窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「舞いあがれ」(056)

第12週「翼を休める島」(月)

放送日

  • 2022年12月19日

概要

舞たちは仙台の航空学校の最終訓練過程と並行して、それぞれ航空会社への就職活動を始める。面接で舞は緊張しつつも、担当者に丁寧に自分の考えを答える。なかなか採用されない日々が続く舞。しかしついに、舞の携帯に非通知の電話がくる。矢野学生に促されて慌てて電話に出る舞。それは博多エアラインの採用内定の連絡だった。(NHKオンデマンドの解説より)

博多エアラインからの内定で、家族はもちろん、五島も大喜び。これを機に観光客を呼び込むぞと張り切り、祥子から「気が早い、舞はこれから」とたしなめられる。

仙台では同期5人の卒業祝いの飲み会。サプライズで水島も参加。中澤は妻とは元さやに収まったらしい。子どもの写真を水島に見せびらかしていた。

Iwakuraでは取引先の注文量が激減して大騒ぎ。ボーナス一律3万円を社員が愚痴るが、笠やんは、これまで何度も危機はあった、今回も必ず乗り越えられると鼓舞する……

感想

リーマンショックの始まりである。業種によって温度差はあるが、自動車業界は直撃したから、自動車業界進出のために新工場を建てたIwakuraとしては影響は大きいはず。浩太もめぐみも社員も渋い顔をしているが、これから事態は悪くなる一方だ……。とにかく工場が既に稼働していたのは救い。建設途中だったら目も当てられないところだ。

柏木の今後の舞との関係はどうなるのだろうか。水島に声をかけたのは柏木らしい。それを他の人に黙っていたのはまだいいとして、飲み会の途中で舞を連れ出して二人きりになるなど興醒めもいいところで、相変わらず自分のことしか考えていないぽい。別々の航空会社で二人ともがパイロットになれば、交際は難しかろう。やはり柏木は本命ではないのかな。



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「鎌倉殿の13人」(48)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」最終話「報いの時」

放送日

  • 2022年12月18日

登場人物

今日の退場者

概要

反目する北条義時を討ち取るため、義時追討の宣旨を出し、兵を挙げた後鳥羽上皇。これに対し、政子の言葉で奮起し徹底抗戦を選んだ幕府は、大江広元三善康信の忠言を聞き入れて速やかに京へ派兵することを決断。泰時、平盛綱らが先発隊として向かい、時房らが続く。そんな中、三浦義村は弟・胤義と……。(NHKオンデマンドの解説より)

承久の乱は至極あっさり終わった。後鳥羽上皇は、藤原秀康ら不忠の者をよくぞ討ち取ってくれたと話をすり替えようとしたが、義時は許さず、上皇島流しにする。

その後、西国の武士ら不満分子が上皇の孫を担いで復権の動きがあると知った義時は、騒動の種である皇子を亡き者にしようと画策するが、泰時は、もうそういう時代は終わったと、義時に手を出させず、御成敗式目を制定することで政治の形を整えていく。

のえは政村を後継ぎにさせたいが、叶わないと知ると、義時に毒を飲ませ亡き者にしようとする。義時にバレで追い出されるが、毒を入手してくれたのは三浦義村だと教える。

義時は義村に、すべてわかっていると告げ、これからも北条を支えてくれるよう改めて依頼。

義時は見舞いに来た政子と、泰時に任せれば鎌倉は安泰と話すが……

雑感

ネタバレはできる限り回避し、三谷さん自身はもちろん、登場人物が出席するテレビやtwitterなどはできるだけ見ないようにしていたが、それでも「三谷義村がラスボス」とか「意外なラスト」などの情報を知ってしまい、変に考え過ぎてしまったため、「結局、そういうこと?」といささか拍子抜けの感もあった。

前回に続き、今回も笑えるシーンが多かった。冒頭でいきなりマツジュン演じる家康が出て来た時(来年の番宣をここまで堂々とやるか)。義時の部屋からこっそり酒を持ってきた時房が、毒入りと気づかず飲んだ時、などなど。

