窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ちむどんどん」(09)

第02週「別れの沖縄そば」(木)

放送日

  • 2022年4月21日

概要

運動会が終わり、比嘉家の家族は史彦や和彦たちと気持ちよく暮らしを再開したが、仕事が少ない地域事情もあり、母・優子ひとりだけでは一家の経済は先細い。暢子たちが心配するなか、優子の体は疲労がたまってしまう。そこに、遠い親戚から一通の手紙が。その中身は、思ってもみなかった申し出であり、優子は大きな悩みを抱えることになってしまう。(NHKオンデマンドの解説より)

前回、優子に届いた手紙は、東京に住む賢三のおばからで、賢三の死を知り、窮状を察して、四人の子のうち一人を引き取ってもいいと言ってきたのだ。賢吉は、一人でもいなくなればそれだけ楽になるだろうとすっかり乗り気。しかし優子は子どもを手放したくない。

子どもらはそれぞれ和彦に東京のことを尋ね、自分なりの夢を膨らませ、自分が東京に行くと言い張る。が、いよいよ誰が東京に行くかを決めなければならなくなると、賢秀は「豚の世話がある」、良子は「生徒会役員の仕事がある」などと言って厭がる。そんな中、暢子が「うちが行く」と立候補する……

雑感

優子は「このままでは子どもを手放すことになる」と思い、土方仕事を頑張ろうとするが、男に混じって女が一人前に働けるわけではなく、親方には「他の仕事を探せ」と言われる始末。だから「誰にするか決めろ」と言われても決められない。さりとて「こうすればやっていける」と絵を描くわけでもない。ただ申し訳なさそうに賢吉や善三の顔を見るだけ。賢吉が怒りたくなる気持ちもわかるよ……。

さて、比嘉家のことは措き、途中で青柳史彦が暢子の教室で民俗学について話をするシーンがあった。総合的にはなかなかいい話をしており、ネットでも「感動した」とか「この言葉を私自身心に刻んでいきます」といった声を見た。勘当した人に水を差すつもりはなく、その人はその人で結構だと思うけど、僕は感心しなかった。もっと正直に言えば、すごーくくだらないと思った。

「この村に生まれたことを、みんな、いつか誇りに思ってほしい」という言葉に耳を疑ったのである。前週、暢子に話しかけた時も似たようなことを言っていて、おやと訝しんだのだが、繰り返されたからには、単なる言葉の綾ではない。青柳先生は、こんなど田舎に住む人は、ここに生まれたことを卑下しているだろう、こんなところに生まれなければよかったと思っているのに違いない、という考えが前提にあるのだ。今既に、誇りに思っている人がたくさんいるとは思っていないのだ。

冒頭で「私は、ここはとてもいいところだと思いました」と言うと、クラスのみんなが笑顔になる。どこがよかったのかな、と思うが、最後まで「ここがいいと思いました」とは具体的に言わなかった。本心では、別にいいとは思っていないのだろう。

これまで何度も史彦の人間性について、おや、と思う場面があったが、印象は間違っていなかった。要は青柳先生は、そういう人なんだ。

その他

  • BGMとして「椰子の実」が流れるシーンがあった。とてもいい歌だとは思うが、これは愛知県の伊良湖岬を歌ったもの。沖縄の歌ではない。沖縄の歌でなければ使ってはいけないということはないのだが……
  • 暢子が東京へ行くか思い悩んでいた時に、近くに座って本を読んでいたおじさんは誰? 前日、島袋らが暢子らに暴力を振るって、善三さんが止めに来た時にも一緒にいた(が、セリフはなかった)。



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「ちむどんどん」(08)

第02週「別れの沖縄そば」(水)

放送日

概要

やんばる小中学校の運動会。足の速い比嘉暢子は、例年通り一等賞まちがいなしと思われたが、そのとき、意外なアクシデントが……。予想もできなかった最下位に終わり、悔しい思いを抱える暢子。そして母・優子の見守る中、後を走る兄妹たちが気持ちの入った走りを見せる。父を失い、母を支えたい。そんな思いをそれぞれに込めた運動会の行方は……。(NHKオンデマンドの解説より)

良子は結局汚れた体操服を着て運動会にやってくる。駆けっこは前年3位からひとつ上がって2位。中3男子の部は島袋、賢秀、智、和彦の争いとなる。島袋が賢秀に「お前は負けても靴のせいにできていいなあ」と毒づくと、賢秀は「俺はアベベだ」と叫び靴を脱ぎ捨てる。それを見て智も和彦も靴を脱ぐ。結果は賢秀と智の一位争いになり、賢秀が勝つ。

賢秀、智、和彦、暢子が山で遊んでいると、高校生三人を連れた島袋が優子を侮辱し始め、喧嘩になる。そのことで優子が学校に呼び出されるが、教師は喧嘩両成敗だと不問に、が、暢子と歌子の給食費とPYA会費が未納だと告げる。歌子が熱を出し、優子の背負われて早退。

帰途、賢吉と和恵が、優子に今月分はいつ払ってくれるのかと詰め寄る。

帰宅すると優子にどこからか手紙が届いている。そのことで優子は前田善一に相談。

夜、賢秀が水汲みをさぼってラジオで大相撲を聞き、暢子が優子を手伝って夕食の支度をしていると、優子が倒れる……

雑感

なんというか、とにかく見ていてつらい。楽しく見られるところがない。

島袋がなぜ執拗に悪態をつくのか不明だが、運動会の場であんな大声を出して、なぜ教師が注意しないのかがわからない。賢秀が靴を脱ぎ、智と和彦も靴を脱ぐ。それを見て島袋が靴を脱ごうとするが、スタート係の教師はそれを無視してスタートさせてしまう。これもわからない。島袋なりにフェアに走ろうとしたのであろうし、靴を脱ごうとしているのがわかっていてなぜ待たなかったか。

口で言うだけでなく、高校生を連れて賢秀らを襲うのはかなり悪質だが、賢秀らは、優子がバカにされたことを母に伝えるのが忍びなく、理由については口をつぐんだ。が、理由が不明だからといって「喧嘩両成敗」はまさかだ。あり得ん。高校生4人を含む男子5人が、小学生女子を含む4人に暴力をふるったのだ。島袋らに厳罰が処せられてしかるべきだ。それに、普段の島袋の態度を見ていれば、原因も想像がつきそうなものだ。やはり島袋の父は教師にとってアンタッチャブルなのか?

