窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

離脱します

19回、今に面白くなるのではないか、今に面白くなるのではないかと思い頑張って見続けて来たが、さっぱり面白くないのみならず、今後とも面白くなりそうな気配が塵ほども感じられないので、見るのをやめることにした。

暢子は明るく前向きでいいキャラだと思うし、黒島結菜川口春奈、上白石萌香、山田裕貴片桐はいりら好きな俳優が何人も登場する。前田公輝は初めて知ったがいい役者だと思う。だから見たいと思ったし、ここまで我慢して見ていたのだが。

沖縄という地には興味があるが、どういう土地柄であるか、どういう歴史があるのか、漫画やドラマで描かれたことを断片的に知っているだけで、よくわかっていない。日本復帰以前についてはなおさらだ。そこがどう描かれるかにも大きな興味があったが、これまでのところ、ドラマが沖縄の地である必然性が感じられない。確かに沖縄料理はいろいろ紹介されたし、お金はドルを使っているし、賢秀はドルの両替詐欺に遭うのだが、ドラマそのものはどこの田舎を舞台にしても成立しそうである。なんのための50周年企画であるか。

沖縄のきれいな自然がたびたび映し出されるのは見ていて気持ちよかった。ただ、島袋しかり、眞境名商事の社長の息子しかり、南山原高校の料理部の面々しかり、我那覇良昭や東江里美もそうだけど、地元の厭な人間が次から次へと出てくるのはなぜなのか。沖縄はあんな人ばかりだと思い込むほど単純ではないけれど、我那覇良昭と東江里美を別にして、島袋らは、なぜあんなに執拗に嫌がらせをするのか理由がわからないから気持ちが悪い。

比嘉家の「貧乏」がひとつの大きな要素になっているはずなのだが、そして夫と若くして死別し、四人の子どもがいるとあっては、貧乏でないはずがないのだが、制作者が貧乏とはどういうことであるかまるで分っていない(としか思えない)描写の連続にも呆れるほかはない。全員が高校へ通えたことも謎だし、賢秀はしょっちゅう飲んだくれているが、あの酒代をどこから調達しているかも大いなる謎である。

ニュースサイトなどでこれに関する記事が出ると、前作でもジョーが働いていないのに回転焼きの売上だけで一か四人が生活できるのかという批判があった、などと比較されるが、全く違う。ジョーは収入こそ得ていなかったが、子育てには積極的に関わっていた(だから結果的にるいが仕事に専念できた)。またその穏やかな人柄は近所でも評判で、商店街での信頼も厚かった(これは店の評判に直結する)。そして、酒を飲まず、浮気もせず、喧嘩もしなかった。浮気や喧嘩はともかく、酒を飲まないのは大きい。酒は金がかかるのだ。

ドラマとしては、話がつながっておらず、ぶつ切りになっている点が致命的だ。借金の問題もそうだし、比嘉賢吉・和恵夫妻が突然出て来なくなったのもそうだが、暢子は幼い頃から食べることが好きで、世界中のおいしいものを食べたいという野望は持っていたが、料理そのものに興味のある描写はなかった。家族で家事を分担する際に、暢子が一番適しているという理由で料理担当になっただけで、特に料理が好きというわけでもなさそうだった。それが今週、一転して、料理の才能があり、料理が好きでたまらない風になっている。「?」である。

幼い頃から「女のくせに」と言われたり「女らしくない」と言われたりしても、気にしている風ではなかった。だから、眞境名商事の専務から「女くせに意固地だね」と言われて突然堪忍袋の緒が切れることに必然性がない。ほかにも「え、そういう話だったっけ、そうじゃなくね?」ということを挙げたらきりがない。

前作だって矛盾はいろいろあった。完璧な整合性よりも、それをしのぐ圧倒的な魅力があればいいのだ。が、これまでのところ、印象の残ったのは、歌子の「アベベはお正月に食べるの?」、智の「おれにとっては歌子が一等賞」、和彦の「賢秀、ガチョーンの使い方間違ってる」ぐらい。いいところもあったんだけどなあ。それにしても歌子役の布施愛織はいい役者だった。またどこかで会いたいものだ。



映画ランキング

「ちむどんどん」(19)

第04週「青春ナポリタン」(木)

放送日

  • 2022年5月05日

登場人物

概要

暢子たち料理部の参加する大会が始まる。暢子のアイディアの沖縄そばで、ライバル校の料理部としのぎを削る。ところが、大会の途中、思わぬハプニングに見舞われて、暢子たちは大ピンチに陥る……。姉・良子は、思いを寄せる友人・石川の結婚話に動揺。そしてそのころ、暢子の知らないところで兄・賢秀が一獲千金を夢見た投資話に、母・優子を巻き込んでしまっていた。(NHKオンデマンドの解説より)

雑感

暢子は、ライバルの料理を食べて素直に「おいしい」と言い、さらに「こうしたらもっとおいしくなるかも」とアドバイスする。スープの入った寸胴を倒し、致命的な事故を起こしてしまった後輩を怒らず、打開策を考える。基本的にいい人なのである。ただ土台となる演出がなァ。