タイトルの「13人」はもちろん十三人の合議制のことを指すと、誰もが思っていただろうが、わずか足掛け二年で崩壊する制度で、また粛清その他でどんどんいなくなってしまうので、これが一年間のタイトルになるとは「?」とは感じていた。実は、鎌倉のためといって殺された人が13人なのだった。その13人の名を呟いた義時に、政子が「なぜ頼家が入っているのか?」と詰問する。政子は頼家が病死したと知らされていて、疑いつつもそれを信じていたのだ……

義時の目が見えなくなって暗転し、政子のすすり泣く声だけが聞こえる。「完」の文字が出たのは義時の息が止まった時であろう。なかなか見事な演出だった。



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「舞いあがれ」(055)

第11週「笑顔のフライト」(金)

放送日

  • 2022年12月16日
  • 中村靖日(古川輝海、Iwakuraの従業員・経理総務課)
  • 木内義一(宮坂利勝、Iwakuraの従業員)
  • 平田理(相良康光、Iwakuraの従業員)
  • 榎田貴斗(藤沢哲、Iwakuraの従業員)

概要

帯広での訓練課程を無事終了した舞は、東大阪へ帰省する。浩太とめぐみが温かく出迎えると、玄関には思いもかけぬ柏木もいた。戸惑う浩太とめぐみ。航空学校の同期と紹介する舞。浩太は柏木に向かって、舞の父だと自己紹介をする。柏木も自己紹介して舞との関係を言おうとするが、舞はそれを遮るように、とても仲のよい友達だと言う。(NHKオンデマンドの解説より)

娘が実家に彼氏を連れてきましたの巻。

感想

昨日の内容が昨日の内容だったので覚悟はしていたが、まさか舞が実家に柏木を連れていくとはね。いや連れて行ったのは「うめづ」だが、両親と対面させるとは。柏木は柏木で夜をどうするかあまり考えていない。*1めぐみとしては「泊っていけ」と言うしかないだろうが、だからといってその誘いにホイホイ応じるのもどうかと思う。

貴司ともバッタリ遭遇し、仲良さそうなのにムッとして、マウントを取ろうとするも、自分の小ささを(視聴者に)披露するだけ。

浩太にいらんことを吹き込む章には笑えたが、主人公の彼氏がこんな人間でいいのだろうか? そもそも舞が柏木に恋しているように見えないところが問題だ……。

そして、これらは制作側が意図しているところなのかも知れないし、そういうつもりではないが脚本や演出や演技がおいついていなくて本来の意図とは違った風に見えてしまっているだけなのかも知れない。そこがわからないのが一番の問題だが、これはもう少し見ればわかるだろう。来週以降の展開に期待。



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*1:東京に帰るというが、舞の家から新大阪に出るのも時間がかかるし、柏木の家も東京駅の目の前というわけではあるまい。しばらくぶりの帰省が午前様では実家にも迷惑がかかる。そんなことを言えば舞の両親だって心配するに決まっている。ならば近辺のホテルの予約くらいはしておくべきだっただろう。

「舞いあがれ」(053)

第11週「笑顔のフライト」(水)

放送日

  • 2022年12月14日

概要

同期の中澤学生が訓練に集中できていない。それを心配した舞と矢野学生が中澤学生のもとに行こうとすると、彼は外出しようとしていた。その手には一通の封筒があった。中澤学生は、妻から送られてきた離婚届に署名をして、提出しようとしていたのだ。舞と矢野学生は、離婚届を出す前に話をしようと、中澤学生を引き留める。(NHKオンデマンドの解説より)

中澤は、今のままでは試験に集中できない、きっぱりとけりをつけたいと言う。倫子は、中澤が離婚届けを出してスッキリするなら止めない、でも、結局何も解決しなくて、グダグダ言うでしょう。きちんと奥さんと話をするべきだと。いろいろ倫子に説教をされ、何か思うところがあったのか、離婚届を送るのをやめ、奥さんに手紙を書いた。数日後に返事が来て、会って話し合いをすることになった。