さて給食費とPTA会費の未納問題。それはそれとして、優子は、月々何にいくらかかるのか、把握していないのであろうか。学校にいくら、電気代にいくら、自分の収入がこのくらい……。ちゃんと収支を見極めたうえで、無理のない現実的な生活設計をしないと、誰かにお金のことを言われるたびに「すいませんすいません」をひたすら繰り返して先延ばしにするだけでは、何一つ問題は解決しない。あっという間に目詰まりを起こして空中分解する。賢吉だって、病人を背負った母親に借金の催促などしたくないだろうが、優子が納得のできる絵を描いてくれないから、こうするしかないのだ。

優子が倒れるが、こんな生活を送っていたら、そりゃ倒れるだろうよと思う。

いろいろとおかしくて、どういう立場で何を感じればいいのかわからない。貧乏は大変なのです、ということが言いたいのだろうか。矢口高雄の「ボクの手塚治虫」を読むと、矢口は賢秀の十歳上で、地域は東北、両親そろっていて借金があった様子はなく、比嘉家よりはゆとりがあるように見受けられるが、それでも小学生の頃から、水汲み、堆肥作り、草刈と、家の仕事を手伝っている。当時はどこの家もそうだったんじゃないかなあ。



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「ちむどんどん」(07)

第02週「別れの沖縄そば」(火)

放送日

  • 2022年4月19日

登場人物

概要

運動会の日が近づいてきた。ひとりの働きで一家を支える比嘉優子だったが、運動会に向けて新しい体操着やズック靴を買い与えるのは難しい。暢子たち四人の兄妹はそんな母をそれぞれに家事手伝いで支えるが、張り詰めた暮らしを続けるのは大変だ。一家それぞれの、今の思いをのせて、運動会が始まる。足の速い暢子は今年も一等賞を取るべく走り出した。(NHKオンデマンドの解説より)

島袋は(手下二人と三人で)比嘉四兄弟を貧乏人、ボロ兄弟と笑う。見返すために運動会で一等賞を取りたい、そのために賢秀は新しいズック靴がほしい、良子は体操服がほしい。

工事現場で、腰を痛めた作人に代わって優子が現場仕事をすることに。収入は一日1ドルに増えたが、とても運動靴と体操服は買えない。親方にもっと金になる仕事はないかと相談するが、あれば皆やっていると一蹴される。それでも運動会前日には親方が3ドル払ってくれた。それで運動靴と体操服を買い、賢秀はそれをアベベに見せるが(アベベにあやかって運動会での成績を祈願した?)、そのまま置き忘れ、翌朝には靴も服もズタボロに。優子は慌てて服を洗濯するが、良子は運動会を休むと言い出す。

歌子(3年生)は最下位返上のため、智に走りの指導をお願いし毎日練習した。が、当日はやはり最下位。お母さんを喜ばせようと頑張ったのに、としょげる歌子に、智が手作りのメダルを首にかける。

毎年一位の暢子は、5年連続の一位を狙うが、走っている途中で靴が破れ、転んでしまい、最下位に……

今日の和彦と賢秀

ガチョーン
「賢秀、ガチョーンの使い方間違ってる」

今日の智と歌子

「おれにとっては歌子が一等賞」

雑感

いい部分もあった。運動が苦手な歌子が、母のためにかけっこを頑張る決意をすること。その指導を、にいにいではなく智にお願いすること。智による歌子の表彰(これを見て、歌子がなぜ賢秀ではなく智に頼んだかよーくわかった。智はいい奴だ)。

また、前田が、店に来ては体操服を手に取り、見つめる良子を見て、欲しがっているのはみえみえで、でもこの家の買えない事情も知っていて、プレゼントすると良子に言うが、良子が拒否するシーン。子どもにだってプライドはある。物乞いではないから、無料であげることが喜ばせることにはならないのだ。

こういうシーンはいいと思うが、それを帳消しにするくらい、気になることがある。

まず島袋の存在がよくわからない。昔も今もいじめはあっただろうし、貧乏もいじめのネタになっただろう。そういうことを風景として出したいということなのか。しかし、運動神経のいい賢秀と、親友の智は相撲の横綱を争う間柄。こいつらに喧嘩をふっかけたら自分がボコボコにされるだけだと思うが……(賢秀は手を出すのを我慢するが、歌子とほぼ同世代(少し年下)の自分の小学生時代は、取っ組み合いの喧嘩など日常茶飯事だった)。父親を亡くしたばかりなことはみんな知っているわけで、周囲が(智以外)誰も注意しないのも解せない。さらに、運動会当日、教師も父兄も大勢いる中で悪口雑言を繰り返すのも理解しがたい。

島袋家はこの山原村のドン的存在であり、教師も他の父兄も、彼に逆らえない、とかの事情があるのではないかと推理した人がいたが、そうでもなければ考えにくい話だ。

また、優子は、いい人なのであろうが、知恵も、行動力も、かなり欠けていることが露出してきた。

頑張って力仕事をし、収入を少し増やしたのは偉いが、増えた収入は借金返済に回すか、貯えに回すか、食費に回すか、いずれにしても運動靴と体操服に回すものではないだろう。そういう、目先のことで頭が一杯になってしまい、あるだけのお金を使ってしまうのが、賢吉が心配するところなわけよ。毎月決められた返済額が守られているのなら、誰も何も言わないわけよ。

