地ノ図」「物見」「BushiBook」。さらに最下段に「電話」「FUMI」「短文投稿アプリ」「矢文」が見える。

それにしてもよく使いこなしているものである。ちょっと依存症気味のような気もするが。



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「麒麟がくる」第二十七回「宗久の約束」

光秀のいいところは正直なことだが、光秀の最大の欠点は正直過ぎることだ。

出演

あらすじ

1568年、足利義昭は美濃へ行き、信長の歓待を受ける。信長は忠義の証として一千貫の金品を送る。軍資金として提供しているわけだが、義昭は一千貫あれば一万人の貧しき人をひと月養える、などと頓珍漢なことを言い、信長を萎えさせる。

光秀は信長に命じられて、三好軍の勢力の確認と、義昭の上洛を朝廷に対する朝廷の思惑を探るために京都へ行く。駒と再会し、伊呂波大夫を紹介してもらって京の情報を入手。三好のかつぐ足利義栄は病のために京都へ行かれず、義昭が京へ来たら喜んで迎えるだろう。ただし、三好は強い、と太夫は言う。鉄砲をたくさん持っているし、人もいくらでも集めてくる、うしろに堺の会合衆がついていて、金はいくらでも使えるからだ。

その会合衆の中心人物の一人、今井宗久を駒が知っているというので、一緒に会いに行く。宗久は茶をたてながら光秀に語る。自分らは堺の商人であり、商売を保護してくれるなら三好でも織田でもよい。こたびの戦は織田が有利だと思っている。三好から手を引いてもよい。ただし、そのためには、上洛の際に鎧兜を着けぬこと……。宗久の差し出した茶を光秀はぐっと飲み込む。

美濃へ戻った光秀は、宗久の提案を伝える。柴田勝家佐久間信盛稲葉良通らは、武装解除しては三好に有利になるだけだとこぞって反対。光秀は、京の人心を安定させるためには戦はしないとアピールすることが肝要と説く。信長は、織田だけでは決められないと義昭の意向をうかがうと、義昭は武装なしの上洛に一も二もなく賛成。信長は光秀に、自分も本当は柴田らの意見に賛成で、武装解除などあり得ないが、今回は光秀の意を入れる。そのことを腹に収めておけ、と告げる。さらに、今後、光秀は義昭につくのか信長の家来になるのか決めよ、と言うと、光秀は、将軍家にお仕えします、と即答する。

雑感

宗久が長台詞のあとで茶を光秀に出した時は緊張した。宗久に光秀を殺す動機はないが、この物語において出されたお茶を飲むとろくなことはないのを私たちはよ~く知っているからだ。宗久が出した茶を飲んだ光秀は、条件を飲んだ、ということと引っ掛けたわけだろう。ハセヒロの所作の見事さとも相俟って、非常に印象的なシーンとなった。

信長が光秀の意見を尊重し、ここまで気遣ってくれたのに、家臣との誘いをまたも断わってしまった。不憫な信長である。そういうとこだぞ、と光秀には言いたい。この時の染谷翔太の眼の演技は見事だった。しかし、信長が義昭をかついでいる間は、光秀が義昭の元にいた方が都合がいいのでは、とも思う。

あらすじでは取り上げなかったが、光秀が京に行った時に会う藤吉郎が、なかなか面白い、というか恐ろしい。幼い頃(貧しかったので)親から針を売ってこい、たくさん売ったら腹いっぱい食わせてやると言われ、頑張ってたくさん売ったが結局腹いっぱい食べさせてもらうことはできなかった。信長さまは約束は必ず守ってくださる、という。信長とは違った形ではあるが、ゆがんだ幼少期を過ごしてきたことが今につながっている。

今週も帰蝶の登場はなし。しかし宗久の話だと、堺衆の間では、織田の戦を仕切っているのは帰蝶だともっぱらの噂だとか。黒幕帰蝶、姿は見えねど、恐るべし。

一千貫は今のお金にして約1億5000万円(公式サイト第7回のトリセツにそう書いてあった)。

駒は宗久とも知り合いだった。どれだけの人脈を持っているのだろう。

稲葉良通が、織田家の古参のような顔をして、斎藤竜興が美濃を取り返そうと狙っている……と話していたが、アンタのついこの間までの主人やで。

登場人物の満年齢(1568年)

氏名 誕生日後の満年齢 役者の年齢
明智光秀 40 42
織田信長 34 28
木下藤吉郎 31 52
柴田勝家 46 45
佐久間信盛 40 39
足利義昭 31 43
細川藤孝 34 43
近衛前久 32 29
今井宗久 48 62

