窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第二十六回「三淵の奸計(かんけい)」

これぞザ・戦国! という、ゾクゾクする回だった。

出演

あらすじ

前回、上洛の意思を固めた朝倉義景は、前祝の宴を開く。そこには光秀も呼ばれていた。光秀に招待の意を伝えに来たのは山崎吉家。山崎は光秀に次のように伝えていた。「上洛の件、わしは何があろうと殿に従う所存だが、上洛には莫大な金がかかる。大勢の兵を京に滞在させるとなると、いったいどれほどの兵糧を用意すればよいのか……家臣の中には反対する者も少なくないのだ。そのことをわきまえていてほしい」と。

宴では、義景が上機嫌で「我が子、阿君丸に、京が見たいと言われてはのう」と上洛の決意を語るが、朝倉景鏡はそれにつっかかる。上洛と簡単にいうが、いったいどのような勝算があるのか。上洛すれば三好と戦になる。織田、上杉、六角ら連合であたるというが、上杉は武田の脅威があって動けず、六角は三好に通じている。あてにはならないのでは、と言い、諸国の事情に通じておられる明智殿のご意見は? と光秀に振って来る。

義景が「構わぬ、本日は無礼講じゃ、思うことを申してみよ」と促すと光秀は、景鏡様の言う通りだという。そして戦への備えが何もできていないことを指摘し、「上洛? はっ、論外かと!」と吐き捨てる。

その後光秀は美濃へ行き、信長に、単独で上洛すべきと進言し、信長はこれを受け入れる。三淵には、織田さまは決めたら早いが、朝倉さまはまだ家中をまとめ切れていない、この二人は共同歩調は取れないと伝える。しかし、だからといって義昭を今、越前から美濃へ行かせたら義景の面子は丸つぶれになるから、何としても阻止されるだろう。

そこで三淵は、本当は上洛したくない山崎吉家、朝倉景鏡とひそかに善後策を練る。その結果は、阿君丸の毒殺だった。

我が子を失った義景は、上洛の意欲も失い、美濃へ行く義昭にも厭味を言うだけ。そして舞台は美濃へ移る……

雑感

子供が死ぬのはつらい。まして阿君丸は、ややわがままなところもあるが、聡明さも感じられ、何より義景が目の中に入れても痛くないほどの溺愛ぶりであったから、ショックだったが、よくよく考えてみると……

越前で平和に暮らしているのに、上洛などしたら、お金もかかるし、三好と戦になれば命を失うかも知れない。そんなことはやりたくない。阿君丸と毒見女は気の毒であったが、それ以外の誰一人命を失うことなく話が収まったのである。戦の回避策としてはすぐれた方法であった。

何年か前に、二言目には「戦は嫌でござります」という人物が主人公の大河があったが、戦を回避しようと思ったらこの程度の手は打つものなのだ。それが戦国時代なのだ。田渕久美子、見ているか?

なおこの奸計に明智光秀細川藤孝は関わっていない。妙に正義感の強いこの二人には、真相を知らせない方がよいという判断だろう。事後、全く何も知らない二人が、お気の毒なことになりましたな、などと言い合っているのも(事情を知っている視聴者からすると)なかなかよかった。なお二人は、子どもがともに六歳になったそうである。地道にフラグを立てるなあ。

あらすじでは取り上げなかったが、近衛前久二条晴良の厭味の言い合いも面白かった。
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浦沢直樹の漫勉neo(ちばてつや)

手塚るみ子氏がちばてつやのことをtweetで触れていたのを見て、なんのことかと思ったら、1日、NHKの「浦沢直樹の漫勉neo」という番組でちばてつや氏がゲスト出演したらしい。あわてて視聴。

どうも「漫勉」という番組が以前にあって、新たにneoが始まりその第一回目だったらしい。

  • 81歳になる現在でも、連載を持っているとは知らなかった(ビッグコミック)。
  • モブも、背景も、枠線も、すべて自分でやっているようだ。彩色は一応奥さま(奥さまも漫画家、これも知らなかった(チバユキコなんて知らんがな)(失礼))だが、その後の手直しも時間をかけて自分でやっている。月産8ページは第一線の漫画家に比べれば少ないが、すべて一人でやっているとなるとかなりの量だ。年齢を考えればすごいことだ。せめてベタ塗り・枠線くらいは人に頼んだら……と思うが。
  • かなり時間をかけて下書きを描き、気に入らないと何度でも描き直すのだが、いざペン入れの段階でしばしばこの下書きを無視した線を描いている。いざペン入れ、となると精神が高揚して、下書きの時には見えなかった線が見えるのかもしれない。


