窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

ワーナー・マイカルのポイントカードの失敗(その2)

ワーナー・マイカル・シネマズは、ポケットカードによる割引をやめるのと前後して、ポイントカードによるサービスを始めた。これは、ポイントカードを100円で購入する。一回(有料で)映画を観賞するごとにスタンプを一個押してもらえる。スタンプが5個たまると一回無料で観られる、というものだ。最終的には一回あたり1,517円で観たことになり、ポケットカードによる割引とほぼ同等である。

問題なのは、カードを購入してから6ヶ月以内にポイント(スタンプ)を集めないと無効になってしまうことだ。6ヶ月というのはかなり厳しい。今でこそひと月に10回以上も劇場に通っているが、当時は半年で本当に5回映画館に行くのかどうか、行くとしても、それがワーナー・マイカル・シネマズなのかどうか、確信が持てる状況ではない。単にスタンプを集めるだけなら結果的に無駄になってもまだ仕方がないと思えるが、最初にお金を払う必要がある点で敷居が高く感じられる。

そうこうしている間に、100円だったポイントカードは200円になり(2011年9月)、スタンプ5個で一回無料だったのがスタンプ6個が必要(2012年3月)と変更されていった。値上げはともかく、必要なスタンプが増えるというのは集めるのにそれだけ時間がかかるということだが、6ヶ月の有効期限は変わらないのだ。いま、普通の人は年に何度ぐらい映画館に足を運ぶものなのだろう。マイカル限定で6ヶ月で6回というのは、かなりコアな人で、一般的な映画ファンではないような気がする。

そんなわけで長い間躊躇していたのだが、2011年が終わった時に、このくらい観ていれば問題ないかと判断して、ようやくポイントカードを購入し使うようになった。確か2回、ポイントを貯めて無料で観たはずだ。あれこれ杞憂していたけれど、いざやってみれば案外ポンポン貯まるものだなあ、とその時は思った(実際、2011年は一年で34本の映画を観たのだけれど、2012年は6月までに52本を観るというペースだった)。

しかし、2012年の7月になった途端に仕事が忙しくなり、映画どころではなくなる。下半期で観たのは5本だけ。この間にポイントカードが失効してしまった。つまり、ポイントカード代200円をどぶに捨てたわけだ。それ以前に無料でも観ているのだから、トータルで考えれば別に損をしたわけではない。それでもこの失効は自分の中ではかなり悔しくて、いまだに不満が燻ぶっている。

わざわざお金を払ってポイントカードを買おうという人は、かなりワーナー・マイカル・シネマズに対して忠誠心が高いといえる。それだけでマイカル側には大きなメリットがあるだろう。しかし、ポイントを集めて無料券をゲットするまで、会員側には何のメリットもない。メリットがないどころか、カードの購入代金がデポジットとして重くのしかかることになる。これはおかしいのではないか。

映画を観ることが習慣化されても、ちょっと仕事が忙しくなれば半年くらい映画が観られなくなるのは普通に起こり得る事態だ。それを今回実感したことで、6ヶ月の有効期限の「短さ」も許容できないものになっていった。

ここでは触れなかったが、スタンプ制のポイントカードが導入される前にTカードによるポイント制が導入されていた時期があった。Tポイントは僕が最も熱心に集めているポイントで、個人的にはここに統合されるのが一番都合が良かったのだが、あっという間にこの方式も変わってしまった。とにかく短期間で方式がぐるぐる変わることが不信感の元だといえる。

2013年7月、ワーナー・マイカル・シネマズイオンシネマに統合されることになった。この時初めて、10年以上前にマイカルの経営破綻があったこと、以来イオンの資本が入っていたことを知り、サービス方式がここ数年、猫の目のように変わった事情も察するに至る。とはいえ、事情は察するけれども、だから納得するというわけではない。今は、イオンシネマには行かなくて済むなら行かない(他の映画館へ行く)という位置づけである。イオンシネマに恨みはないが、ワーナー・マイカル・シネマズ時代のサービス(の悪さ)が尾を引いているのだ。