配役

  • 安藤政信柴田勝家は、おそらく大河史上(大河以外の戦国ドラマ・映画をひっくるめても)最もイケメンの勝家なのではないか。
  • 金子ノブアキ佐久間信盛だったが、金子がやると、えっこの人悪い人だったっけ? と反射的に思ってしまう。
  • 少女役の咲希は、一瞬顔が映っただけでセリフもなく、そして恐らく今後再登場することもない一回限りの役かと思うが、印象に強く残ったので記しておく。10年後には何かのドラマで主演を務めているのではないか。



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「タリオ 復讐代行の2人」(NHK)(1)

サブタイトル

  • 元弁護士と詐欺師バディの復讐劇

放送日

  • 2020年10月9日

登場人物

  • 浜辺美波(白沢真実、元弁護士)
  • 岡田将生(黒岩賢介、詐欺師)
  • 三浦涼介(財津宏樹)
  • 三浦浩一(財津源一郎、宏樹の父)
  • 白石糸(綿貫依里子、宏樹から性被害を受けた女性)
  • 本田大輔(高石徹也、タカ石徹也工務店社長)
  • 今藤洋子(小暮、アームストロング法律事務所の弁護士)
  • 奥田達士(大槻、アームストロング法律事務所の弁護士)
  • 永井博(絵画業者)

概要

白沢真実は、司法試験予備試験制度によって20歳で弁護士となり、アームストロング弁護士事務所に勤め始める。

その事務所では、財津宏樹に暴行を受けたという綿貫依里子の弁護を引き受けたものの、宏樹の無実を示す証拠が次々と出てきたため、裁判で負けてしまう。負けたことを恥じ、あんな女の言うことを信じて失敗したと言い出す始末。

裁判記録を調べ始めた白沢の扱いに手を焼き、綿貫の担当を押しつける。綿貫は裁判で負けたため、復讐代行請負業に宏樹の復讐を依頼して10万円払うが、依頼は実行されず、そのことを白沢に相談すると、白沢は、それは詐欺だから、自分が10万円を取り返してくると言い、その請負業者の元へ向かう。

白沢は事件の再調査を行なうが、罠に引っかかって未成年に酒を飲ませたことにされてしまい、その証拠写真が事務所に届いてしまう。結果、弁護士資格の剥奪、アームストロング法律事務所の解雇という目に遭った白沢は、黒岩と組んで復讐を計画する……

雑感

非常にテンポのよいコメディだ。白沢真実と黒岩賢介の掛け合い漫才は見事。白沢は確かに頭の回転が速いのは間違いないが、いかにも経験に乏しい。黒岩の詐欺行為を即座に見抜いたのは見事だが、海千の黒岩には簡単に言い負かされてしまう。

しかし、裁判記録を調べても宏樹に有利な状況ばかりで、宏樹の言い分を信用せざるを得ないと伝えた時の「そんなに次から次へと財津浩紀に有利な証拠が出てくること自体がおかしいと思わないのか?」には、こちらもハッとさせられた。

証拠映像が問題なら、それを握っている管理人はコピーを取らないわけがないので、取り返したからといって安心のはずがなく、ストーリーの組み立てには杜撰さを感じたが、まあ、そこは肝じゃないからいいのだ。

浜辺美波は映画「屍人荘の殺人」、ドラマ「アリバイ崩し承ります」ときてコミカルな演技に磨きがかかっている。若いが、もはや当代一流のコメディエンヌといっても差し支えないように思う。今後も岡田との掛け合いに期待だ。
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「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS)第四話(最終話)

サブタイトル

「過去への旅」

放送日

  • 2020年10月6日

登場人物

概要

玲子と慶太はともに眠れない夜を過ごす。異性関係にウブな玲子は、ゆうべのキスに戸惑い、なぜあんなことをしたのか気になって。慶太は、勢いでキスしてしまったが、やり過ぎた、と思って。朝起きたら、慶太は既にどこかへ出かけていていなかった。

玲子の両親は離婚しており、玲子は母に育てられた。第二話で逮捕のシーンがチラと映ったが、実は玲子は幼少の頃通っていたテニススクールで才能ありと言われ、父はその才能を開花させるため高額なレッスンに通わせ、さらにアメリカ留学の費用を捻出すべく、横領をしてしまったのだ。逮捕後、サチと離婚すると、行方知れずになっていた。