感想

話し合いをしたからといって離婚が回避されたわけではないが、少なくとも、直接話をした方が、お互いに次のステップに進むためにはいいのだろう。

倫子は、中澤の足りない点を並べ立てる。子どもがいるのに夢を追いかけることができるのは、あんたが男だから。奥さんの夢はなんだか知ってる? そういう話をしたことがある? 中澤は、「妻の夢は、俺が夢を叶えるのを手伝うこと」とか「男が働いて女が家庭を守るという世の中を作ったのは俺じゃない」とか、あちこち地雷を踏みまくりで、倫子ならずとも「そーゆーとこだよ」と思う。思うけれども、それは倫子(やわれわれ視聴者)が感じる中澤の欠点であって、奥さんがそこが問題だと思っているとは限らない。中澤がそういう人だということはわかっていて結婚したのだとしたら、奥さんにとっても地雷は全く別のところにあったのかも知れない。この後、中澤の家庭の事情がドラマ内で語られることはないかも知れないから、正解はわからないが。

最終審査まであと三日。



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「舞いあがれ」(052)

第11週「笑顔のフライト」(火)

放送日

  • 2022年12月13日

概要

フライト訓練の途中、急な天候の悪化により帯広ではなく釧路空港への着陸を指示された舞は、大河内教官の並走飛行によるサポートを受け、一路釧路空港へ向かう。「落ち着いてやればできる」と言う大河内教官の励ましを受け、舞は心を落ち着かせて着陸態勢に入る。そして舞の着陸は、滑走路のセンターラインにしっかりと乗る。(NHKオンデマンドの解説より)

舞は沈む感覚をようやくつかむことができたようだ。いつもより横風が強いが、それに合わせて操縦桿を操作することもできるようになった。結果、初めての飛行場だがほぼ軸線に沿って真っすぐ着陸することができた。大河内は「これまでの中で一番良かった」と褒める。舞は、この教官についていこうと決意する。

感想

釧路へ行った二人はその後どうなったのか。風が収まるのを待って帯広へ戻ってきたのだと思うが、それについては一切の描写なし。ナレーションもなし。ここは一言触れてほしかったところ。

帯広へ戻った舞を柏木が抱きしめる。ネットでは、交際を申し込んでOKをもらっていないのにこんなことをするなんて絶対してはいけないこと、という意見をいろいろ見たが、自分的には、たとえOKをもらおうが、夫婦だろうが、研修施設内で、しかも人目のあるところで、こんなことをするなと思う。「ザ・ホワイトハウス」(The West Wing)というドラマが日本で放映されたのは10年以上も前だが、こうした行為を「セクハラだ」と断ずるシーンがあった。舞へのセクハラという意味ではない。週に対するセクハラなのだ。

まあ、舞がすぐにふりほどこうとしたので、それはよかったけど。

中澤はついに離婚を決意。その話を同室の吉田にではなくわざわざ倫子の前でするところがなー……。



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「舞いあがれ」(051)

第11週「笑顔のフライト」(月)

放送日

  • 2022年12月12日

概要

熱も治まり訓練に復帰する舞に、柏木学生は、訓練飛行時間が足りていないことから舞が失格になることを危惧して担当教官を替えてもらおうと言う。だが舞は、大河内教官のことを勘違いしていたかもしれないと言い、このまま大河内教官の下で指導を受けたいと答える。他の仲間たちにもそのことを伝える舞だが、柏木学生は、山下教官に話をしたと言い、教官の交代に拘る。(NHKオンデマンドの解説より)

他の訓練生に遅れてセカンド・ソロを飛んだ舞。が、風が強くなり、帯広空港には着陸が難しくなる。管制塔にいた大河内教官は岩倉に釧路に着陸するよう指示。一度も行ったことのない釧路に、一人で着陸するのか? ギリギリ冷静さを保っているが、焦る舞。そこへ大河内からの声が届く。「岩倉学生、右を見ろ」。そこには教官の操縦する飛行機が並走しているのだった。「釧路まで、私が誘導する」。