北部産業まつりが始まった。料理は、当初は南山原高校が独走したが、山原高校のそばが当たりを取り、猛追を始めると、父兄の有力者が圧力をかけ、山原と南山原の場所を交換するように言いつける。従う教師も教師だが、罪悪感を感じず当然のように従う南山原の生徒も生徒である。

ただ、場所を替えた途端に山原高の客足が途絶えたから、場所のハンディキャップは実際にあったわけだ。それなら確かに、くじで決めたからそれでよし、というわけにはいかない。もっと公平にするよう手を打つべきであり、時間帯によって場所を入れ替えるというのもそのひとつではあろう。

しかし、画面を見る限り、真ん中の休憩所を囲むように店が並んでいて、大きな有利不利があるようには見えない。

順位は参加者の投票で決まる。それなら、知り合いを大勢連れてきて、その人たちにみな自分とこの学校に投票させれば済む。生徒にも、他の父兄にも不正はバレにくい。これは組織票といって昔から現在に到るまで使い古された古典的な手である。なんでこんな簡単で効果的な手を使わず、明らかの不正のごり押しをしたのか?

この方法は早苗らも熟知していて、だからこそ、呼び込みも頑張ると事前に言っていたはずだが、誰一人呼び込みをしている様子がないのが不思議。それに気づいた賢秀が絶妙の呼び込みで注目を集めたのは立派だが、飲食広場に集まっている人の前で呼び掛けたって仕方がないではないか。もっと外の、別のイベントに集う人に声をかけて、飲食広場に連れて来ねばダメではないか。

もっとも、現在の我々は、広告宣伝がいかに重要か、小さな子どもでも熟知しており、その手法にも慣れ親しんでいるが、1971年当時の若者が、頭ではわかっていても実際に何をどうしたらいいかさっぱりわからなかったとしても、不思議はないのかも知れない。

石川は、「北部産業まつり」のようなイベントは大好きだと言っており、良子は一緒に出掛けることを夢見ていたが、叶わなかった。その話をしたのは二日前で、待ち合わせの場所や時間の約束をする前に里美に拉致されてしまったが、次の日がある。電話のない時代だから困難なのは事実だろうが、石川クンが里美と付き合う気がないのなら、その一日でなんとかしてほしかった。

優子は賢秀に言われるまま、比嘉家のわずかばかりの貯えを全部吐きだしだだけでなく、親戚にまでお金を借りたらしい。なんでそんなバカなことをするかねえ。借金が怖いことは骨身にしみたのではなかったか。良子に「にいにいの言うことを信用したの?」と詰め寄られて、「信用してるさ、賢秀の言うことも、あなたたちの言うことも」と答える優子だったが、確かに賢秀は嘘をついていない。人間を信じるのと、その人間の知識を信用するのとは全く別だ。

前回の借金は土地を買うため。理由は明確だし、借金はできたが土地という資産もできた。返せるあてもあった(賢三の急死で計画が狂っただけ)。今回は理由が不明確。返済の当てもない。その親戚もよく優子に金を貸したものだ。



映画ランキング

「ちむどんどん」(18)

第04週「青春ナポリタン」(水)

放送日

  • 2022年5月04日

登場人物

  • 池間夏海(屋良ひとみ(黄色のエプロン)、南山原高校の料理部部長)
  • 水嶋凛(青のエプロン、南山原高校の料理部)
  • 工藤美桜(ピンクのエプロン、南山原高校の料理部)

概要

暢子は、妹の歌子の歌の才能を見込んで乗り込んできた音楽教師・下地と対決。母・優子とともに必死に歌子を隠そうとする。兄の賢秀は一獲千金の話をもちかけられ、のめりこんでいく。暢子は料理部の助っ人として大会に出ることになり、仲間たちと試作に没頭していた。ある日、優勝候補であるライバル校の料理部が突然、暢子たちのもとを訪れる。(NHKオンデマンドの解説より)

雑感

眞境名商事の社長の息子が退場したら、今度は南山原高校の料理部部長か。制作陣は、毎回毎回いじめっこを登場させないと死んじゃう病にかかっているのか? そしてどうしてみんな、継ぎ当てをバカにするという画一的なことをするのか? この時代、継ぎが当たっているというのは、そんなに珍しいことでも、恥ずかしいことでもないと思うのだが。

料理大会では毎年南山原高校が優勝しているそうだが、毎年優勝するということは、それなりの理由があるはず。早苗が暢子に助っ人を依頼したのは、自分たちの料理の工夫が足りなかった(腕が悪かった)から、という分析だと思ったのだが、今日明かされたところでは、父兄からの寄付で、高価な材料を使っているからだとのこと。あと出しじゃんけんだなあ……。

山岡士郎くらいの腕があれば、赤身のすじ肉を霜降り肉よりおいしく調理することができるかも知れないが、暢子は家の料理をずっと担当していただけ。誰かに習ったわけでもなく、コンテストに勝てる料理が作れるとは思えないけど。

それと早苗、バカにされて悔しかったのはわかるが、「今年は優勝を狙っている」とか「暢子という助っ人が」とか、手の内を晒して呷るのはなんで? 試験前、自分なりに勉強を頑張って、今回は○位以内を狙う、と思っていても、普通、「どう?」と訊かれたら「全然だめー」と答えるよね。