と玲子は思っていたのだが、キッチンの棚の奥に、知らない男の人から毎月送られてきた現金書留が、封を切らずにしまってあるのを見つけ、これは養育費で、差出人が父だと察する。しばし逡巡したものの、父に会うべきだと判断し、伊豆に向かう。

テニスの才能を伸ばしてやれない甲斐性なしの父で済まない、と謝る父に、自分は現在経理の仕事をしていること、毎日楽しく過ごしていることを話し、これからは自分のための人生を生きてほしいと伝えて去る。

雑感

完全に三浦春馬の追悼回だった。

三浦春馬パートは第四話まで撮影が済んでいるので、一部ストーリーを変えて第四話で完結にする、という説明だったが、三浦春馬は冒頭の寝姿(眠れずにいる様子)だけ。あとは回想シーンは何度も出て来たが、ドラマには一切登場しないのだった。そして周囲の人が慶太の思い出を語り出す。経理部の同僚が、板垣が、慶太の両親が。そして最後は玲子が。これは慶太のことではない。出演者が三浦春馬のことを語っているのだ。

翌朝、誰かがみずよう館にやって来、出迎えた玲子がゆっくり微笑んだところで終わる。朝帰りした母、あるいは一般客であればこんな顔はしないだろうから、この笑顔は慶太に向けられたものと考えるのが妥当だろうが、表情の変化がゆっくりだったことや、言葉を発しなかったことから、気配だけが帰って来て、これは慶太さんなんだわ、と感じたのかも知れない。こんな風にひょっこりと返ってきてほしい、と多くの人が三浦春馬に対して抱いているであろうことを表現したものとなった。

今回のほとんどの部分は三浦春馬がこの世からいなくなったあとで撮影されたものだろう。慶太を偲ぶシーンは、演技ではなく、それぞれの役者が、三浦春馬に対する気持ちを乗せて発したのだろうと思う。

「麒麟がくる」第二十六回「三淵の奸計(かんけい)」

これぞザ・戦国! という、ゾクゾクする回だった。

出演

あらすじ

前回、上洛の意思を固めた朝倉義景は、前祝の宴を開く。そこには光秀も呼ばれていた。光秀に招待の意を伝えに来たのは山崎吉家。山崎は光秀に次のように伝えていた。「上洛の件、わしは何があろうと殿に従う所存だが、上洛には莫大な金がかかる。大勢の兵を京に滞在させるとなると、いったいどれほどの兵糧を用意すればよいのか……家臣の中には反対する者も少なくないのだ。そのことをわきまえていてほしい」と。

宴では、義景が上機嫌で「我が子、阿君丸に、京が見たいと言われてはのう」と上洛の決意を語るが、朝倉景鏡はそれにつっかかる。上洛と簡単にいうが、いったいどのような勝算があるのか。上洛すれば三好と戦になる。織田、上杉、六角ら連合であたるというが、上杉は武田の脅威があって動けず、六角は三好に通じている。あてにはならないのでは、と言い、諸国の事情に通じておられる明智殿のご意見は? と光秀に振って来る。

義景が「構わぬ、本日は無礼講じゃ、思うことを申してみよ」と促すと光秀は、景鏡様の言う通りだという。そして戦への備えが何もできていないことを指摘し、「上洛? はっ、論外かと!」と吐き捨てる。

その後光秀は美濃へ行き、信長に、単独で上洛すべきと進言し、信長はこれを受け入れる。三淵には、織田さまは決めたら早いが、朝倉さまはまだ家中をまとめ切れていない、この二人は共同歩調は取れないと伝える。しかし、だからといって義昭を今、越前から美濃へ行かせたら義景の面子は丸つぶれになるから、何としても阻止されるだろう。

そこで三淵は、本当は上洛したくない山崎吉家、朝倉景鏡とひそかに善後策を練る。その結果は、阿君丸の毒殺だった。

我が子を失った義景は、上洛の意欲も失い、美濃へ行く義昭にも厭味を言うだけ。そして舞台は美濃へ移る……

雑感

子供が死ぬのはつらい。まして阿君丸は、ややわがままなところもあるが、聡明さも感じられ、何より義景が目の中に入れても痛くないほどの溺愛ぶりであったから、ショックだったが、よくよく考えてみると……

越前で平和に暮らしているのに、上洛などしたら、お金もかかるし、三好と戦になれば命を失うかも知れない。そんなことはやりたくない。阿君丸と毒見女は気の毒であったが、それ以外の誰一人命を失うことなく話が収まったのである。戦の回避策としてはすぐれた方法であった。

何年か前に、二言目には「戦は嫌でござります」という人物が主人公の大河があったが、戦を回避しようと思ったらこの程度の手は打つものなのだ。それが戦国時代なのだ。田渕久美子、見ているか?