感想

相変わらず教官を変えてもらおうとする柏木だが、「教官を誤解していたかも知れない」「私は大河内教官のままでいい」と言えた舞は、まあまあ立派。しかし、その声は柏木には届かない。柏木自身が舞と同じ立場の訓練生であり、一人前でもなんでもないのに、舞は俺が守ってやらなければ、という意識が強過ぎる。研修期間中に恋愛沙汰が起きた時のデメリットのひとつ。

いきなり別の空港へ降りろと言われてパニックになりかけたが、大河内が飛んできたのはドラマ的にとてもよかった。



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「鎌倉殿の13人」(47)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第47話「ある朝敵、ある演説」

放送日

  • 2022年12月11日

登場人物

  • 井上ミョンジュ(源頼茂、京都守護)
  • 中村龍太郎(三寅)
  • 矢柴俊博(押松丸)

今日の退場者

概要

幕府の後継者争いが発端となり乱れる京。朝廷の象徴である内裏が焼け落ちると、後鳥羽上皇は再建費用を日本中の武士から取り立てることを決める。しかし、北条義時は政子と大江広元の支持を得て、要求を先送りにすることを決断。泰時をはじめ御家人たちが後鳥羽上皇との関係悪化を心配する中、三浦義村は京で大番役を務める弟・胤義に……。(NHKオンデマンドの解説より)

三浦義村、長沼宗政をはじめ、主だった御家人後鳥羽上皇より義時追討の院宣がくだる。それを知った泰時は、こうなった以上は京と一戦交えるしかないと主張するが、義時は、あとはお前に任せて京へ行くと言い出す。上皇は鎌倉を滅ぼしたいのではなく、自分が気に入らないだけ。自分の首ひとつで鎌倉が守れるなら安いものだと。

しかしそれを知った政子は、御家人を前にして宣言する。ここで言うことを聞けば、未来永劫、京に頭が上がらなくなる。それでよいのか、と――

雑感

これまで47回を見通して、今回は神回だったと言ってよいのではないか。前半はとにかく笑った。尼将軍の補佐役になった実衣が義時に、「あんた私を殺そうとしたでしょ」と詰め寄るシーン。時房が「言いました」と告げ口するシーン。いきなり手の平を返す三浦義村。ほかにもあれこれ。これまで重苦しい話ばかりで、とても笑えるようなシーンはなかったが、今回は大いに笑わせてもらった。

そして最後の尼将軍の演説。大江広元に原稿を書かせ、それを読み上げるのかと思ったが、結局自分の言葉で語りかける。その内容も、口調も、説得力あるものだった。「舐められたら殺す。これが坂東武者の心意気だぞ」(意訳)と。



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「舞いあがれ」(050)

第10週「別れと初恋」(金)

放送日

  • 2022年12月09日

概要

連日、大河内教官による厳しい着陸の特訓を受けた舞は、疲労がたたり熱を出してしまう。一方めぐみと浩太は、両親に近づこうとしない悠人が心配だが、めぐみは応援しようと言う。しかし浩太は、悠人のことが理解できないと本音を漏らす。そんな折、帯広では寝込んでいる舞にお見舞いのアイスクリームが二つ矢野学生から届けられる。(NHKオンデマンドの解説より)

ひとつはアイスクリームではなくアイスキャンデーだが、これは柏木から。もうひとつのアイスクリームは、宮田さんから「教官より」とメモがあったが、舞は大河内教官だろうと察する。

熱の下がった舞は、大河内と顔を合わせるとアイスのお礼を言いつつ、「飛んでいて楽しくないんです。着陸がちゃんとできるようになっても嬉しくなかった。何をしていいのかわかりません……」と泣きながら訴える。大河内は、「君は間違っている。なぜパイロットになりたいと思ったのか。その時の気持ちを思い出せ」と諭す。

めぐみは浩太に悠人と会った話をし、あの子のことを応援してあげようと言う。浩太は、そりゃもちろん、でもあいつのことがわからないと戸惑った顔を見せる。

回復し復帰した舞に柏木は、教官を変えてもらうよう頼みに行くと打ち明ける。

感想

今週の舞の迷走は、制作側もわかっていて迷走させたのだと理解でき、一安心。大河内教官はとても厳しいところもあるが、指摘は適格、安心して頼れる教官である。「見返す」とか「負けない」とか言っている舞たちの言動は理解できないが、いずれにしても本来の目的から逸れていたのは事実。だからおかしなことになった。来週は本来の舞を取り戻すだろうか。