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石原さとみが結婚

2020年10月1日、石原さとみが年内に一般男性と結婚予定であることを発表。石原さとみは33歳。

ちょうど一年前に多部未華子、その後も壇蜜秋元才加山本美月成海璃子などが結婚しているが、こうした中では今回が一番騒がれたように思われる。石原さとみ、人気あったんだな。

アンナチュラル、見てみようかな。

アンナチュラル DVD-BOX

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  • 発売日: 2018/07/11
  • メディア: DVD

「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS)第三話

サブタイトル

「恋の…」

放送日

  • 2020年9月29日

登場人物

概要

早乙女健に食事に誘ってもらった九鬼玲子は、デート服を手縫いで作り、イヤリングを買うなど、浮かれまくり、気合が入りまくり。なにしろ、好きな人と食事に行くのは生まれて初めてなのだ。

板垣純は、その早乙女が、子どもと、子どもの母親と一緒にいるところを目撃してしまう。独身と言っているがそうではなかったのだ。とりあえず猿渡慶太に相談する。慶太は「言えるわけないだろ! あんなに楽しみにしているのに……」と絶句。

早乙女はさすがに慣れた様子で玲子をエスコート。玲子にとって、早乙女とのデート(?)は天にものぼる心持だったが、終わりに近づいた時に、突然雑誌記者らしき人が近づいて来て、「早乙女さん、本当は結婚しているって本当ですか!?」と突撃取材。驚く早乙女の前に牛島瑠璃が現われ、そそくさと自動車に収監。

独身・イケメンの会計士であることを売り物に女性ファンを多く持つ早乙女は、このスクープによって名声は地に落ちる。早乙女はもともとはプロのテニスプレーヤーだったが、故障で引退。うまいことを言って近づいてくる人が大勢いて、現役時代の稼ぎがあっという間になくなってしまった。その後発奮して公認会計士の資格を取り、投資を始める。その頃結婚して一児をもうけるが、イケメン会計士として人気が出はじめると、既婚であることは不利になると考え、妻子とは別居し独身を装っていた……

もう隠す必要がなくなったから、親子三人で暮らそう、と三智瑠に告げると、三智瑠は、その言葉はもっと早く聞きたかった、離婚してほしいと答える。マスコミにリークをしたのは賠償金目当ての三智瑠かと健は考えたが、それでは辻妻が合わないと、ほころびに気付いたのは玲子。リークしたのは早乙女に献身的に務める秘書の牛島だった。

玲子は早乙女に、昔自分が一番つらかった時にそばにいてくれた、今度は私がそばにいます……私じゃだめですか? と問うも、早乙女は「ごめん、玲子の気持には答えられない」と返す。

大失恋に落ち込む玲子を慶太はなぐさめつつ、キスをする……

雑感

ようやく恋(?)が始まったかとおもったら、来週はもう最終回だ。どう決着をつけるつもりなんだろう。いかにもまだ序盤なのだが。

早乙女は離婚歴があるのだと思っていた。既婚だが人気取りのためにあえて別居しているとは思わなかった。あくまで人気取りで、個別に口説いて結婚の約束をした、というわけではないのだから、詐欺というには当たらないと思うが、まあバレたら名声は地に落ちるわなあ。

まりあは山鹿との結婚はやめるだろうし、そうなると慶太とのよりが戻る可能性が出てくる。が、ドラマ的には戻ってはダメなわけで、どう決着をつけるのかと思ったら、いきなりまりあが「慶太と結婚する」と友達に言い触らし、「それは愛じゃなくて利用しているだけでしょう」と慶太が醒める、というのはなかなか意表を衝く筋書きだ。

ラストの松岡茉優の号泣っぷりがよかった。あんな派手な泣き方は見たことがない。

このドラマは面白い。当初の企画通りの形で終えられず、半分も終わらないところで打ち切られるのは残念だ。


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「麒麟がくる」第二十五回「羽運ぶ蟻」

出演

あらすじ

1566年、覚慶は還俗して足利義秋(のちに義昭)と名乗る。朝倉義景を頼って越前に向かうが、態度のはっきりしない義景により敦賀に留め置かれる。1567年、織田信長斎藤龍興稲葉山城を攻略。美濃を平定し、稲葉山城に入る。1568年、三好勢が担ぐ足利義栄が14代将軍に就任する。