良子は石川と名護のハンバーガーショップで勉強会という名目のデート。智が働いているのを知ってわざわざそこで会うのはともかく、以前、里美を含む四人で来た店。名護にはレストランや喫茶店なんてたくさんあるだろうに、なんでそういう店を選ぶかねえ。案の定、里美に見つかる。里美は良子に、自分は石川と将来を誓い合った間柄だと匂わせる態度に出るが、これは里美の作り話と見た。自分が見下している良子に、石川が惹かれているのが気に入らないのだ。

賢秀は詐欺師に騙されかける。自分の虎の子の小遣いを預けてパーにするなら自業自得だが、家の金を持ち出したりしたら、厭だな……。



映画ランキング

「ちむどんどん」(17)

放送日

  • 2022年5月03日

登場人物

  • 田久保宗稔(我那覇良昭)

概要

暢子は就職活動で気塞ぎな日々から心機一転、料理部の助っ人として、大会に参加することになった。姉の良子は村の製糖工場の息子・金吾から相変わらず熱烈な求愛を受けて困り、兄の賢秀は実業家を名乗る男から声をかけられる。そして妹の歌子は、音楽教師・下地に付きまとわれたあげく、ある日、とうとう下地が比嘉家に乗り込んでくる。(NHKオンデマンドの解説より)

北部産業まつりは(ポスターによると)、昭和46年9月26日開催、「産品展示即売会」「やんばるのど自慢」「ヤング大会」の三つのイベントがあり、「やんばるのど自慢」「ヤング大会」は山原高校が会場になる。

今日の智

「今回の件、うまくいったら、暢子のおかげだから」
……それを歌子に言うなよぉ。

雑感

「ここまま就職させていいのか」……優子さん、いいに決まっているでしょう。そんなことを言っているから賢秀みたいなのができてしまうんじゃないか。

喜納金吾、いくらなんでも少しうざい。明らかに迷惑なのに、他の先生方が何も言わないことにももやもやする。莫大な寄付をしてくれた(人の息子だ)から、何も言えないんだろうけど……

家に突然訪ねてくる下地響子も下地響子だけど、「歌子は?」と言われたら「外出しています」と言えばいいのに、なぜ口ごもる。高校三年にもなって、居留守ひとつ使えないのか。



映画ランキング

「元彼の遺言状」第4話

タイトル

「元彼の遺言状」第4話「超人気作家の激白! しかし、新たに実行犯を名乗る人物が現われ……」

放送日

  • 2022年5月2日

登場人物

  • 勝村政信(橘五郎、警視庁捜査一課刑事)
  • 古屋呂敏(松田大樹、警視庁捜査一課刑事)
  • ト字たかお(神田、麗子の事務所の階下にある古本屋の店主)
  • 宮田早苗(秦野廉、ミステリー作家)
  • 中島亜梨沙(清宮加奈子、家政婦)
  • 白鳥玉季(清宮希、加奈子の娘)

概要

剣持麗子は、さまざまな企業の顧問弁護士について調べていた。狙いは老舗企業と長期に渡って契約している高齢の弁護士。若くて優秀な自分が営業をかければ、引退間近な彼らに代わって顧問弁護士契約が結べるに違いない、という算段だった。

一方、篠田敬太郎には、そんな麗子の相手をしていられないほど楽しみなイベントがあった。敬愛する女性ミステリー作家・秦野廉が、大ヒット作『胡桃沢啓二シリーズ』の最新作を13年ぶりに発表することになり、その記者発表会見の模様がオンラインで生配信されるのだ。

ほどなく会場に秦野が姿を見せ、会見がスタートした。そこで秦野は、いきなり「私は、人を殺しました」と告白する。会場は一時騒然とするが、それは新作のプロモーションだと理解する篠田。これまでも秦野は、読者に対して謎解きの挑戦状を出しており、今回もそう違いないと思ったのだ。しかし、秦野が明かした殺人現場の住所に警察が駆けつけると、そこには本当に男性の死体があって……。(公式サイトより)

被害者は秦野が継続的に依頼していた家政婦の夫だった。自殺に見せかけて殺されていたが、ほどなく妻の清宮加奈子が自首する。加奈子による夫殺害の手口が、秦野が発表予定の新作に描かれた手口に酷似していたことから、殺人教唆に問われる可能性があり、それによって出版差し止めになることを恐れた出版社に対し、麗子は、顧問契約をしてくれればそうならないよう取り計らうと持ち掛ける。

やがて、加奈子は秦野の新作を読んでいないことが判明。これで殺人教唆に問われることはないと、出版社は出版の準備を進めるが……

雑感

なかなか面白かった。麗子の高飛車な物言いが鼻につくが、そこはギャグだと思ってスルーするしかない。

加奈子が誰かをかばっているのはすぐわかった。では誰をかばっているのかと言えば、想像できる人は一人しかいない。途中で、その人が犯人であることが明らかになり、やっぱりそうかー、案外単純な話だったなー、と思っていたら、さらにどんでん返しがあった。これは意表を衝かれた。「よくこそ騙してくれました」である。