子どもに苦労をかけたくない気持ちはわからないでもないが、かけないわけにはいかないのだから。何でも自分で抱え込むのはやさしさでもなんでもない。

まあ、これまで賢三に守られて、優子自身、あまり苦労せずに過ごしてきたのだろう。突然、お金のことも、育児のことも、すべてを背負うことになってしまって、何をどうしていいのかわからない、という状態なのだろうと思うが……

その他

  • 優子が「もっとお金になる仕事があったら」と言い出した時、私は心が汚れているので、ある仕事を連想したのだが、親方が間髪を入れず「あればみんなやってるさあ」と答えてくれてほっとした。いずれにしても山原ではそういうお金を調達できる人がいないだろう。
  • 前田早苗(善一の娘)の名前がクレジットされているのだが、どこに出てきたのかなあ。子役、とあるから今後も登場する重要な役柄なのだと思うが。セリフのひとつくらいしゃべらせてあげてほしい。



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「恋なんて、本気でやってどうするの?」(フジテレビ)

タイトル

  • 「恋なんて、本気でやってどうするの?」第1話「恋に難あり男女6人 本気の恋が始まる!?」

放送日

  • 2022年4月18日

脚本

概要

恋愛は究極の無駄づかい!? 27歳恋愛不要女子・桜沢純(広瀬アリス)が、女性客をとりこにする刹那恋愛主義イケメン・長峰柊磨(松村北斗)に出会い、眼中にないはずが…!?(公式サイトより)

出演者

  • 広瀬アリス(桜沢純、「相良製陶」のチーフデザイナー)
  • 古川雄大(坂入拓人、純の先輩)
  • 松村北斗長峰柊磨、フレンチビストロ「サリュー」のギャルソン兼見習い料理人)
  • 藤木直人(岩橋要、「サリュー」のシェフ)
  • 西野七瀬(清宮響子、純の高校時代の友人・専業主婦)
  • 飯豊まりえ(真山アリサ、純の高校時代の友人・アパレル店員)
  • 小野花梨(竹内ひな子、「サリュー」の常連)
  • 味方良介(清宮敏彦、響子の夫)
  • アキラ100%(田辺良和、アリサのパパ活の相手)
  • 香椎由宇(中川岬希、純の元先輩・ネイルサロン「Ambarvalia」経営)
  • 岡山天音(内村克巳、コンビニ店員)

あらすじ

桜沢純は、食器ブランド『相良製陶』の洋食器デザイナー。大事な展示会の仕事を任されるなど若きチーフとして上司からの信頼も厚いが、一方では、アラサーでありながら恋愛経験ゼロ。その上、結婚どころか恋愛への興味もゼロ。仕事も趣味も充実しているから恋なんていらない、が彼女のポリシーなのだ。

ある日純は、街中でふと目にとまったフレンチビストロ『サリュー』で一人ランチを楽しむ。その店は、イケメンのギャルソン・長峰柊磨目当てに女性客が殺到する人気店なのだが、食べるのが大好きな純は柊磨に目もくれず、シェフの岩橋要が作った料理に舌鼓をうち、仕事柄使っている食器のチェックにも余念がない。

後日、親友二人と女子会で再び店を訪れた純は、初めて柊磨の顔面偏差値の高さに気づく。しかし、色めき立つ主婦の清宮響子とアパレル店員の真山アリサをよそに、純は柊磨にまったく興味を示さない。それどころか、「私の人生に恋愛みたいな不確定要素はいらない」と豪語し、二人をあきれさせる。ところが、そんな彼女に興味を持った柊磨の“ある言葉”に、純は思わずドキッとさせられて……。

そんな中、純は会社の元先輩で、今はネイルサロンを経営している中川岬希から、営業の坂入拓人が転勤先のシンガポールから戻ってくると聞かされる。拓人は高校時代の部活の先輩で、入社後に偶然再会した、純のかつての“推し”だった――。

一方、コンビニ店員の克巳は、パパ活中のアリサを目撃してしまう……。(公式サイトより)

感想

登場人物の性格やしゃべり方がこれでもかというくらい下品で、見ているのが苦痛になり、何度も見るのをやめようかと思った。とにかく小野花梨が出てくるまでは見よう、小野花梨はまだかと時計をチラチラ見つつ耐える。

準と響子、アリサは、数年ぶりに会ったというならともかく、かなり頻繁に会い、お互いの性癖もよく知っているだろうに、なぜ改めて文句を言い出すのか。視聴者に対する説明なのはわかるけど、不自然が過ぎる。そもそも高校時代の友人が20代後半になってこんなに頻繁に会うのも不自然。「月に何回ヤッてるの?」「処女なのは事実だけどさ」とか、口に出して言ったり訊いたりするかぁ?

しかしまあ、途中から少しずつ面白くはなってきた。ずっと憧れだった先輩に呼び出されていそいそ出向いてみると婚約者を紹介されるというベタベタな展開はあったが、結婚式の二次会で広瀬アリスが披露したブルゾンちえみの物真似はすごくよかった。

「サリュー」にきた純を見て失恋したことを見抜いた柊磨が黙って料理を出して口説き、怒ってお金を置いて店を飛び出した純を追いかけた柊磨が、「足りないんだけど」と言ったのはオカシかった。

小野花梨の登場シーンは短かったが、柊磨との衝撃のシーンもあり、いいものを見たと、一応は満足した。しかし小野花梨、じゃなくてひな子は柊磨が好きなのかと思ったら、柊磨がら勇気をもらって本命の彼にアタックする、というので驚いた。

今日のtwitter


(2022-04-28 記)


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*1:◉o◉|||;