斎藤龍興が敗走し信長が美濃を平定したという知らせを聞き、牧は自分の残りの人生を過ごすのは明智荘だと、光秀を伴って帰郷する。焼け落ちたもとの家は藤田伝吾らが元通りに建て直してくれていた。牧と再会して喜ぶ伝吾ら。

光秀が信長に挨拶に行くと、信長からスカウトされる。光秀は返事を保留。理由を訊かれた光秀は、迷っているのだと正直に答える。それを聞いた信長は、自分も迷っているという。美濃を平定したが、周りは敵だらけ。次に何をしていいのかわからないと。光秀は、まずは上洛し、足利将軍を支えて幕府を再興するのが良いでしょうと提案。そして道三から「大きな国をつくるのだ」と言われた話を伝える。「大きな国」に感じ入った信長ははしゃぐ。

越前に戻った光秀を義秋が訪ねてきた。将軍職とは、蟻が運ぶ蝶の羽のようなもの。一人では運べないが皆が支えてくれるなら自分にもできるかも知れない、との話を聞いた光秀は、以前の義秋評を改め、それを朝倉義景に伝える。光秀の話を聞いた義景は上洛の意思を見せる。「将軍は神輿だ、神輿は軽い方がよい」と。

駒は丸薬を寺などに売っているが、この薬は貧しい人のためのものだから、高く売らないようにと注意していた。が、家族が病気だと嘘をつき、寺から無料で薬を分けてもらった子が高く転売していたという話が駒の耳に入り、怒った駒は犯人が平吉だと突き止め、文句を言いに行く。「そんなことをしちゃだめでしょう」と言うも「なんでさ。もらったものをどうしようがオレの勝手だろ。そのお金で家族の食べるものが買えるんだ」と言い返されて絶句してしまう。

雑感

前回の最後に、義栄が将軍になったことがナレーションで告げられたため、三年ぐらいすっ飛ばしたのかと思ったが、今回の冒頭でそこは軽く描いた。

信長、義景、光秀らの考える「世の中」とか「国」とか「将軍」とかのイメージがかなりずれており、当人たちはどこまでそれを感じているかはわからないが、視聴者にははっきり見えるのが面白いというか恐ろしい。

信長は戦に勝てば人が喜ぶから戦は好きだという。光秀から将軍家を支えて幕府を再興すればもっと多くの人から喜ばれると言われてとりあえずそれに乗ろうと思っただけで、天下統一とか、将軍家を敬うとか、そのような意識はない。

光秀は、大きな国を作れば戦がなくなると、道三の受け売りではあるが、当時としてはやや先見の明があるといえる。しかし彼の思い描く天下統一は、あくまで足利将軍家を中心としたもの。足利将軍こそが武士の棟梁と信じているさまは、やや時代遅れの感あり。

義景にとっては、将軍は神輿と言い切ってしまった。だから軽い方がいいとまで。

こうしたずれが、この先どのような歪みを生むのか。

光秀は、直接話をすると、その人間に対する評価をコロっと変えることがある。ちょれー。

ところで駒が怒った件、寺まで行けば無料で分けてもらえるものに値段が付いたのはなぜなのか、駒はそこをもっと考えた方が良い。普通なら、平吉が誰かに売ろうとしても、断わられるはずなのだ。そこになんらかの付加価値があり、ビジネスチャンスがあったのである。


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「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS)第二話

サブタイトル

「その恋、投資する価値アリですか?」

放送日

  • 2020年9月22日

登場人物

概要

モンキーパスは赤字続きの「わくわくスポーツランド」のリニューアルを計画し、「ディール」の提案を検討していた。猿渡慶太はディールの社長が聖徳まりあの婚約者であることを知り、対抗意識が芽生える。

玲子は、お弁当を会社で食べるとすぐに慶太に絡まれるのが嫌で、外へ食べに行く。入った店で板垣と会い、一緒に食事をすることに。ともに慶太が苦手だという話で盛り上がり、板垣は、玲子こそが自分の運命の相手ではと感じるが……