パターン化しかけた津々井弁護士との争いも、今回は麗子に軍配があがった。が、意外な人物に足元を掬われ、今回も儲け話がパーになるのは変わらない。

ただ、秦野が殺人をバラしたのが意外。本事件は、自殺ということで処理すべきだったのではないか。まあ、激しいDVが継続的にあったことは近所の人や勤め先の人などが皆知っていたから、殺人が疑われたかも知れないが。

中島亜梨沙、年取ったな~。最初はどの役をやっているのかわからなかった。まあ、やつれた役だったから、なおさらそう感じたのかも知れないけど。
(2022-05-08 記)



映画ランキング

「ちむどんどん」(16)

第04週「青春ナポリタン」(月)

放送日

  • 2022年5月02日

登場人物

概要

暢子は決まりかけていた就職を断り、気ふさぎな日々を過ごしていた。だが、料理の腕を見込まれて、料理部に助っ人を頼まれることに。長男・賢秀は、家族のために一攫(かく)千金を夢みていてチャンスを探していた。長女・良子は友人・石川への想いがなかなかうまくいかず、三女の歌子は音楽教師・下地から逃げ回る毎日だった。(NHKオンデマンドの解説より)

智はフライドポテトをメニューにすることを提案。ハンバーガーショップ(というわけでもないのだろうが)の経営者がポテトを知らないのは驚き。

北部産業まつりで料理部が出店をする。暢子は早苗にその助っ人を頼まれ、引き受けることに。

今日の賢秀と智

「これからはバーンと契約を結んで、ドカーンと儲ける時代」
「契約って、なんの」
「だからよ、子豚を安くたくさん買って、大きく育てて高く売りつけるとか」
「結構地道だな」

雑感

暢子が正男に「何をしたらいいかわからない」と悩みを打ち明けると、「まず身体を動かせ。働いてみなければ、わからないだろ」と言われるが、自分もこの意見には賛成である。さっさと働け。

前から気になっていたのだが、比嘉家には玄関というものがないのだろうか? みんな廊下から庭? に出入りしている。

優子は良子に単に「あなた宛ての手紙」といって渡せばいいのに、なぜ差出人(石川)を読み上げる? わざと?

売店の店先で座って話す暢子と早苗のうしろで「翼をください」の音楽が流れていた。ラジオではなさそうだったが、有線? 歌子もここで歌を覚えたわけか。



映画ランキング

「鎌倉殿の13人」(17)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第17話「助命と宿命」

放送日

  • 2022年5月1日

登場人物

  • 前原滉(一条忠頼、武田信義の嫡男)
  • 長尾卓磨(藤内光澄、源義高を捕らえた)
  • 落井実結子(大姫)
  • 石橋静河静御前

概要

源義経の軍略がさえわたり連勝に沸く鎌倉方。しかし、木曾義仲討伐により鎌倉に再び暗雲が立ち込める。義仲の嫡男・義高を危険視する源頼朝は、戦勝報告のため範頼とともに鎌倉へ戻っていた義時に義高の処断を命令。大姫を思う政子は憤り、義高を救うため奔走する。一方、頼朝に試された義時は八重ら家族を思い……。(NHKオンデマンドの解説より)

義経法皇から検非違使の官位を賜る。法皇の計らいで見学した白拍子の踊り子の中に静御前がいて……

頼朝は義高の処刑を義時に命じるが、逃がすことを決意。三浦義村や政子、実衣、八重らの協力を得て脱出させるが、北条時政や三浦義澄らは、鎌倉殿に逆らったら生きていけないと、命令に従うよう叱る。結局、三浦の用意した寺から逃げ出した義高を見つけた藤内光澄に斬られる。

頼朝は一条忠頼を、義高に謀反をそそのかしたかどで処刑。さらに手柄を立てたはずの藤内光澄も、義高を殺したことを政子が許さなかったという理由で処刑。鎌倉には殺伐とした空気が流れる。

雑感

今年の大河は(も)面白い。第一話、第二話のころはちょっとどうかというような描写もあったが、回を追うごとに面白さが増してくる。

前々回の上総広常、前回の木曽義仲に続き、今回は木曽義高が退場。その道連れで一条忠頼、藤内光澄らも処刑される。実に殺伐としていてよい。

一条忠頼の処刑は、頼朝を出し抜こうとした武田信義への牽制だが、藤内光澄を処刑した理由がわからない。これは政子への牽制と思われるが、頼朝の指示に従った手柄第一の人物の処刑を、御家人たちにどう説明したのだろうか。ただしこれは史実のようだ。

「義高殿が死んだら私も死にます」と叫んだ落井実結子(8歳)の演技が見事。大姫の出番はこれで終わりかと思ったが、南沙良(19歳)に引き継いで、この後もずっと出るようだ。
(2022-05-06 記)



映画ランキング

「ちむどんどん」(15)

第03週「悩めるサーターアンダギー」(金)

放送日

  • 2022年4月28日

登場人物

  • 岩谷健司(眞境名商事社長)
  • 稲荷卓央(眞境名商事専務)

概要

暢子は自分の就職先と、兄・賢秀の間で起こったトラブルから悩み、徐々に就職先に理不尽を感じていた。思い悩んだ暢子は、とうとう、母・優子と相手先を訪れることに……。そしてトラブルの張本人、賢秀も、実は責任を感じていて……。その頃、妹・歌子は、唄を聞かれたことから、音楽の教師・下地に付きまとわれる羽目に。(NHKオンデマンドの解説より)