なおこの奸計に明智光秀細川藤孝は関わっていない。妙に正義感の強いこの二人には、真相を知らせない方がよいという判断だろう。事後、全く何も知らない二人が、お気の毒なことになりましたな、などと言い合っているのも(事情を知っている視聴者からすると)なかなかよかった。なお二人は、子どもがともに六歳になったそうである。地道にフラグを立てるなあ。

あらすじでは取り上げなかったが、近衛前久二条晴良の厭味の言い合いも面白かった。
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浦沢直樹の漫勉neo(ちばてつや)

手塚るみ子氏がちばてつやのことをtweetで触れていたのを見て、なんのことかと思ったら、1日、NHKの「浦沢直樹の漫勉neo」という番組でちばてつや氏がゲスト出演したらしい。あわてて視聴。

どうも「漫勉」という番組が以前にあって、新たにneoが始まりその第一回目だったらしい。

  • 81歳になる現在でも、連載を持っているとは知らなかった(ビッグコミック)。
  • モブも、背景も、枠線も、すべて自分でやっているようだ。彩色は一応奥さま(奥さまも漫画家、これも知らなかった(チバユキコなんて知らんがな)(失礼))だが、その後の手直しも時間をかけて自分でやっている。月産8ページは第一線の漫画家に比べれば少ないが、すべて一人でやっているとなるとかなりの量だ。年齢を考えればすごいことだ。せめてベタ塗り・枠線くらいは人に頼んだら……と思うが。
  • かなり時間をかけて下書きを描き、気に入らないと何度でも描き直すのだが、いざペン入れの段階でしばしばこの下書きを無視した線を描いている。いざペン入れ、となると精神が高揚して、下書きの時には見えなかった線が見えるのかもしれない。


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石原さとみが結婚

2020年10月1日、石原さとみが年内に一般男性と結婚予定であることを発表。石原さとみは33歳。

ちょうど一年前に多部未華子、その後も壇蜜秋元才加山本美月成海璃子などが結婚しているが、こうした中では今回が一番騒がれたように思われる。石原さとみ、人気あったんだな。

アンナチュラル、見てみようかな。

アンナチュラル DVD-BOX

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  • 発売日: 2018/07/11
  • メディア: DVD

「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS)第三話

サブタイトル

「恋の…」

放送日

  • 2020年9月29日

登場人物

概要

早乙女健に食事に誘ってもらった九鬼玲子は、デート服を手縫いで作り、イヤリングを買うなど、浮かれまくり、気合が入りまくり。なにしろ、好きな人と食事に行くのは生まれて初めてなのだ。

板垣純は、その早乙女が、子どもと、子どもの母親と一緒にいるところを目撃してしまう。独身と言っているがそうではなかったのだ。とりあえず猿渡慶太に相談する。慶太は「言えるわけないだろ! あんなに楽しみにしているのに……」と絶句。

早乙女はさすがに慣れた様子で玲子をエスコート。玲子にとって、早乙女とのデート(?)は天にものぼる心持だったが、終わりに近づいた時に、突然雑誌記者らしき人が近づいて来て、「早乙女さん、本当は結婚しているって本当ですか!?」と突撃取材。驚く早乙女の前に牛島瑠璃が現われ、そそくさと自動車に収監。

独身・イケメンの会計士であることを売り物に女性ファンを多く持つ早乙女は、このスクープによって名声は地に落ちる。早乙女はもともとはプロのテニスプレーヤーだったが、故障で引退。うまいことを言って近づいてくる人が大勢いて、現役時代の稼ぎがあっという間になくなってしまった。その後発奮して公認会計士の資格を取り、投資を始める。その頃結婚して一児をもうけるが、イケメン会計士として人気が出はじめると、既婚であることは不利になると考え、妻子とは別居し独身を装っていた……

もう隠す必要がなくなったから、親子三人で暮らそう、と三智瑠に告げると、三智瑠は、その言葉はもっと早く聞きたかった、離婚してほしいと答える。マスコミにリークをしたのは賠償金目当ての三智瑠かと健は考えたが、それでは辻妻が合わないと、ほころびに気付いたのは玲子。リークしたのは早乙女に献身的に務める秘書の牛島だった。

玲子は早乙女に、昔自分が一番つらかった時にそばにいてくれた、今度は私がそばにいます……私じゃだめですか? と問うも、早乙女は「ごめん、玲子の気持には答えられない」と返す。