「元彼の遺言状」第2話

タイトル

「元彼の遺言状」第2話「超敏腕女弁護士が暴く殺人犯の目的! 150億の行方は!?」

放送日

  • 2022年4月18日

概要

「し」「の」「だ」「を」「た」「の」「ん」「だ」――。麗子は、謎の死を遂げた元彼・栄治が自分に残した暗号に気づく。栄治が暮らしていた軽井沢の別荘へと戻った麗子は、森川家の金治、真梨子、拓未、雪乃、紗英と、栄治の元カノのひとり・朝陽、獣医師の堂上を呼び寄せる。

麗子は、何者かによって栄治の車でひき殺されそうになったことを告白したうえで、ある提案を持ちかける。それは、犯人にこっそり名乗り出てもらい、交渉の場を持ちたいというものだった。麗子の目的は、クライアントである篠田を犯人にすること。森川家から犯人が出てしまうより、自分のクライアントが犯人になる方が皆にとっても都合が良いはずだというのだ。突拍子のない提案に驚く一同。誰も名乗り出ないと思われたそのとき、麗子たちのもとにある人物が現われ……。(公式サイトより)

雑感

今回気になっていたのは、この謎は第2回目で解けるのか、それとも全10回か11回、ずっと引っ張るのか、だ。前回の話の進み方からすると、既に事件は起きていて解決モードになっているようなので、今回解決するようにも思える。

しかし、これは「元彼の遺言状事件」である。ドラマのタイトルが「元彼の遺言状」なのに、これが解決してしまったら、あとの8回か9回はどうなるのか? ということは、解決しかたに見えて、また新たな事件が起き、複雑怪奇な謎が広がっていくのか? と……

結論から言えば、元彼の死亡事件は解決した。残念ながら綾瀬はるかは遺産のおこぼれに預かることができず、ただ働きになってしまった。その後、麗子は個人事務所を開設。そこに篠田が転がり込んでくる。「しのだをたのんだ」という栄治の言葉を、自分に向けての遺言だと受け取った麗子は、篠田を助手として採用することを決意する……

「遺言」とはそういう意味か! これはうまいミスリードだ。これで、「バディもの」としてミステリードラマを続けていくことができる。

ところで、肝心の森川栄治殺人事件だが、登場人物に誰も感情移入できなかったが、詰まらなくはなかった。殺人事件の殺す側や殺される側にいちいち感情移入していたら精神が持たない。純粋にクイズかゲーム感覚で見るのはアリだ。来週以降も見る。
(2022-04-28 記)



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「ちむどんどん」(06)

第02週「別れの沖縄そば」(月)

放送日

  • 2022年4月18日

概要

東京から来た青柳史彦、和彦の父子と交流が深まったある日。比嘉家の大黒柱、父・賢三がキビ畑で倒れた。急報を受けて暢子たち四兄妹も学校から駆けつける。懸命に、家族に何かを伝えようとする賢三。優子も必死に見守るが……。働き手を失って、厳しい運命に晒される家族の、新しい生活が始まる。(NHKオンデマンドの解説より)

賢三はニライカナイに行った。

残された借金は500ドル。

優子は朝早く家を出て工事現場の賄いの仕事をすることに。子どもたちも早起きして豚の世話、畑仕事、薪拾い、洗濯、料理を分担。が、長続きせず。10日も経つと、賢秀が仕事をさぼり始める。疲れて帰って来た母に、賢秀は運動靴を、良子は体操服をねだる。夕食のおかずの貧しさに端を発し、兄弟喧嘩が始まる……

雑感

父親が死んだ途端に家が傾くのは今でもよくあることだろうが、1964年のことであれば、女性が男性並みの収入を得るのは非常に難しく、幼い子供を4人も抱えて比嘉家は大変だっただろうと思われる。それにしてもあっという間に兄弟がすさんでいくのは見ていてつらい。

葬式後、喪服を着たまま優子に借金の返済計画を迫る賢吉や組合長もいけ好かないが、優子も今ひとつしっかりしない。突然死で、気持ちの整理もついていないということもあろうが、まずは子どもたちに、父が生きていた時と同じようにはいかないのだということをこんこんと話さなければいけない。とはいえ賢秀も良子も、中学三年生と二年生、言われなくてもわかってもよい年だ。

良子の着ている体操服は先輩のお下がりで、全体的に古いのではあろうが、胸の名札がほつれて来たから新しいのがほしい、というのがよくわからない。縫えばいいだけの話だと思うのだが……。昔はそうやってつぎはぎを当てながら着続けたのだと思うが……

ニライカナイに行った父に届くよう、海岸で子供たちが叫ぶシーンはちょっとじんときたけど。

その他

  • 畑で倒れた賢三を誰がどうやって家まで運んだのか?
  • 賢三、間もなく死ぬのにあんなに長々としゃべるなんて元気過ぎ。しゃべらなければもう少し生きられたのでは?
  • そもそも賢三の死因は? もともと心臓を患っていた? 過労というほど働きづめにも見えなかったが……



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「鎌倉殿の13人」(15)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第15話「足固めの儀式」

放送日

  • 2022年4月17日

登場人物

概要

源義経率いる一軍が迫っていると知った木曾義仲後白河法皇を捕らえて京に籠もる。一方、鎌倉では御家人たちが謀反を計画。上総広常も加わり、義仲の嫡男・義高を旗頭とし、都ばかりに目を向ける源頼朝の失脚を企む。八重との生活に幸せを感じていた義時だったが、御家人たちの計画を潰すため大江広元らと連携し……。(NHKオンデマンドの解説より)

千葉常胤らが首謀する反乱を鎮めるために苦心する小四郎は、大江広元から策を授かり、上総広常に、彼らから誘われたら乗ってください、と依頼(ここまで前週)。これは恐らく、反乱軍は烏合の衆なので、力のある人がいないとまとまらない。上総広常が仲間に入れば上総広常を中心にまとまる。反乱軍が過激な行動に出ないよう誘導したり、和睦の際に交渉相手として出てきてもらったり、ということを想定してのことであろう。