暢子は陸上部のキャプテンにまたしても勝負を挑まれるが、初めて負けた。そりゃセーラー服で走って勝てるわけないよ……せめて着替えようよ……

暢子は社長の息子に暴力を振るおうとしたことを問題視され、優子とともに眞境名商事に謝罪に行く。が、理由については口を閉ざす。専務から「女のくせに強情だね」と言われてブチ切れ、入社を辞退する。

賢秀が帰宅。稼いできた金を仏前に供え、手を合わせているところへ良子、歌子が帰宅。智が来訪。暢子の就職がダメになったことと駆けっこで負けたことを知った賢秀らは、暢子を励ます会を催す。

今日の暢子

「うちはこの村も、沖縄も、自分が女だということも、全部大嫌い」

今日のナレーション

「沖縄が本土復帰という大きな時代の変わり目を迎えた頃、山原のちいさな村の兄弟は、それぞれに傷つきながらも、大人への階段を昇っていました」

雑感

暢子

どう総括していいかわからないが、暢子は「女のくせに」と言われたことが許せなかったと言う。三週間見て来たけど、え、そこなの!? と目が点になった。他の人はみんな自分の道を見つけているのに、自分は自分が何をやりたいのかさえわからない、そのことに不安と焦りを感じている、とも言う。え、そこ!? とますます目が点に。

貧乏であることが家族を苦しめていたのではないのか。そんために新しい靴も服もなかなか買ってもらえず、島袋や社長の息子にいじめられたりしたのではないか。母親は毎日朝早くから夜遅くまで働きづめで苦労しているのではないか。普通、そういう家の子が考えるのは、一刻も早く稼げるようになることだけである。料理や畑仕事は手伝えても、この時代の山原に高校生のできるアルバイトなどそうそうないだろうから、高校を卒業したら、どこでもいいから就職、しかないはずなのだが。なんだかんだで暢子は賢秀に思考回路が似ているから、いろいろと心配である。

それにしても、ケガしたわけでもないのに、女の子になぐられそうになっただけで言いつける男も男だが、それを聞いて叱りもあきれもせず、暢子らを呼び出す社長も社長である。まあ、賢秀の妹でなかったら、不問にしたかも知れないが。

賢秀

恐らく賢秀にしては割とまとまった額の収入を得、それを真っ先に仏前に供えるのはいい心がけだが、働いたと言わずに博打で儲けた、とごまかす理由がわからない。智は知っていたのに、そのごまかしを肯定したのも謎。ところで、暢子が落ち込んで帰ってくるだろうから励ます会をやろう、というのはいい考えだが、売店で食い物を買ってこよう、金ならある、といって今仏前に供えた金に手を付けてしまう。賢秀、そういうとこなわけさ。それはパーッとやるためのお金ではないわけさ。

良子

高校一年生の歌子と一緒に帰宅するが、小学校の先生ってそんなに帰宅が早いものなの?

歌子

一人の音楽室で「翼をください」を歌う。第14回では家事をしながら、鼻歌みたいな歌い方だったが、ここではちゃんと歌った。うまい。うまいというか声がきれいだ。上白石萌香も萌音と同じく、歌手としても通用するんじゃね? と思ったら、既に歌手だった。映画「ナタラージュ」の主題歌を歌っている。

下地響子は、すごい、上手ね、素敵だわと声をかけてあげればいいのに、「逃がさないわよ」などと怖い顔で言って追いかけてくるのだろう?

ナレーション

ナレーションで言ってくれないと、今沖縄が「本土復帰という大きな時代の変わり目を迎え」ていることを忘れてしまうよ。なぜドラマの中にそういうことを織り込まないのだろう。復帰前の沖縄はどういう雰囲気だったのか、にもとても興味があったが、何もわからない。嫌味っぽく言うならば、沖縄である必然性が全然ない。

優子

「お母ちゃんも若い頃はキレやすかった」と語る。これってヤンクミ時代の話をしてる?(「ごくせん」出演時は23歳)



映画ランキング

「ちむどんどん」(14)

第03週「悩めるサーターアンダギー」(木)

放送日

  • 2022年4月28日

概要

暢子は兄・賢秀の喧嘩騒動のあおりで、自らの就職についてもやもやした思いを抱えていた。気晴らしに訪れたハンバーガー店では、意外な相手と出くわしてしまう。姉の良子は大学時代の仲間とつきあうために、母・優子にも黙って新しい服を買ってしまい、フォークダンスの集まりに参加することに。妹・歌子は音楽の授業でとある教師に目をつけられて……。(NHKオンデマンドの解説より)

良子は家族に内緒で服を買い、フォークダンスに出かけるが、深夜帰宅し、内職仕事をしている母を見て、すべてを話してしまう。優子は「あなたが楽しかったら、それが一番いい」と慰める。