大失恋に落ち込む玲子を慶太はなぐさめつつ、キスをする……

雑感

ようやく恋(?)が始まったかとおもったら、来週はもう最終回だ。どう決着をつけるつもりなんだろう。いかにもまだ序盤なのだが。

早乙女は離婚歴があるのだと思っていた。既婚だが人気取りのためにあえて別居しているとは思わなかった。あくまで人気取りで、個別に口説いて結婚の約束をした、というわけではないのだから、詐欺というには当たらないと思うが、まあバレたら名声は地に落ちるわなあ。

まりあは山鹿との結婚はやめるだろうし、そうなると慶太とのよりが戻る可能性が出てくる。が、ドラマ的には戻ってはダメなわけで、どう決着をつけるのかと思ったら、いきなりまりあが「慶太と結婚する」と友達に言い触らし、「それは愛じゃなくて利用しているだけでしょう」と慶太が醒める、というのはなかなか意表を衝く筋書きだ。

ラストの松岡茉優の号泣っぷりがよかった。あんな派手な泣き方は見たことがない。

このドラマは面白い。当初の企画通りの形で終えられず、半分も終わらないところで打ち切られるのは残念だ。


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「麒麟がくる」第二十五回「羽運ぶ蟻」

出演

あらすじ

1566年、覚慶は還俗して足利義秋(のちに義昭)と名乗る。朝倉義景を頼って越前に向かうが、態度のはっきりしない義景により敦賀に留め置かれる。1567年、織田信長斎藤龍興稲葉山城を攻略。美濃を平定し、稲葉山城に入る。1568年、三好勢が担ぐ足利義栄が14代将軍に就任する。

斎藤龍興が敗走し信長が美濃を平定したという知らせを聞き、牧は自分の残りの人生を過ごすのは明智荘だと、光秀を伴って帰郷する。焼け落ちたもとの家は藤田伝吾らが元通りに建て直してくれていた。牧と再会して喜ぶ伝吾ら。

光秀が信長に挨拶に行くと、信長からスカウトされる。光秀は返事を保留。理由を訊かれた光秀は、迷っているのだと正直に答える。それを聞いた信長は、自分も迷っているという。美濃を平定したが、周りは敵だらけ。次に何をしていいのかわからないと。光秀は、まずは上洛し、足利将軍を支えて幕府を再興するのが良いでしょうと提案。そして道三から「大きな国をつくるのだ」と言われた話を伝える。「大きな国」に感じ入った信長ははしゃぐ。

越前に戻った光秀を義秋が訪ねてきた。将軍職とは、蟻が運ぶ蝶の羽のようなもの。一人では運べないが皆が支えてくれるなら自分にもできるかも知れない、との話を聞いた光秀は、以前の義秋評を改め、それを朝倉義景に伝える。光秀の話を聞いた義景は上洛の意思を見せる。「将軍は神輿だ、神輿は軽い方がよい」と。

駒は丸薬を寺などに売っているが、この薬は貧しい人のためのものだから、高く売らないようにと注意していた。が、家族が病気だと嘘をつき、寺から無料で薬を分けてもらった子が高く転売していたという話が駒の耳に入り、怒った駒は犯人が平吉だと突き止め、文句を言いに行く。「そんなことをしちゃだめでしょう」と言うも「なんでさ。もらったものをどうしようがオレの勝手だろ。そのお金で家族の食べるものが買えるんだ」と言い返されて絶句してしまう。

雑感

前回の最後に、義栄が将軍になったことがナレーションで告げられたため、三年ぐらいすっ飛ばしたのかと思ったが、今回の冒頭でそこは軽く描いた。

信長、義景、光秀らの考える「世の中」とか「国」とか「将軍」とかのイメージがかなりずれており、当人たちはどこまでそれを感じているかはわからないが、視聴者にははっきり見えるのが面白いというか恐ろしい。

信長は戦に勝てば人が喜ぶから戦は好きだという。光秀から将軍家を支えて幕府を再興すればもっと多くの人から喜ばれると言われてとりあえずそれに乗ろうと思っただけで、天下統一とか、将軍家を敬うとか、そのような意識はない。

光秀は、大きな国を作れば戦がなくなると、道三の受け売りではあるが、当時としてはやや先見の明があるといえる。しかし彼の思い描く天下統一は、あくまで足利将軍家を中心としたもの。足利将軍こそが武士の棟梁と信じているさまは、やや時代遅れの感あり。