この上総広常の計らいで比企能員によって万寿誘拐作戦が筒抜けになり、小四郎らが駆け付ける。小四郎は「今兵を引けば鎌倉殿は一切を不問にすると言っている」と説得し、鎮圧に成功。御家人の不満は、結局のところ、坂東の地を守るためなら戦うが、わざわざ京に攻め上って平氏を滅ぼしても何の得もないことなので、平氏を滅ぼした暁にはその領地を御家人に分け与える約束をさせる。

これで一件落着と思いきや、大江広元は、誰か一人首を差し出させねば収まらない、と言い出す。それは誰かというと、上総広常だという。まさか、そうさせるつもりで上総広常を反乱軍に加担するよう仕向けたのかと小四郎が大江広元に詰め寄ると、そもそもこの作戦を言い出したのは鎌倉殿だという。

頼朝は、梶原景時に、お前にもスパイ容疑がかかっている、潔白だと言うのなら態度で示せ、と、上総広常を斬るよう命令。処分を発表する名目で御家人を集めた場で、梶原景時は上総広常に斬りつける……

その年の瀬、義時の妻となった八重は男児を出産。のちの泰時である。

雑感

ネタバレには気を付けていたのだが、三谷さん自身がいろいろ言ってくれるものだから、上総広常の最期らしいことはわかっていた。が、まさかこんな形になるとは思わなかった。

上総広常は頼朝の人柄に惹かれ、「武衛」と立て(もっとも本人は立てている意識はないのだが)、あれこれ言う者もいるだろうが気にせず信念を貫けと励ます。武に優れていても無学である自覚はあり、これから頼朝について京に行くこともあるだろう、その時字も書けないと頼朝に恥をかかせるから、と必死で字を練習するなど、純なところも見せていた。

景時に斬られた時に、何で自分が殺されるのか全くわかっておらず、小四郎に助けを求めるが動かず、やってきた頼朝にすがろうとするも頼朝は動かず、たまらず席を立とうとした小四郎に「来ればお前も斬る」と怒鳴った頼朝の声を聞いて、ようやく頼朝の指示であること、小四郎の意に反する処分であることを理解し、しかしなぜ自分がそうされるのかわからぬまま息を引き取った。

というわけで、視聴者はいちようにショックを受けていた模様だが、自分はかねてから、上総広常は頼朝に好意的だけどヤバい存在だよなーと思っていた。「俺が味方についた方が勝つ」と豪語するほどの兵力を持っているのである。そして頼朝自身は軍備を持っていない。御家人たちのバランスの上に立っているのだから、ずば抜けた力を持つ者は刈り取っておく必要があっただろう。その土地を他の御家人に分け与えれば、感謝されるし。自分が殺されるはずがないと信じ込んでいたような上総広常はあまりに無邪気で一軍の将たるにはふさわしくないとも思った。

そういうわけで、自分は割と上総広常が粛清されたのはすんなり受け入れられた。

それと泰時の出産との対比はうまくできていた。
(2022-04-19 記)



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「ちむどんどん」(05)

第01週「シークワーサーの少女」(金)

放送日

  • 2022年4月15日

概要

暢子たち比嘉家のみんなは、東京からやってきた民俗学者・青柳史彦と息子の和彦と親しくなる。そして家族みんなで、史彦の招待を受けてレストランで食事をすることに。初めて見るきらびやかな西洋料理、さっそうとした料理人の姿に、食いしん坊の暢子は心を奪われてしまう。そんな楽しい日々の後、比嘉家の大黒柱・賢三の身に不吉な事件が……。(NHKオンデマンドの解説より)

雑感

ウエイトレスが、料理の説明をしながら皿を並べると、暢子が「ちょっと待って!」と言って(きたない)ノートを取り出し、説明を全部書き留め、料理の絵も描く。賢三、優子もナイフとフォークの使い方をよく知らず、史彦・和彦の様子を横目で見ながら真似をしており、当然、子どもたちも同じなのだが、落としたり汚したりする描写は一切なく、おいしそうに食べるシーンは良かった。

それにしても、あんなに熱心にメモを取り、あんなにおいしそうに食べるのをウエイトレスは見ていたはずだが、そのことをシェフに全く報告しなかったのだな。ちょっと残念。シェフもさぞ喜んだであろうに。

賢三は出稼ぎに行く決意をする。それを聞いた暢子が「戻ってきたら私がおそばを作ってあげる」と言ったのを聞いて、あ、なんてフラグを立てるんだ、と焦った。古来、「この戦争が終わったら彼女に結婚を申し込むんだ」と言った兵隊は死ぬことになっている。そうしたら案の定(?)、さとうきびを刈っている途中で突然倒れて意識を失う。

まさか第一週でいきなりヒロインの父がいなくなるのは意外だが、出稼ぎにいかなければ生活できないレベルの暮らしをしているところに、父が倒れたら、家族の生活はどうなってしまうのだろうか?