悠人の件、昨日のめぐみの態度はいただけないが、そのあとめぐみは、いろいろ思うところはあるが、まずは応援してあげよう、と考えたのだな。それはよかった。あんたらは悠人に、「頑張ったな」とか「自分の腕一本で稼ぐなんて、すごいな」とか、一度でも褒めてやったことがあるのか、と少々腹を立てていたからだ。

ただ、そう思うなら、まずは悠人にそのことを伝えてほしい。悠人は確かにヒネたところがあるが、あそこまでこじらせたのは親の側にも責任があると思う。自分なりに親を頼らず必死で頑張っているのに、文句ばかり言う親にウンザリしているのだ。

もっとも、ものづくり一筋の浩太(とめぐみ)にしてみたら、株をはじめとする投資や投機などというものは不労所得の際たるもので、理解も何も、天敵のようなものだろう。なかなか難しいところだ。だから理解しなくていい。応援しなくてもいい。ただ、認めてあげて、褒めてあげてほしい。そして失敗して傷つくことがあったら、その時はやさしく受け入れてあげてほしいものだと思う。



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「舞いあがれ」(049)

第10週「別れと初恋」(木)

放送日

  • 2022年12月08日

概要

いよいよソロフライト訓練が始まり、舞も初めての単独飛行に臨む。無事に離陸し、帯広の上空を旋回する舞は、ふと隣を見る。これまでいつもいた大河内教官の姿はなく、誰もいない。舞に緊張が走る。訓練最後の山場である着陸態勢に入る舞。管制室から大河内教官や柏木学生が見守る中、舞は着陸するが、センターラインを外してしまう。(NHKオンデマンドの解説より)

舞は大河内教官に着陸の特訓をしてほしいと依頼する。他の訓練の進捗に影響すると言われるが、重ねての強い依頼に教官が応える。そして連日の特訓の成果で、ついにセンターラインにまっすぐ着陸させることに成功。周囲から祝福される中、舞は発熱する。

悠人は商談で大阪に来る。そのついでに「うめづ」に寄るが、家には帰らないと聞いて雪乃はめぐみに教えてしまう。めぐみは悠人に、あんたのことが心配やからと言うが……

感想

昨日に引き続き舞の行動が(柏木も)おかしい。特訓のお願いをするのに「教官には負けません」と言うが、なんで教官と勝ち負けを賭けなければいけないのか? どういうわけか脚本と演出に綻びが見えるが(理由もうっすら想像がつくが)、ここを深堀しても仕方がないので、悠人の件。

うめづまで来るということは、家のことが気になる証拠。帰りたいという気持ちはある。しかし、家の敷居を跨げない理由もあるのだ。雪乃とめぐみはそのことについて、もっと考えるべきだ。悠人にとって、家は敷居が高くても、うめづには気軽に寄れる。居心地がいいのだ。その居心地のいい環境を守ってやるべきではないか。後日、悠人くん来たで、元気そうやったで、と教えてあげたらいいじゃないか。こんなことをされたら、もううめづに寄れなくなる。居心地のいい場所がなくなるとどういうことになるか、デラシネが閉店したあとの貴司がどうなったか忘れたのか(貴司の両親がデラシネのことを知っているかどうかはわからないが)。

めぐみも、せっかく店に来たなら、お母ちゃんも一緒にお好み焼き食べてもええかなあ? と言って、雑談をし、近況を聞けばよかった。いきなりお説教をはじめるから、悠人は家に帰りたくないのだ。親が心配するのは当たり前という意見もあろうが、20代で自営業を始めた男の子が家に寄りつかないのは当たり前だと思う。両親とも健康なんだから、もっと子離れした方がいい。今日、悠人はめぐみに、かなり酷いことを言った。ただ、この言葉は売り言葉に買い言葉で出たもの。悠人は初めから両親を中傷しようと思っていたわけではないはず。