暢子は早苗に誘われて名護のハンバーガーショップへ行くと、そこで眞境名英樹と会ってしまい、継ぎ宛ての服をバカにされ、お前なんてどうせ玉の輿目当てなんだろうとうそぶく。腹を立てた暢子がつかみかかるが、店で働く智に阻止され、未遂。その夜、優子のところへ電話がかかってくる……

今日の下地響子

「モアファッション! モアパッション!」

今日の暢子

「うちらしくって何? 食いしん坊? 走りが速いこと? そんなの大人になったら何も通用しないさ」

雑感

暢子

再びもやもやする回。眞境名英樹は「お前の代わりなんかいくらでもいる」と言うが、ハンバーガー屋に入り、大勢の客のいる前で、大きな声で何もしていない女の子に絡み、さげすむようなことをして歩いていれば、眞境名商事の評判は落ちる一方。「代わり」を見つけるのも難しくなるだろう。父親自身の人間性はわからないが、日本に返還されれば、本土からウーマンリブがやってくる、ということを認識している経営者なら、このような事態を放置しておいてよいかどうかの判断ぐらい、つきそうなものだが……

それにしても、すぐ親に言いつけるのね、このおぼっちゃまは。恥ずかしくないのかね?

良子

時系列が歪んでいるように思えて仕方ないのだが。智が比嘉の家に来る、それと入れ違いに良子が家を出る、智は名護のハンバーガー屋で働くことになったと暢子に報告。良子は名護に行き、着替えて、里美とともにハンバーガー屋を訪れ、石川と合流。その店で智が働いていた。

その日にシフトに入るのであれば、暢子が「歌子を見ていて」と頼んで引き受けている場合ではないだろう。さっさと帰宅して着替え、名護に行かなければ。もし歌子が「帰っていいよ」と言わなければどうなっていたのだろうか?

良子の言った店は、酒(ビール)は出すし、フォークダンスの会も催す。暢子が行ったのはマクドナルド的なファーストフード店。これを同じ店とするのは無理はないか。そこに智がいることが脚本的には大事なんだろうけど。マクドナルドの1号店が日本にできたのは1971年の7月だが、沖縄はアメリカ傘下だから、もっと早くこの手の店はあったのでは、と思うがいかに?

ところで、良子は給料を丸ごと渡していたようだ。ちょっと見直した。が、仕事にも生活にも経費がかかるのだから、自分の分は取り除いた方がいい。そうすれば、服を買うことにここまで罪悪感を持たずに済んだ。

歌子

下地響子になぜか目を付けられたようだ。それに仲村英子が嫉妬する。

音楽の授業で「あの素晴らしい愛をもう一度」を斉唱。1971年のヒット曲だが、もう沖縄まで伝わっていた? 下地響子はずいぶん先進的な教師だ。下地のしゃべり方がのだめみたい。片桐はいりものだめに出演していたが。

その他

  • 「ちむどんどんする」というセリフを、一回の放送で二回以上言わないといけない、という規則でもあるのだろうか? うざい。



映画ランキング

「ちむどんどん」(13)

第03週「悩めるサーターアンダギー」(水)

放送日

  • 2022年4月27日

登場人物

概要

暢子は、兄・賢秀が喧嘩した相手先が、自分の就職希望先だったことから、悩みを抱えることに。謝罪を求める会社側と、非は無いと思っている兄との板挟み。だが母・優子を助けるためには仕事をしたい…。姉・良子は、大学時代の知人の石川への想いを抱えていた。そして歌が好きな妹・歌子は、家の経済事情から切ない気持ちを秘めていて……。(NHKオンデマンドの解説より)

私は悪くもないのに謝ったのだ、にいにいも謝って、と暢子に詰め寄られた賢秀は、畑で働く母の姿を見て思うものがあったらしく、自分も泊まり込みの工事現場で働くことにした。それを見かけた智の言によれば、親方の指示に「はい」「はい」と素直に元気よく従ったいたようだ。

良子は給料をもらった日に同僚から買い物に誘われ、自分のつぎだらけの服を見、悩む。

歌子が熱を出す。良子が医師を呼びに行き、暢子が温かい料理を用意し、良子は勉強会があると言って出かけ、そこへ智が豆腐を持ってやってくる。暢子は智に、畑仕事をしたいから歌子を見ていてくれと言い置いて出かける。歌子は智に、「暢ねえねえのことが好きなんでしょ」と智に詰め寄る。

今日の暢子

「しょうがないなあ暢子の頼みなら」

雑感

今日はまあまあ面白かった。

賢秀が働き出したのはとにかくよかった。前回は二時間で喧嘩して辞めている。今度も続かない、という説もあるが、親方に対する態度もこれまでの思いあがった賢秀とは一線を画しており、さすがに心を入れ替えたのではないか。力はあるのだから、力仕事なら人一倍働けて収入になる。ぜひ続けてほしい。

対して良子の態度が不穏である。これまでも「給料を入れているのだから」と家事免除は当然といった態度を見せることがあったが、今回も病気の歌子を置いて勉強会に出かけて行った。勉強会というが、本当にそうか、石川と会うのではないかと視聴者は感じるが、まだわからない。