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「ちむどんどん」(04)

第01週「シークワーサーの少女」(木)

放送日

  • 2022年4月14日

概要

暢子の熱心な誘いで比嘉家での夕食会にやってきた、青柳史彦と和彦の父子。慣れない沖縄の料理に戸惑いつつも、暢子たち比嘉家の家族との仲は近しいものになり、暢子の父・賢三、母・優子も含めた、家族ぐるみのつきあいが始まる。やがて、史彦の提案で、比嘉家の家族はそれまで行ったことがないようなきれいなレストランに招待される。(NHKオンデマンドの解説より)

暢子は和彦に、一緒に東京に行って東京のおいしいものを食べたいという。和彦は、中学を卒業したらアメリカに留学するかも知れないという。暢子は、それならアメリカに行って、世界中のおいしいものを全部食べると。

今日の歌子

アベベはお正月に食べるの?」

いちいち気になるセリフを書き起こしていたら時間がいくらあっても足りなくなるから、今回はやめようと思ったけど、今日のこのセリフだけは。

雑感

和彦が比嘉の四兄弟と仲良くなれたのは良かった。文通が始まったのはなかなか微笑ましかった。四人を相手にする文彦は大変だけど、意外に厭ではなさそうだ。おまけに良子の勉強までみてやっているようだ。

03回の終わりで賢秀が「アババは? アババはどこ?」と叫んでいたのに、今日は何事もなかったように食事を始めていたり、8人もの人が食事をするのにひとつの料理はひとつの皿に盛るだけだったり(あれでは客は食べられない、せめてお客様の分だけでも取り分けてあげたらよかったのでは)、史彦が和彦に一切話しかけず、そもそも一顧だにしなかったり(これはおいしそうだね、とか和彦を振り返って話しかければいいのに)、中学生の賢秀が一流レストランに行くのに「マグネット・オーロラ・スーパーバンド一番星」をつけたままだったり、いろいろと気になる箇所はあるけれど、気にし始めたらきりがないから、あまり気にしないことにする。今日は歌子のセリフですべてが救われた。



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「ちむどんどん」(03)

第01週「シークワーサーの少女」(水)

放送日

  • 2022年4月13日

概要

沖縄のやんばる地域で暮らす食いしん坊の小学生・比嘉暢子は、東京から転校してきた青柳和彦が気になって仕方(しかた)がない。山に出かけたふたりは思わぬアクシデントに見舞われることに。そして和彦は、徐々に比嘉家の兄妹に親しみを感じていき、ある夜、食事に招かれて暢子たちの家を訪れる。暢子は父・賢三や母・優子と精いっぱいの料理を作って待ち受ける。(NHKオンデマンドの解説より)

雑感

和彦は、暢子に「東京のおいしいものを教えて」と絡まれるわ、一緒に山へ行こうと険しい山道を連れ回されるわ(暢子はとっておきの場所を教えてあげようと思ってのことなのだが)、賢秀からは「妹にケガをさせた」と因縁をつけられるわ(これも賢秀なりの親愛の情で、それをネタに漫画を借りる約束をし、夕食に誘う)、将来どうなるかはわからないが、今日の時点では「比嘉家の兄妹に親しみを感じ」たりはしていないと思う。「僕、帰ってもいい?」と何度も言いたかっただろう。

比嘉家の夕食にも来ないのではと心配したが、ちゃんと来たので良かった。ご馳走を用意して待っていたから、来ないと空振りに終わってしまう。

そのご馳走には、豚料理が含まれていた。豚は第一話で賢秀がアババと名前を付けて可愛がっていることが紹介され、オープニングでも登場する家畜だが、いずれそうなる運命とはいえ、第三話で早くも食卓に並ぶとは思わなかった。一頭丸々を家族と客の一回の夕食で消費してしまうのはいくらなんでも多過ぎだと思うので、大部分は業者に売って、一部を料理に使った、ということだろうか。

アババの件、事前に賢秀に言いそびれたのは仕方ないとして、「どこに行ったの?」と訊かれた時に「ここにいるぞ」と言えばよかったのに、なんで慌てるのだ賢三よ……

アババの声を聞けえ。いつ食べたらいいのか、アババが教えてくれる。

今日のteitter



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「ちむどんどん」(02)

第01週「シークワーサーの少女」(火)

放送日

  • 2022年4月12日

登場人物

  • 宮下柚百(砂川智、豆腐屋の長男)
  • 土屋美穂子(比嘉和恵、賢吉の妻)

概要

1964年、まだアメリカ統治下だった沖縄。本島北部のやんばる地域が舞台。小学生の比嘉暢子はおいしいものが大好きで、東京から来た転校生・青柳和彦から、東京のおいしいものの話を聞きたくてたまらない。母と父も共に、和彦の父・史彦との交際が始まるが、肝心の和彦はやんばるの暮らしが楽しくなさそうだ。暢子は何とか和彦の心を開かせようと試みるが……。(NHKオンデマンドの解説より)

砂川豆腐店の長男・智はまだ中学生だが学校へ行かず店の仕事を手伝っている。父に死なれ、おじいを頼ってこの地に来たがそのおじいにも死なれ、母親は病気で寝たきり、下に幼い弟と妹がいては、自分が頑張るしかないのだ。

サトウキビ畑で働いている三兄弟を見た優子と賢三は、自分たちの握り飯を兄弟にあげる。弟と妹は喜んでもらうが、智は断わる。賢吉は、「食わなきゃ働けねえ、自分たちも借金を抱えていることを忘れるな」と苦い顔をする。

その後、善一から魚をもらったため、夕食に刺身、煮つけなどのご馳走が並ぶが、優子は、これを砂川さんとこにあげたいと言い出す。がっかりする子らに、もし自分や賢三が病気になったら、あなたたちも同じ目に遭うのだと。

砂川家では智と母が床に頭をこすりつけて感謝する。弟と妹が喜んで食べるのを見て比嘉家も喜ぶ。

その夜、青柳史彦が和彦を連れて比嘉家に挨拶。和彦はすぐに帰るが、賢三と飲む。史彦は戦時中は沖縄にいたが、終戦時は外地替えで沖縄にいなかった、そのため死を免れたと。賢三は中国にいた。優子の実家は那覇(ナファ)で19年の空襲で家族が皆やられたようだ。その夜、優子は月下で泣き続けた……