悠人は、小学生の時に、親の工場が傾きかけたために、進学の夢を断念させられそうになったことがある。この時に、お金に不自由する生活は金輪際送りたくないと、心の底から考えたに違いない。そして、お金に不自由しない生活を取り敢えず手に入れつつある。もう少し長い目で見てあげてほしい。



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「舞いあがれ」(048)

第10週「別れと初恋」(水)

放送日

  • 2022年12月07日

登場人物

概要

プリソロチェックで不合格となり帯広を去る水島を、舞たちは見送る。しかし舞は仲間との別れに落胆する。そんな舞を矢野学生は、翌週から始まるソロフライト訓練に向けて予習をしようと励ます。舞たちは宮崎校からの仲間でソロフライトの予習をするのだが、そこに柏木学生の姿が見当たらない。心配した舞は、予習の後に柏木の部屋を訪ねてみる。(NHKオンデマンドの解説より)

柏木は舞に告白。「これまで人に弱みを見せてはいけないと思ってきたが、岩倉の前では素直になれる」。驚いた舞は久留美に電話。久留美には、舞も柏木が好きなことを見抜かれる。そんな久留美にも気にかけてくれる医師が……

感想

そういう話にならないでほしいと思っていたが、今日はお花畑満開の回だった。お年頃の集団だから、そういうことが起きてもおかしくはないのだろうが、タイミングがあまりに悪い。そんなことにうつつを抜かしていられる時期ではなかろうに。

昨日、水島を落としたことで舞が大河内に不信感を持つのも不思議だったが、今日は吉田らが、大河内が担当する学生はファイルが多い、希望すれば教官を変えることもできると持ちかけたのも不思議だった。見る限り、大河内教官は穏やかで、指導は具体的、とてもいい教官に見えるからだ。制作過程でいろいろ混乱があったのかも知れないが、今日のやりとりはいろいろといただけない。

とまれ、ソロ飛行が始まる。期待しよう。



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「舞いあがれ」(047)

第10週「別れと初恋」(火)

放送日

  • 2022年12月06日

概要

舞、柏木学生、水島学生は緊張したプリソロチェックを終えて、大河内教官から結果を伝えられる。柏木学生は、無事に合格する。そして着陸にてこずった舞も、なんとか合格する。舞は急な横風に煽られ着陸ミスをしたことを気にかけて大河内教官に尋ねると、大河内は着陸を取りやめ危険回避をしたことを評価したと答えるが、センターラインを外した着陸を改善するよう指導される。(NHKオンデマンドの解説より)

水島は管制塔からの指示を繰り返さず、単にラジャーと答えてしまう。指示が聞き取れなかったため繰り返せなかったのだが、案の定、指示を守れなかった。三日後に再審査となったが、結局、退学になってしまう。

感想

落ちるとしたら水島しかいないと思っていたから、水島が落ちたのは全く不思議はないが、吉田の時には、無理なんじゃない? と思ったことを覆してきたことを考えると、随分あっさりと退学が決まったものだと思った。最初のテストの時の水島の運転状況は短いながらも描かれたので、ああ例の欠点は克服できていなかったのか、これじゃあダメだと思ったが、再審査の様子は描かれなかった。柏木が付き合って管制塔とのやりとりを特訓までしたが、どの程度の成果があったのか(まるでなかったのか)は知りたいところだった。

柏木が舞に、管制塔からの指示が聞き取れなかったらどうする、と訊き、舞は、恥ずかしいけど聞き直します、と答えると、柏木は、そうだ、それでいいんだ、と言う。そして、水島は、聞き取れなかったのに聞き返さなかったと……。このやりとりで、柏木はずいぶん成長したなと思った。

大河内教官は舞(のような生徒)が好きなのではないかと思っているが、テストの講評も、横風に煽られて姿勢を崩したことではなく、ダメだと思って素直にやり直したことを評価されたのを聞いていて、やはり、と思った。やり直すこと自体は悪いことではない。過信しないこと、安全を最優先することが大事だということだろう。



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「舞いあがれ」(046)

第10週「別れと初恋」(月)