慶太の提案で、山鹿眞一郎、早乙女健に声をかけテニスコンペが開催される。玲子は早乙女が来ると聞いて即座に参加表明。山鹿はまりあを連れての参加。板垣は慶太に逆らえず参加。玲子は「わくわくスポーツランド」で開催していた子供テニス大会で入賞したこともある腕前で、早乙女とペアを組み優勝する。

まりあはみんなの分のお弁当を用意してきたが、山鹿はそれに気付かず(豪華な)ケータリングを頼んでしまう。慌てて隠すまりあだが、慶太は気づき、オレはそれを食べたいといってまりあの手作りの料理を「おいしい」と食べる。

まりあのテニスの腕前は素人丸出しの下手なもので、山鹿からも怒られていたが、玲子は何気ない動作から、実はまりあも本格テニスの経験があることを見抜き、山鹿に華を持たせるために下手を装ったと喝破。山鹿はまりあをちゃんと見てくれているのか? 自分を偽っても長続きはしないのでは、とまりあに話す。

玲子は、思い切って早乙女を食事に誘おうとするも、できず。しかし慶太にけしかけられた早乙女から玲子を食事に誘ってくる。大喜びの玲子だが、次週予告で早乙女に子供がいることがわかる……

雑感

慶太の金遣いは相変わらず荒いが、とにかくお小遣い帳はちゃんとつけているようだ。それをチェックする玲子から無駄が多いと指摘されるが納得がいかない様子。これは~だから必要、これは~だから必要と言い訳する。

お金の遣い方について、他人が要・不要を判断するのは難しい。問題は、慶太がお金を遣おうと思えばいくらでも遣える環境にある。お母さんが頻繁に慶太の元を訪れ、お金を(100万円単位で)渡していくのだ。これで無駄とか浪費とか言われても納得できないのは当然だ。本来は給料の範囲で生活すべきだが、いきなりそれは無理だろうから、月50万円でも100万円でも、とにかく上限を決めるべきだろう。慶太にできないのは「決められた範囲でやりくりする」ということなのだから。

玲子は早乙女に対する気持ちは諦められない。それどころか、進展しそうな気配も見えた。慶太はまりあにまだ未練たっぷり。まりあの結婚が決まれば諦めるしかないが、今回の話でまりあと山鹿の婚約は見直されることになるだろう。確かに慶太はまりあのことをよく見ていて、好みとかも知っているのだ。慶太は悪い男ではないのだ……が、このままではよりを戻しかねない。

とりあえず、玲子の家に慶太が同居しているという点で物理的な距離は縮まりはしたが、今のところ恋は始まりそうにない。


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成海璃子が結婚

成海璃子が9月中旬に一般男性と結婚したことを所属事務所を通じて発表した。成海璃子は28歳。

成海璃子大河ドラマ平清盛」(建春門院平滋子役)で知ったのが最初だと思う。きれいで、雅であった。後白河法皇松田翔太)との恋は悲しくも美しく、とても印象に残っている。

ただし、その後は映画「武士の献立」「利休にたずねよ」「無伴奏」、テレビドラマ「みをつくし料理帖」と見たが、今一つ印象に残るものがない。「平清盛」では相手役がよかったのかと愚考している。

無伴奏

無伴奏

  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: Prime Video

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「麒麟がくる」第二十四回「将軍の器」

出演

あらすじ

1565年6月17日、三好義継・松永久通らが足利義輝を襲い、殺害(永禄の変)。

義輝の後継者の座をめぐって、弟の覚慶擁立派(三淵藤英、細川藤孝ら)と従兄弟の義栄擁立派(三好義継・松永久通ら)が争っており、三好らは覚慶をとらえて幽閉する。が、藤孝らは覚慶を大和から脱出させ、甲賀和田惟政(義輝のお側衆だった)のもとで匿う。

義輝死すの知らせを聞いた光秀は、朝倉義景に断わりを入れて大和の多聞山城へ行き、松永久秀を問いただす。京から追い出すだけで殺しはしないと言ったではないか、と。クーデターを実行したのは松永の子であり、久秀は関わっていないが、久秀の意を受けて動いたと光秀は思っていたのだろう。久秀は、子らが暴走した、自分はここまでするつもりではなかったが、もはや自分には止める力がない、と言う。

松永久秀の元には朝倉義景からの手紙が届いていた。光秀が来たら、覚慶に会って、将軍の器かどうか確かめるように言ってくれとあった。もし器であれば、朝倉が身柄を引き受けてもいいと。光秀の旅費は朝倉が持つとも。