雑感

第一話でも賢吉が心配していたが、賢三・優子は、自分たちも決して裕福ではないのに、貧しい人を見るとほっておけない性格。それは単にお人よしなのではなく、戦争で「生き残ってしまった」罪悪感に端を発しているようだ。それはそれとして、砂川家への「恵み方」が騒ぎになっていた。貧しいが物乞いではない、だからこそ頑張っている智の誇りを踏みにじる行為なのではと。

確かに、同級生に頭を下げるのはつらいな。

自分はそれより、青柳史彦の態度が気になった。せっかく和彦を連れて比嘉家に挨拶にきたのに、和彦を無視して三線やらわら編みやら、自分の興味を引いた話ばかりする。和彦が「もう帰っていい?」と言って帰ると、「難しい年ごろで」と苦い顔をするがチョット待て。あんな態度を取られたら俺だって帰るよ。

和彦が比嘉家の子どもたちと少しでも溶け込めるよう、また、比嘉家の子が和彦のことを見世物のような扱いをしたり、莫迦にしたりしないようにするために来たのではないのか? 和彦のことを紹介したり、学校の話に水を向けたり、もっとする話があったのではないか。そうでなくても都会から異邦の地に来て参っているのに……。もう少し和彦に寄り添ってやってほしい、と思った。

その他

  • サトウキビってあんなに大きく(人間の身長より高く)なるのね。あれでは刈るのも大変さあ。
  • 刈っている上を戦闘機が飛ぶ。今でもそうだろうけど、ベトナム戦争もあったし当時は今よりもひどかっただろう。



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「ちむどんどん」(01)

第01週「シークワーサーの少女」(月)

放送日

  • 2022年4月11日

脚本

主題歌

ナレーター

登場人物

  • 黒島結菜(比嘉暢子)
  • 稲垣来泉(比嘉暢子:幼少期)
  • 大森南朋(比嘉賢三、暢子の父)
  • 仲間由紀恵(比嘉優子、暢子の母)
  • 浅川大治(比嘉賢秀、暢子の兄)
  • 土屋希乃(比嘉良子、暢子の姉)
  • 布施愛織(比嘉歌子、暢子の妹)
  • 山路和弘(前田善一、共同売店店主)
  • 吉澤梨里花(前田早苗、善一の娘)
  • 石丸謙二郎(比嘉賢吉)
  • 田中奏生(青柳和彦、転校生)
  • 戸次重幸(青柳史彦、和彦の父)

概要

ヒロイン比嘉暢子とその家族の物語が始まる。1964年、まだアメリカ統治下だった沖縄。本島北部のやんばる地域が舞台。明るい母と優しい父。そして兄妹たちに囲まれのびのびと暮らす小学生の暢子は、美味(おい)しいものが大好き。ある日、村に東京からの転校生・青柳和彦がやってきた。暢子にとって、生まれて初めて見るヤマトンチュだった。(NHKオンデマンドの解説より)

雑感

暢子は食べることが大好き。日本中のおいしいものを食べたいと思っている。駆けっこが速い。女らしくないと言われる。
賢秀はちょっとアホの子?
良子は真面目。教師を目指している。
歌子は音楽が好き。ちょっと身体が弱い。
優子はにーにーに甘い。
賢三は人の言うことなど気にせず、自分は自分であればいいと子に教える善人。
そこへ日本本土から転校生がやってくる。みんな興味津々で見世物を見るような目で見てしまう。和彦は、こんなところへ来るんじゃなかったと呟く……

と、舞台と主要な人物のキャラを紹介した第一回。「すげーっ、引き込まれるー」というようなものは特になかったけれど、前作が過激で振り回され、疲れたので、心穏やかに見られるのならば、それはそれでいいと思う。



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「元彼の遺言状」第1話

タイトル

「元彼の遺言状」第1話「殺人犯が全財産を相続!? 遺言状ミステリーが遂に開幕」

放送日

  • 2022年4月11日

原作

  • 新川帆立

脚本

登場人物

概要

剣持麗子は、大手法律事務所に勤務する敏腕弁護士。企業法務を専門とする麗子は、とにかく勝ちにこだわり、クライアントの利益のためには手段を選ばない剛腕ぶりで多大な利益を上げていた。だが、その強引さが仇となって有力クライアントを失う羽目になった麗子は、所長の津々井君彦からボーナスカットを言い渡されてしまう。

その処遇に憤慨し、事務所を辞めると啖呵を切って飛び出した麗子は“ひとり焼肉”で憂さ晴らしをする。そこで、飲み仲間を求めて片っ端から知り合いにメールを送る麗子。すると、大学時代の元カレ・森川栄治から返信が……。だがそのメールの中身は、「森川栄治は永眠しました」という訃報だった。驚く麗子のもとに見知らぬ電話番号から着信が入る。「久しぶりだね」。全く面識がないはずの相手・篠田敬太郎は、そう挨拶すると、栄治のことで相談したいと麗子に告げる。

数日後、麗子は篠田と会うが、顔を見てもなお篠田のことを思い出せない。一方、「変わらないねえ、麗子ちゃんは」となれなれしい態度を取る篠田は、栄治と同じ大学のサークルの先輩で、軽井沢の別荘で病気療養していた栄治に誘われて別荘の管理人をしているらしい。自室で死んでいた栄治を最初に発見したのも篠田だった。篠田は、栄治が遺した奇妙な遺言状のことを麗子に伝えた。そこには「全財産は僕を殺した犯人に相続させる」と記されていたというのだ。すると篠田は、「代理人になって僕を犯人に仕立ててほしい」と麗子に持ちかけ……。(公式サイトより)

雑感

綾瀬はるかが主人公なら間違いがないと思って視聴。が、登場人物がみなイヤな奴で、魅力的な人物が一人もいない。謎があまりにも「物語のために作ってみました」というもので、自然さがない(最近のミステリーは、そうせざるを得ないのかも知れないが)。まあ、ゲーム感覚でリアリティがないから、人が死んでも悲惨さがなく、純粋なミステリーとして楽しめる、ともいえる。