智が来たことを察知した歌子が、熱があるのに起き上がって髪を整える女心がいじらしい。が、暢子から「歌子を見ていてほしい」と頼まれた智が、「しょうがないなあ暢子の頼みなら」と答えたのが聞こえてしまった! 七年前、暢子が東京行きを決めた時、もっとおいしい豆腐を作るから、東京に行くな、と言ったのは、幼馴染みであり、親しい間柄だから……ではないかと思ったが、それだけではなかったのだろうか? 歌子が智を好きなのは(視聴者には)明らか。暢子が智に(頼りにはしているけど)恋心を抱いていないのも明らか。妙な三角関係はやめてほしいけど……

その他

  • さとうきび畑はどうなったのだろう。売却した?
  • 頻繁に登場し誰ともしゃべらず本を読んでいる人物は、まもるちゃんと判明。
  • 賢秀が酔って「とめてくれるなおっかさん」と叫ぶシーンがある。これは1968年の学園紛争中の東大駒場祭のキャッチコピーで、全文は「とめてくれるなおっかさん背中せなのいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」。橋本治の作。話題になったけど、沖縄にまでその話題は及んでいたのか? テレビのない山原で、どうやって流行を知るのだろう?



映画ランキング

「ちむどんどん」(12)

第03週「悩めるサーターアンダギー」(火)

放送日

  • 2022年4月26日

登場人物

  • 杏花(仲村英子、歌子の友人)
  • 片桐はいり(下地響子)
  • 渡辺大知(喜納金吾、製糖工場の御曹司)
  • 山田裕貴(石川博夫、良子の友人)
  • 松田るか(東江里美、良子の友人)

概要

本土復帰も近づく1971年。沖縄本島北部、やんばるの比嘉家では、素行がよくないことで地域で有名な長男・賢秀の起こしたいざこざから波紋が広がり、母・優子の頭を悩ますことに。折から就職活動をしている暢子に思わぬ影響が起こり、将来に暗雲が漂い始める。姉・良子、そして妹・歌子もそれぞれに家族に言えない想いを抱えていて……。(NHKオンデマンドの解説より)

暢子はビニール袋に入ったサーターアンダギーを手土産に、眞境名(まじきな)商事に一人で謝罪に行く。賢秀が正式に謝罪することを条件に、入社取り消しは撤回した様子。ただ、入社後の仕事は「お茶汲み」で、女子が出張したりすることは全くないと説明されて、仕事に抱いていた夢がしぼんでいった。

良子は名護で大学時代の友人、石川博夫、東江里美、そしてもう一人男子と会う。第11回で良子は「石川博夫」宛ての手紙を出していた。それは石川に借りた本の感想だったようで、石川は喜び、他の本も貸そうと申し出る。松田るかは、店の人に、私たちは四大だが良子だけ短大だと紹介したり、石川の目の前で、良子の服の継ぎを指摘したりする。良子は石川が好きなだけで、他の人とは必ずしも仲良くはなさそうだ。

社会の矛盾に直面し、暢子は悩み始める。

今日の暢子

「早く社会人になって働きたいと思ってたけど、いまはずっと高校生のままでいいと思えてきた」

雑感

理解できないことが次々に起きるので、頭がついていかない。

7年前の貧乏生活がどう解決したのか、全員をどうやって高校に(良子に到っては大学にまで)行かせたのか、今日も説明はなし。それどころか新たに不可解なことが次々に起きる。

暢子は、なぜ自分が謝罪しなければならないのか、と不満そうだが、頻繁に暴力事件を起こして何度も警察沙汰になっているような人間が身内にいるような人の採用を見合わせるのは、企業としては当然である。

しかし眞境名商事の社長は「うちのバカ息子が」と言っていたから、必ずしも一方的な被害者でないことはわかっていたのだろう。前田善一に電話で何と言ったのかわからないが、初めから、きちんと筋を通して謝罪すれば暢子に関してはお咎めなしというつもりだったと思われる。

とはいえ親か高校の教師が一緒についていくべきで、優子の仕事が簡単には休めず、他に親代わりの人がいない事情はさておいても、暢子を一人で行かせるのは疑問である。

暢子も暢子で、採用取り消しと言われたから、それを撤回してもらうべく謝罪に行っているのに、「私はどんな仕事をするんですか?」などと能天気に訊くのは理解できない。よく相手が怒らなかったものである。この社長と専務(?)はどことなく下品で、こんな会社に頭を下げる価値はない、ということを視聴者に訴えたいのかも知れないが、この二人の言うことはもっともであっておかしなところはない。むしろ甘えているのは暢子の方である。

暢子の悩みは、現在の学生であれば不思議はないのだが、母親が朝は畑、昼は勤め、夜は内職、時に土方仕事までして収入を得るために頑張っているのを見て育ち、家の仕事をするために部活もできなかった子のものではない。優子が工事現場で働かせてくれ、と頼み込んだ時、面白そうとか、将来性がとか、そんなことを考えたであろうか? 貧乏人の子は、一刻も早く社会人になってお金を稼ぐことを考えるものである。

ちなみに賢秀の暴力事件、賢秀自身はもちろん、暢子をはじめ、家族も、賢秀は悪くないと思っている節があるが、親切とか正義感とか倫理観とかで行動をするなら、まず突き飛ばされた女性を助け起こすべき。そしてケガがないか確認したり、荷物を持ってあげたりすればいいのであって、三人組に喧嘩なんか売る必要はないのだ。結局、女性を突き飛ばした相手を懲らしめるという名目で、自分の暴力衝動を満足させただけに過ぎない。単なる乱暴者なのだ。