それを受けて光秀は甲賀まで覚慶に会いに行く。初対面の光秀に向って覚慶は、「わしは才能も人格も兄には及ばない」「ただ死にとうはない」などと話す。

関白近衛前久は、姉と慕う伊呂波太夫が東庵の家にいると聞いてわざわざ訪ねて来る。将軍を誰にするかは天皇陛下が決めるのだが、それに先立って関白から上奏しなければいけない。つまり誰にするか自分が決めなければならない。血のつながりから言えば弟の覚慶だろうが、三好一派からは義栄にしろと言われており、逆らうと大変な目に遭いそうだ。さて、どうすべきか。

伊呂波太夫は、別にどっちでもいいじゃないの、私らは武士じゃないんだから、誰がなったって、と答える。結局、義栄が征夷大将軍に任ぜられることになる……

ストーリー補足

ドラマでは義栄将軍がすぐに決まったように見えるが、足利義栄が将軍職に就いたのは1568年3月10日。三年近い空白期間があった。

そもそも桶狭間の後、光秀が越前で呑気に浪人暮らしをしている間に、斎藤義龍が死に、信長は近江の浅井長政と同盟を結んで市を嫁にやって体制強化をしている。

永禄の変のあと、覚慶は信長に上洛を呼びかけるも、信長は斎藤家との戦いを優先させ、1566年に中美濃を、1567年に斎藤龍興を敗走させて美濃を平定(稲葉山城の戦い)、美濃を岐阜と改称した。覚慶は1566年に越前の朝倉義景の元へ行き、上洛を要請するが、義景は上洛を意志を示さなかった。1968年、信長は義昭を奉じて上洛すべく準備を開始した……

雑感

大河ドラマの中盤までは致し方ないのだが、主人公が完全に狂言回しになっている。義輝、覚慶、三淵藤英、細川藤孝松永久秀、あるいは朝倉義景、……よしあしや、好き嫌いはあれど、みな、「何者か」であるわけだ。が、光秀だけがその間を走り回るだけで、何者でもないのだ。しかし、予告編によれば、次週、信長から家臣になるよう誘われるようなので、ようやく動き出すか。

しかし、正直なのは光秀のいいところだが、正直過ぎるのが欠点である。朝倉義景が、覚慶が器であったかどうか、と光秀に尋ねたのは、本気で光秀の評価を聞きたかったわけではないだろう。「確かにひとかどの人物です」と言ってほしかったのだ。山崎吉家も、目でそれを促していたのに、「正直に申し上げてよろしゅうございますか、あのお方はいかがかと存じます」などとしゃべってしまう。ま、史実では結局覚慶の身柄を引き受けるんだけど、義栄将軍まで突然飛んでしまったから、それは省略されるかも知れない。

幼い頃近衛家にいた伊呂波太夫近衛前久は兄弟のように育ったという。いくら同じ家にいても、身分が違うのだから、兄弟のようには育たないだろうと思うけど(伊呂波太夫はあくまで侍女またはそれ以下の端女(はしため))、まあそれはよい。伊呂波太夫は「武士がいなくなれば戦はこの世から消えてなくなる」と言うが、それは違うぞよ。武士というものが登場するはるか以前から戦はあったし、明治になって武士というものがこの世から消えても、依然として戦はあるのだ。この時代も、僧侶だって戦すんじゃん! なんなら武士より強いじゃん!

義輝は「アバン死」というまた新たな作劇を紡いだ。今週死ぬのはわかっていたが、冒頭でいきなり始まるとは思わなかった。しかし義輝、カッコええー。そして美しい。向井理のこれまで演じた中で最高の役なのではないかと思うし、また、これまで様々な人の演じた(そうなのか?)義輝の中で、今回が一番よかったのではないか?