放送日

  • 2022年12月05日

登場人物

  • 山田裕(審査官)
  • 富永浩至(管理官)

概要

中澤学生に妻から離婚届が送られてくる。それを矢野学生に見せると、今は単独飛行が可能かをチェックする試験に集中すべきといわれる。一方舞は、柏木学生のことが気になってなかなか寝つけない。飛行操縦試験のために必死で眠ろうと目をつぶる舞は、なんとか眠ることができる。翌朝、朝食をとろうと食堂に行くと、舞は柏木を避けて離れた席に座ってしまう。(NHKオンデマンドの解説より)

単独飛行試験開始。まずは柏木。隣に大河内、後席には試験官と舞が座る。自信を取り戻した柏木は無事にクリア(と思われる)。次は舞。後席には今度は水島が座るのかと思ったが、柏木だった。離陸・旋回は問題ないが、着陸はうまくいかず、やり直しとなった……。

感想

週跨ぎで期待を持たせた「岩倉、俺はお前のことが……」は、twitterでは大喜利が始まったりもしていたが、「何でもない」という、想像し得る最悪の回答だった。入学試験の時、面接の直前に不用意に話しかけてきた舞への意趣返しか?

舞は、人を好きになったことはないとしても、中学高校を通じて、これまで誰にも告白されたことがないとは考えにくい。だから、柏木が「俺はお前のこと……」と言いかけて口ごもった時に、これはもしかしてアレなんやないかと勘づくべきだった。が、舞は無邪気に、「この人何を言おうとしてはるんやろ?」という目をしていた。そういうのはいらない。それと、アバンが長過ぎ(2分以上あった)。

中澤から離婚届を見せられた倫子は、「(妻とうまくいっていないからといって別の女に慰めてもらおうとする)そういうとこよ」とは言わず、用紙を隠し、「今は試験に集中すべき」と言ったのは、彼女なりの成長ということだろうか? 中澤を仲間と認めればこそか? 航空学校には既婚者もいるだろうし、既婚者にはこの問題はあり得るだろう。こういう点はリアルでいい。

舞は苦手の着陸がやはりうまくいかず、go aroundを繰り返したが、最終的にちゃんと着陸できればいいのではないか。これが採点にどう響いたか。震えていた水島はどうなる?

金子珠美演じる宮田真紀子は食堂のおばちゃんと思われる。

この表情の福原遥は好きだ。カッコいい。


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「鎌倉殿の13人」(46)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第46話「将軍になった女」

放送日

  • 2022年12月4日

登場人物

今日の退場者

  • 阿野時元

概要

新たな鎌倉殿を迎えようと朝廷に伺いを立てる北条義時大江広元たち。実衣が野心を燃やし、三浦義村が暗躍する中、京では鎌倉への不信感をさらに高めた後鳥羽上皇が藤原兼子、慈円と共に今後を見据え、鎌倉への圧力を強めていく。一方北条家では思い悩む泰時をよそに、のえが愛息・政村を……。(NHKオンデマンドの解説より)

実衣は次の鎌倉殿は源氏の血を引く我が子・阿野時元しかいないと画策するが、あっさりバレて、謀反人として阿野時元は殺され、実衣も捕まる。義時は実衣も首を刎ねるよう指示するが、さすがに周囲は反対し、保留に。

鎌倉で北条が力を持ち過ぎることを、朝廷側は快く思っていない。藤原秀康は、上皇の命があればいつでも鎌倉を攻め、潰してごらんに入れると物騒なことを言う。

のえは義時に、後継ぎは自分の子である政村であるべきだ、政村を指名してほしいと主張するが、義時は、太郎でいいだろう、太郎(泰時・八重の子)でダメなら次郎(朝時・比奈の子)がいる、と取り合わない。

実朝の養子の件の話を進めるため、時房が上京し後鳥羽上皇と会見。上皇から挑まれ蹴鞠勝負となる。時房は勝てると思うが、兼子から、上皇に勝ったら大変なことになる、勝を譲るべきと入れ知恵され、負けを認める。上皇は「本音を言う。皇子は鎌倉へ行かせたくない。代わりの者を遣わすから、それで手を打て」。これは鎌倉方も望んだ結論だった。そして選ばれたのが、摂関家の血を引くが源氏の血も引くという三寅(三歳)だった。