義景にとっては、将軍は神輿と言い切ってしまった。だから軽い方がいいとまで。

こうしたずれが、この先どのような歪みを生むのか。

光秀は、直接話をすると、その人間に対する評価をコロっと変えることがある。ちょれー。

ところで駒が怒った件、寺まで行けば無料で分けてもらえるものに値段が付いたのはなぜなのか、駒はそこをもっと考えた方が良い。普通なら、平吉が誰かに売ろうとしても、断わられるはずなのだ。そこになんらかの付加価値があり、ビジネスチャンスがあったのである。


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「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS)第二話

サブタイトル

「その恋、投資する価値アリですか?」

放送日

  • 2020年9月22日

登場人物

概要

モンキーパスは赤字続きの「わくわくスポーツランド」のリニューアルを計画し、「ディール」の提案を検討していた。猿渡慶太はディールの社長が聖徳まりあの婚約者であることを知り、対抗意識が芽生える。

玲子は、お弁当を会社で食べるとすぐに慶太に絡まれるのが嫌で、外へ食べに行く。入った店で板垣と会い、一緒に食事をすることに。ともに慶太が苦手だという話で盛り上がり、板垣は、玲子こそが自分の運命の相手ではと感じるが……

慶太の提案で、山鹿眞一郎、早乙女健に声をかけテニスコンペが開催される。玲子は早乙女が来ると聞いて即座に参加表明。山鹿はまりあを連れての参加。板垣は慶太に逆らえず参加。玲子は「わくわくスポーツランド」で開催していた子供テニス大会で入賞したこともある腕前で、早乙女とペアを組み優勝する。

まりあはみんなの分のお弁当を用意してきたが、山鹿はそれに気付かず(豪華な)ケータリングを頼んでしまう。慌てて隠すまりあだが、慶太は気づき、オレはそれを食べたいといってまりあの手作りの料理を「おいしい」と食べる。

まりあのテニスの腕前は素人丸出しの下手なもので、山鹿からも怒られていたが、玲子は何気ない動作から、実はまりあも本格テニスの経験があることを見抜き、山鹿に華を持たせるために下手を装ったと喝破。山鹿はまりあをちゃんと見てくれているのか? 自分を偽っても長続きはしないのでは、とまりあに話す。

玲子は、思い切って早乙女を食事に誘おうとするも、できず。しかし慶太にけしかけられた早乙女から玲子を食事に誘ってくる。大喜びの玲子だが、次週予告で早乙女に子供がいることがわかる……

雑感

慶太の金遣いは相変わらず荒いが、とにかくお小遣い帳はちゃんとつけているようだ。それをチェックする玲子から無駄が多いと指摘されるが納得がいかない様子。これは~だから必要、これは~だから必要と言い訳する。

お金の遣い方について、他人が要・不要を判断するのは難しい。問題は、慶太がお金を遣おうと思えばいくらでも遣える環境にある。お母さんが頻繁に慶太の元を訪れ、お金を(100万円単位で)渡していくのだ。これで無駄とか浪費とか言われても納得できないのは当然だ。本来は給料の範囲で生活すべきだが、いきなりそれは無理だろうから、月50万円でも100万円でも、とにかく上限を決めるべきだろう。慶太にできないのは「決められた範囲でやりくりする」ということなのだから。

玲子は早乙女に対する気持ちは諦められない。それどころか、進展しそうな気配も見えた。慶太はまりあにまだ未練たっぷり。まりあの結婚が決まれば諦めるしかないが、今回の話でまりあと山鹿の婚約は見直されることになるだろう。確かに慶太はまりあのことをよく見ていて、好みとかも知っているのだ。慶太は悪い男ではないのだ……が、このままではよりを戻しかねない。

とりあえず、玲子の家に慶太が同居しているという点で物理的な距離は縮まりはしたが、今のところ恋は始まりそうにない。


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成海璃子が結婚

成海璃子が9月中旬に一般男性と結婚したことを所属事務所を通じて発表した。成海璃子は28歳。

成海璃子大河ドラマ平清盛」(建春門院平滋子役)で知ったのが最初だと思う。きれいで、雅であった。後白河法皇松田翔太)との恋は悲しくも美しく、とても印象に残っている。

ただし、その後は映画「武士の献立」「利休にたずねよ」「無伴奏」、テレビドラマ「みをつくし料理帖」と見たが、今一つ印象に残るものがない。「平清盛」では相手役がよかったのかと愚考している。

無伴奏

無伴奏

  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: Prime Video

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