さて、今回とってつけたように「路銀は朝倉で持つ」という言葉が出て来て、これはケチだった道三との対比だと話題になったが、なんでいまさら? の観を拭えない。今回より、前回の半年にわたる出張費は誰が持ったのか、まずそこからだろう。浪人暮らしの明智家がひねりだすのは大変だったはずだし。


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「恐怖新聞」を見ようかどうしようか

三回見て、いよいよ鬼形礼も登場し、原作との世界線がつながった。これから……なのであろうが、主役および脇を固める人物に魅力的な人が一人もいない。

詩弦は怖い怖いといいながら身を守るという概念が皆無。部屋に鍵をかけないし、人と話している途中に電話がかかってきたら「ちょっと失礼」と言って離れることをせず、相手に関する情報が伝わってしまうなど。

桃香は当初からイヤな奴だった。さっさと付き合うのをやめればいいのに、なぜ付き合い続けているのかわからない。桃香は親友のふりをしているけど、搾取している感もあり、実はかなり頭のいい人間なのではと思う。

勇介は、人を励ます自分に酔っているだけのちょれー奴。

詩弦の両親も、結構な毒親っぽいし。

一作ごとにミステリー仕立てになっている部分は悪くないが、もう少し魅力的な人物が出て来ないと、見続けるのはつらい。


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聖地巡礼? 紅谷の「クルミッ子」

鎌倉に行ったら紅谷の「クルミッ子」を売っていたため、ひとつ買ってみた。
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テレビで130円と聞いて、それほど高いものではないなと思っていたのだが、実物を見るとかなり小さい。これで130円ならそれなりの高級菓子ということになるだろう。食してみたら、上品な舌触り。これを毎週土曜日の午前中にひとつ口にする習慣は、かなり贅沢な時間なのではないか。

本店に行ったわけではないので、正確には聖地ではない。聖品、とでもいうべきか?

追記(2020/9/23)

録画を見返したら、ドラマでは「くるみクッキー」で、包装のイラストも(似ているけど)違った。そういえば値段も気になっていた。「クルミッ子」は確かに一個130円だが、消費税がかかるため140円払わないといけない。ドラマでは130円しか払っていなかった。紅谷までは本物を映しておいてアレだけど、一応別物設定ということのようだ。


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鬼形礼登場!「恐怖新聞」第三話

放映日

  • 2020年9月12日

出演

  • 安田カナ(息子と娘を虐待している母)
  • 舞羽美海(諸積杏奈、津々木の浮気相手)

概要

前回の母親に引き続き、今回は桃香から「あんたのせいで私の人生メチャクチャ」と怒鳴られ、メンタルを削られる詩弦だったが、勇介のアドバイスもありカウンセリングを受けたことと、勇介に依頼された歌子が詩弦を訪ね、仲直りしたことでようやく気持ちが上向きに。

そんな矢先、また恐怖新聞が配達される。日常的に虐待されている女の子がついに殺されると。その話を詩弦から聞いた歌子は、その子を救うために行動を起こそうと詩弦を誘う。その結果、まさに殺される直前に女の子を救い出すことができ、変えられる運命もあると喜ぶ詩弦だったが、意識を回復した蜷川冬夜から、恐怖新聞を配達しているのは鬼形礼だと教えられるのだった……

雑感

見るのをいかに拒絶しようとも、あの手この手で目に触れさせようとする。ようやく恐怖新聞らしさの一端が窺えるようになった。が、一回読むごとに100日寿命が縮まるという「事実」を詩弦はまだまじめに受け止めておらず、その点に恐怖を感じていない点は物足りない。

事件に巻き込まれ、いろいろと不安や恐怖を感じているはずなのに、相変わらず部屋にいる時に鍵をかけない。まあ、事前連絡もせず、呼び鈴も鳴らさず、いきなりドアを開ける歌子も歌子だが。

また、トイレで「怪しい人がいる?」と感じた時に、なぜさっさと逃げないのか。「誰かいるんですか……」などと尋ねている場合ではない。誰かいたらどうするんだ。いろいろ怖い状況を設定しているが、大半は詩弦のセキュリティ概念のなさだと思うと、ちょっとイラっとする。

桃香は初回からイヤな女だった。前回、ちょっと前向きになったのかな、と思ったが、今回は以前にも増してイヤな女になっていた。それ以上に、あまり好きなタイプじゃないなーと思っていた勇介が、あっさり桃香と結ばれてしまい、うさん臭く感じた理由がわかった。

勇介は、詩弦を励まし、一緒に不安や恐怖を背負い、力になろうとする。女からすれば、優しい、頼りになる、と思うのかも知れないが、この手のタイプは他人の力になっている自分に酔っているだけなのだ。案の定、桃香から「悩み」を打ち明けられた勇介はあっさり落ちている。ちょれー。桃香の方はもう少しわかった上でやっていそうだ。