三寅が一人前になるまでは自分が後見をする、という義時に、政子は待ったをかける。政は私が執る。尼将軍とお呼びなさいと。そして最初の仕事として、実衣を釈放する。

雑感

ついに政子が立った。義時は、最初からこれを望んでいたのではないか。

時房がアホの子のような描かれ方をしている時がたびたびあるが、よく見ると非常にやり手である。泰時は父に正論を言ってぶつかり、結果、義時の意見を変えられない。時房は義時の思いを代弁する態度を取りつつ、うまく修正させることがある。後鳥羽上皇との交渉では、絶対に頭を下げないと言い張る義時に、「意地の張り合いはここまでにしましょう」と言い、自身は頭を下げて成果を挙げた。実衣の処分についても、斬首という義時の主張を棄てさせたのは、時房の力と見る。彼を高く評価する人が周囲にいないが、視聴者はわかっているはずだ。

のえは自分の子を後継ぎにしようと画策を始める。義時は、反発をしていても、泰時を後継者に考えていたことがわかる。

実朝という鎌倉殿がいるのに、自身が鎌倉殿に返り咲こうとした頼家は、鎌倉殿に対する謀反だと言われても仕方がないが、鎌倉殿が空位になっている時点で阿野時元が名乗りを上げたのは、誰に対する謀反になるのだろうか? 正規のルートを通さず、勝手に朝廷から勅を得ようとしたのはよくないが、単に立候補したというだけのことでは。義時にしてみれば、自分に逆らう者はすべて謀反だという考えかも知れないが、処罰するには大義名分がいる。これで死罪は通らないと思うが……
(2022-12-11 記)


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「舞いあがれ」(045)

第09週「私らはチームや」(金)

放送日

  • 2022年12月02日

概要

柏木学生と水島学生がつかみ合いのけんかをした翌日、悪天候のため飛行訓練は中止になる。舞は大河内教官に、なぜ柏木学生が操縦訓練で迷子になるのか尋ねる。大河内教官はその問いに厳しい見解を示す。一方柏木学生は独りで地図に多くの書き込みをしながら翌日のフライトの予習をする。そういう柏木学生を矢野学生はプレッシャーを感じているんだろうと、おもんばかる。(NHKオンデマンドの解説より)

柏木は、仲間の協力を得て独自のポジショニングの練習を重ね、少しずつ調子を取り戻していく。そして、舞が苦手とする着陸について逆にアドバイスする。ついに、最初の検定試験の日がやってくる。その前夜、柏木は舞に言う。「岩倉、俺はお前のことが……」

感想

大河内教官が舞に言ったのは三点:①本人が聞きに来なければ意味がない。②自分の何が問題だったのか、向き合うことを恐れているうちは、何も解決しない。③すべてを一人で抱え込むことが正しいと考えているとすれば、彼は、パイロットの本質を理解していない。

柏木は、舞の説得で仲間の協力を受け入れる気にはなった。上記の③に関しては改善が見られた。が、①②に関しては進展せず。教官は、試験の前に訊きに来てほしいと思っていただろうが……

今週は柏木の成長回。成長というほどの変化はまだないが、変化はあった。主役以外の人のこうした変化に関心を持つようになったという点で、新たなフェーズにはいったと実感(NANIWAバードマンの頃は、舞以外のメンバーは誰も変わらなかった)。ただし、舞以外のメンバーは、それぞれが試験の合格を目指して必死のはずなのに、なぜ柏木に協力する気になったのかは不明。そのあたりももう少し踏み込んで描けたらよかった。

ラスト、柏木が舞を黙って見つめてしばしの間が流れる。まさか大事な試験の前夜に告白はないだろうが、まるでそうであるかのような雰囲気は不要だ。僕は恋愛要素は大好きだが、必要のないところまでぶっこまなくてよい。目標に向かって努力する中で互いの尊敬と信頼が生れる、そしてそれが切っても切れない絆となる。それでいいじゃないか。



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