謎が気になるのでもう一回は見るが、しかしタイトルが「元彼の遺言状」である以上、次々と事件が起きて、10回か11回引っ張るということなんだろうな。いつまで見続けるかは、わからない。
(2022-04-20 記)


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「鎌倉殿の13人」(14)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第14話「都の義仲」

放送日

  • 2022年4月10日

概要

嫡男・義高を鎌倉へ送った木曾義仲は、平家の追討軍を撃退して上洛。敗れた平宗盛は、三種の神器とともに都を落ち延びる。義仲の活躍に焦る源頼朝であったが、義仲と後白河法皇との関係が悪化すると、弟・義経を大将とし派兵することを決断。しかし、利益のない戦に御家人たちが不満を募らせる。八重も気にかける中、義時は……。(NHKオンデマンドの解説より)

前回、木曽義仲が、戦に強く、男気もある、カッコいい武将として登場した。今回は倶利伽羅峠の戦い(1183)に勝利するとそのまま京に攻め上り、平氏安徳天皇三種の神器を持って逃げだした。

後白河法皇にしてもれば本来は武功第一なのだが、牛車からの降り方を知らなかったり、官位がないのに殿上に昇ろうとしたり、自分の(粗末な)刀を法王に献上しようとしたり、三種の神器を知らなかったりと、みやこ人から見て無知・無作法・無教養が極まっており、嫌われ者となってしまう。

戦を知らない法王は、すぐに西国を攻め平家を滅ぼせと言う。体制が整わないまま遠征を重ねたが戦況は一進一退で、いったん京へ引き返すと、平氏と和睦を結んだという噂が流れ、義仲は謀叛者になっており、法王に会うことができない。

事情を知った頼朝は、義仲および平氏追討軍の先遣隊として義経を派遣、本軍として範頼を出兵させることを決める。が、土肥実平、千葉常胤らは、これ以上頼朝についていくことはできないとひそかに密談をかわす……

雑感

今回はかなり駆け足だった印象を受ける。頑張った義仲があっという間に謀反人になってしまった。自分では戦ひとつできないくせに、武士の無教養ぶりを莫迦にするみやこ人に腹が立つし、翻弄される義仲が哀れである。教養といってもその大半は自分たちが勝手に決めたことである。牛車をうしろから降りたっていいじゃないの。

が、一番の曲者は頼朝だ。こうなることを見こして、法王と連絡を取り合い、義仲との共同戦線を避け、いまや義仲征伐を名目に京に兵を派遣する。女にはだらしないが政治はできるのである。

しかし、昔からわからないのが、平氏が天下を取り、源氏の抵抗力を削ぐためにいろいろと手を打ったはずだが、以仁王の令旨ごときで北陸にもこれだけの勢力が集まった理由である。平氏の大将は平維盛で、富士川の戦いでみっともないところを見せてしまったから、この戦は背水の陣で臨んだはずである。率いた軍は10万。どうして負けたのだろうか。また、福井で負けたからといって、あっさり京を明け渡さなければならないほど、平氏の権力基盤は脆弱だったのか。

義経の出陣の際の義高との別れの場面はよかった。義経は、これからオレがこいつの親父を討つ。戻ってきた頃には人質であるこいつは殺されているだろう。もう二度と会うことはない、と思っている。義高は義高で、戦で父に勝てるわけがない、哀れなお方だ、と思っているのである。

寿永二年十月宣旨が発せられたことも触れられているが、あっさりしていた。が、これは朝廷が頼朝に対して東国支配を公認したもので、これをもって鎌倉幕府の成立とする説もあるくらい、重要なものであることを強調しておきたい。

とはいえ、坂東武者たちはふたつに割れている。このままでは足元が危ういが……
(2022-04-11 記)



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ひなたとビリー

最終回の最後で、ひなたがローレンス先生――ビリーを、「家に来ませんか?」と誘うシーンがある。もちろんこれは、ちょうど50年前に、ひなたがビリー少年に言いたかったけれど言えなかったセリフ。この「忘れ物」を、時間がかかったけど、ちゃんと届けることができて本当によかったと思う。望み得る最高のラストシーンだ。

界隈で、ひたなの運命の人はビリーだった、とか、ここから何かが始まる予感、とか、ざわざわしている。含みを持った終わり方だから、余韻として何を思いめぐらすかは好き好きではあるが、自分は、何も起こりはしないと思っている。というより、何かが起きると期待することは、この作品の理解としてずれているのではないかと思うのだ。

ひなたに誘われて「もちろん」とビリーも答えたけれど、本当に大月の店に行ったかどうかは怪しい。映画村からだとわざわざ電車に乗らなければならず、少し遠い。そもそも今の大月はひなたの家ではない。「覚えていますか。あの時私はこう言いたかったんですよ」と言って近くの喫茶店にでも入るのが常道だと思う。

ひなたは結婚も出産もしなかった。これは朝ドラの主人公としては珍しいらしく、これまでは「オードリー」の主人公だけだったそうだ。が、なにも結婚が人生の目的ではない、ということを堂々と体現していた。五十嵐と再会し、五十嵐から「いい人いないの?」と訊かれた時に、ひなた自身、あ、私は別に「いい人」がいなくてもひなたの道を歩いているなーと気づいたのではないか。

一方、五十嵐が虚無蔵を映画に出るよう説得する場面で明らかになったように、ひなたと五十嵐は共鳴している。恋愛感情がなければ共鳴できないわけではない(恋愛だけが共鳴の条件ではない)ことを示したのだ。それでこそ令和のヒロインではないか。

ローレンス先生は、仕事の上での大切なパートナーであり、信頼できる仲間であり、これからも支え続ける関係であるかも知れない。だがそこに恋愛感情が「なければらなぬ」と考える必要はないと思うのだ。



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