二人の子を虐待している女が出て来て、この人が娘を殺してしまうのかと思ったら、そうではなかった。しかも現在の話ではなく回想だった。このミスディレクションは実によかった。「よくこそ騙してくれました」というやつだ。詩弦・勇介・桃香の話は今一つだが、サイドストーリーは前回も今回もかなりいい出来だ。

配役

  • 舞羽美海は「超高速! 参勤交代」の琴姫(政醇の妹)の人
  • 安田カナは「銀の匙」のタマコ。


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「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS)第一話

サブタイトル

「私達は日々のお金に振り回されている」

放送日

  • 2020年9月15日

登場人物

概要

九鬼玲子は「清貧」を愛する会社員。母が経営する鎌倉の民宿「みずよう館」の離れに質素に暮らし、普段は感情をあまり表に出さず、他の人と群れたりせず、仕事も生活もマイペース。

猿渡慶太は欲しいものがあると我慢できない。しかし買ったものを大事に使うというわけでもない。何が経費か考えるのが面倒なので仕事でかかった費用もすべて自腹(とはいえ払うのは親なのだが……)。実は慶太はモンキーパス社長の御曹司。幼少の頃から甘やかされて育ったため、金銭感覚が身についていないのだ。が、アメリカ出張の際に使ったカードの776万円の請求書を見た時、猿渡富彦は激怒し、いったんはクビを宣告するが、その後撤回、お金の勉強をさせるために経理部へ異動させる。

その慶太の教育係を押し付けられたのが九鬼玲子だった。当初は拒否するが、家を追い出された慶太がなぜか「みずよう館」に住むことになってしまい、そのあまりのひどさを目の当たりにした玲子は、一から教育する決意を固めた。その第一歩としてお小遣い帳を渡すのだった。

雑感

予告編を見た時にはあまり興味がわかず、三浦春馬が出演していなかったら見なかったと思うが、なかなかどうして面白い。

慶太の壊れっぷりはひどいものだが、青天井で使えるカードを渡し、いくら浪費しても叱るだけで結局払ってやっているのでは、改善されないだろう。これは親が悪いね。

玲子は清貧を強調しているが、鎌倉で一軒家(一部屋しかないとしても)で暮らし、土曜日の午前中は木陰で持参の水筒のお茶を飲みつつ有名菓子店の銘菓を食べ、鴨長明の「方丈記」をたしなむ。なかなか優雅で贅沢な生活である。また「推し」(ファイナンシャル・プランナーの早乙女健)には容赦なくお金をつぎ込んでいる。これはこれで健全なお金の使い方だとは思うが、清貧とは違うのではないか。

モンキーパスの窓からスカイツリーや「うんこビル」(アサヒビールスーパードライホール)が見えていたから、会社は浅草近辺にあるようだ。実はロケとして使用したのはバンダイ本社なのだとか。

第一話では、非売品のはずの販促グッズがフリマサイトで出品されていて、その犯人捜しというミステリーの要素もあって結構ハラハラした。

なお板垣純の行為を玲子は横領だと断じていたが、少なくとも板垣は会社に損害を与えてはいない。経費処理上の社内ルールに違反したというだけ。うちの会社であれば何もルール違反ではない。あまり細かいルールで縛り付けるのはいかがなものかと思う。

配役

三浦翔平は初めて見るが、名前に覚えがあると思ったら、桐谷美玲の夫なのだった。こんな美形カップルだったのか……


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(2020/9/17 記)

「麒麟がくる」第二十三回「義輝、夏の終わりに」

あらすじ

光秀は信長の上洛を促すべく尾張に向かった。が、信長には、美濃攻めが忙しくてそれどころではないと断わられる。将軍からの手紙を渡すも、中を読んでもらえない。さらに、重臣と戦略会議を開くから、以後の話は別の者に引き継ぐと言って登場したのが木下藤吉郎であった。

藤吉郎百人組の頭で、信長から「見どころのある奴」と言われるが、「重臣と戦略会議」には参加できない身分の者。不機嫌になる光秀に藤吉郎は、料理や酒を振る舞いつつ、「京では将軍様が狙われているという噂をご存知か」と打ち明ける。初耳の光秀は「まさか」と否定するが、糸を引いているのは松永久秀で、信憑性の高い話だという。

