窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「どうする家康」(24)

題名

  • 「どうする家康」第24話「築山へ集え!」

放送日

  • 2023年6月25日

概要

瀬名と信康が各地に密書を送り、武田方をはじめ多くの者が築山を訪ねていることを知った家康。これが信長に伝われば、命より大事な妻子を失うことになる。苦悶の末、家康は数正らと共に築山へと踏み込む。だが瀬名は、家康が来るのを待ち構えていた。内々に進めていた途方もない計画を明かした瀬名は、「同じ夢を見てほしい」と訴えるが、それに対して家康は――。(公式サイトより)

今日の服部半蔵と女大鼠

「仕事をよこせ」
「もうやらんでええんでねえか、忍び働きなど」
「やらんでどうして暮らす」
「誰ぞの飯炊いて――着物洗ってよ。おめえみていなのをもらってくれる男もおらんだろうし、わしの命じた仕事でケガしちまったわけだから」「おなごの幸せってのは、男にかわいがってもらうことだ」
「殺すぞ」

雑感

瀬名の計画(夢物語)に対してSNSでは賛否両論。すごい、素晴らしいと称賛する声と、あまりに現実離れし過ぎている、今度という今度はあきれ果てた、という声と。

私はそもそも、瀬名が何を言っているのかがわからない。それを一般的に「同盟」と言うのではないか?

戦国大名だからといって、無闇矢鱈に、四六時中戦ばかりしているわけではない。戦には莫大なお金と人出が必要だ。自分より小さな組織には調略を仕掛け、同等以上の国とは同盟を結ぼうとする。事実、武田は今川・北条と三国同盟を結んでいた。氏真のところへ北条家から糸が嫁いできたのは、まさにそのためだろう。信長も斎藤家と結んで帰蝶を嫁にした。そもそも徳川は織田と結んでいるため、三河遠江の西側を気にすることなく対武田に集中できるのではないか。

こうした同盟の中身は、だいたい不可侵と軍事支援かなと思う。瀬名の構想は、資源・財貨を融通し合ったり、通貨を共通にし関所を廃して自由に行き来できるようにするなど、さらに先を行ってはいるようだが、これとても、同盟が強力なものとなり、信頼関係が増していけば、徐々にそうしたことも実現できるだろう。

天正七年の状況下では、信長の選択肢にはもう武田を滅ぼすことしかないので、共存の道を探ると言い出したら裏切りと取られても仕方ないが、もう少し早い段階であれば、そういう選択肢も十分あっただろう。

そうした意味で、瀬名の言うことは十分現実的だが、誰もがみなそう考えて動き、それができない時に戦になっているのではないか、ということは申し上げたい。

それよりも情けないのは家康だ。瀬名からなぜ戦をするのかと問われ、わからん、生まれた時からそうだった、そういう世の中だ……というのは呆れ返るばかり。大岡弥四郎などがそう言うならわかるが、大将がそれでは困る。

ひとつひとつの戦には、常に明確な目的があるはず。どれだけのコストをかけて、どこまでを期待するのか。追い払えばいいのか、城を落とせばいいのか、敵方の大将の首を取るのか。できるだけ兵を温存するのか、犠牲を払ってでも突き進むのか。そうしたことを常に冷静に判断していなければ、たちまち自己破産の憂き目に遭うだけだろう。

未熟な頃から少しずつ成長しているところを見るのは悪くないが、もう半年経つのだ。もう少し賢くなっていてほしいものだ。


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