光秀は、慌てて尾張を出て大和に向かい、松永と会う。松永は、義輝は公職を放棄して好き勝手に振る舞い、もはや将軍職にふさわしくないのだという。しかもそこには細川藤孝がいた。細川も義輝を見限っていたのだ。

失意の光秀は京へ戻り、義輝と再会。信長は上洛しない件を報告する。義輝は、自分のために動き回ってくれた光秀に感謝の意を伝えるとともに、だが遅かった、もっと早くそなたと会いたかったと告げる。

半年ぶりに越前へ戻ると、自宅には門ができており、家もなにやらきれいになっている。朝倉義景が本当に面倒をみてくれて、十分な金子をくださっていたようだ。帰宅前に朝倉義景に会い、これまでの顛末を報告すると、義景は「やはり」とつぶやき、下手に野心を抱かず、目の前のことだけ考えるのが良いと言ったという。久しぶりに会う妻子の顔を見て、その通りかも知れないと光秀は思う。

駒は東庵の家が強盗に襲われたという話を聞いて、急ぎ帰宅。中はすごい有様で、およそ金目のものはすべて盗られており、東庵も右腕を骨折していた。薬も、米も味噌もない、右手をやられたから料理をすることもできないと東庵は嘆く。ちょうどそこへ伊呂波太夫が訪ねて来る。お駒ちゃんの薬がほしいという寺社があって、7貫(約100万)分ほど注文を取りまとめてきたんだけど! と言うと、東庵は、とりあえずそれを売って当座をしのごうと言い出す。こうして駒の薬は公認されたが……

雑感

ぞくぞくする話だった。どの辺がぞくぞくしたかというと、光秀の頭は悪くないのだろうし、四書五経などの知識も豊富。だが、長い間の浪人暮らしで世の中からすっかり取り残されてしまっていることがだ。京に行って将軍にまで会っていながら、肝心なことは何一つ見ていない。尾張の田舎で戦に明け暮れ、京など行ったこともないであろう藤吉郎の方が、よほど京の事情をつかんでいる。

思えば、細川が越前に来た時に、義輝様は仕事をせず自分勝手なことばかりする、それを注意するわれわれは遠ざけられると言ったことを、話半分にも聞いていなかったのだろう。事情をよく知らない、義輝とも数回会っただけの光秀は、義輝こそが武士の棟梁と思い込み、しかも自分の目をかけてくれているので感激しているが、日々義輝のそばにいた細川らには、別の景色が見えていたということだ。

東庵先生の家を襲った盗賊は伊呂波太夫の差し金ではないかという説をネットで読んだ。駒の薬作りに反対する東庵が、許可せざるを得なくするため。それは駒のためではなく、自分が仲介手数料を稼ぐため。まさか、と思ったが、伊呂波太夫ならそのくらいのことは顔色を変えずにやりそうだ。真相はいかに?



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(2020/9/16 記)

伊勢谷友介、麻薬取締法違反の疑いで逮捕される

伊勢谷友介といえば、「龍馬伝」での高杉晋作や「花燃ゆ」の吉田松陰のような「いい役」もこなす一方、「嫌われ松子の一生」の龍洋一(犯罪者)や「清須会議」での織田三十郎信包のような、ヘンな役、イヤな役もちゃんとヘンでイヤな風に演じられる、芸幅の広い役者だというのが僕の認識。もちろん、「あしたのジョー」や「るろうに剣心」など、数多くの映画やドラマに起用される人気役者だとも。

今回、改めて伊勢谷友介のことを知って驚いた。まず、東京藝術大学に現役で合格した芸術家なのである(ファッション、映像)。長身・イケメンで学生時代からモデルで活躍したのは見た目通りだが、英語がペラペラ(留学経験あり)、運動神経抜群(水泳インストラクターの経験あり)。さらに株式会社リバース・プロジェクトの代表取締役という経営者(実業家)でもある。

天は二物を与えずというが、二物どころか四物も五物も与えられた人が本当にいるんだなあと。同時に、今回の件で輝かしい経歴も将来も一瞬でパーになったんだなあと。

それにしても、大河ドラマで最重要な役を務めたこともある伊勢谷友介が、昨年今年と、ピエール瀧沢尻エリカの一件がどれだけ大きな問題となり、どれだけ多くの人に迷惑をかけ、どれほどの賠償問題につながったか、目の前で見ていただろうに、それでもやめることができなかったのか、とは思う。



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