なお、仮に喧嘩沙汰になってしまったとしても、決着がついたら直ちに姿を消すのが喧嘩の極意。名前を名乗り、「おれが山原の一番星さあ」などと得意になって吹聴するのはバカを通り越している。だから警察につかまるし、相手にも正体がバレ、今回のような事件につながるのだ。



映画ランキング

「元彼の遺言状」第3話

タイトル

「元彼の遺言状」第3話「最強バディが新しい事件に! 家族が消える家? 撲殺死体と灰の謎は……」

放送日

  • 2022年4月25日

登場人物

  • 画大(進藤昌夫、殺害された進藤不動産の社長)
  • 望月歩(黒丑益也、殺人容疑をかけられたホスト、源氏名武田信玄
  • おかやまはじめ(尾形、関東理科大学の研究者)
  • 佐々木春香(真美、社長に暴行し検挙されたドライバー。犬を飼っている)
  • 鬼塚俊秀(常國建設社員)

概要

麗子は、引き継いだ『暮らしの法律事務所』の雑用係として篠田を住まわせる。だが、肝心の仕事の依頼は、離婚調停の相談など、金にならない案件ばかりだった。

そんな折、麗子のもとへ“武田信玄”を名乗る男から依頼の電話が入り、殺人事件があった秋須坂町の進藤不動産へと向かう。殺されたのは進藤不動産社長の進藤昌夫。弁護士が来るまで何も話さないと言い張り、座っていたのが黒丑益也という青年だった。黒丑は、ホストクラブ『戦国』で武田信玄という源氏名で働いているらしい。

黒丑は、三ヵ月前に自宅に訪ねてきた進藤から、立ち退きを持ちかけられたという。だが一ヵ月前にもう一度やってきた進藤は、まるで人が変わったように、「ここは自分の物だから一ヵ月以内に出て行け」と言い出したらしい。黒丑は、交渉するために進藤に会いに来たら彼が死んでおり、すぐに警察に連絡した、と主張していた。

別の日、麗子のもとへ事務所の開業祝いを持って紗英が訪ねてきて……。(公式サイトより)

常國建設は秋須坂商店街をつぶして大規模なショッピングセンターを作る計画を立て、商店街の土地を買収する業務を進藤不動産にやらせていた。が、大規模な反対運動もあり、買収は思うように進まない。黒丑益也の住む家の地主は進藤だったが、立ち退けと言っても黒丑は立ち退かない。そんな渦中に商店街で火事が起き、新藤が殺害されるという事件が起きた。

土地の買収がうまく進んでいないことを見てとった剣持麗子は、一件1000万円で買収を請け負うと常國建設に持ち掛ける……

雑感

だんだん骨格がわかってきた。剣持麗子に一般的な意味での正義感や道徳観はなく、お金になることをやろうとする。今回も黒丑益也からの依頼に応じて秋須坂商店街に起きていることを察知し、最も金になるのは常國建設に付くことだと、売り込みに行く。その過程で殺人事件の謎を解いて真犯人を見つけ、黒丑益也にかかっていた嫌疑を晴らす。あまつさえ、ここら一体の水道管が腐食しており大きな問題になりかねないことに気づく。

これらの情報を元に常國建設に交渉するが、常國建設は麗子の提案を蹴り、津々井法律事務所に依頼するのだった。

殺人事件を解決するという、ドラマ的には最も大きなことを成し遂げた麗子だったが、これに対しては無報酬。つまり、頭がよく、行動力もあり、実際に数々の問題を解決していくが、常にお金はもらえないという話なのだろう。

ミステリーの方は何が謎でなぜ真相にたどりついたのかよくわからなかったが、浅野和之に油揚げをさらわれ、負け惜しみを口にする綾瀬はるかは面白かった。
(2022-04-30 記)


映画ランキング

「ちむどんどん」(11)

第03週「悩めるサーターアンダギー」(月)

放送日

  • 2022年4月25日

登場人物

  • 竜星涼(比嘉賢秀)
  • 川口春奈(比嘉良子)
  • 上白石萌香(比嘉歌子)
  • 高田夏帆(前田早苗)
  • 前田公輝(砂川智)
  • 浦島三太朗(タケヒロ、巡査)
  • 時任勇気(眞境名英樹、眞境名商事の社長の息子)

概要

時は1971年。比嘉家の母・優子は、今は村の共同売店で働いている。そして四兄妹はそれぞれに成長している。暢子はやんばるの高校生。相変わらず足が速く活発な人柄だ。そして、暢子は今、卒業後の進路、就職をどうするかを考える季節。兄・賢秀、姉・良子、妹・歌子もそれぞれに大きくなり、やんばるを舞台に兄妹の新たな物語が始まる。(NHKオンデマンドの解説より)

1971年6月17日、沖縄返還協定が結ばれ、翌年に日本に返還されることが決まる。そして9月。

暢子は高校三年生。陸上部の三年に短距離走で勝ち、アーサーアンダギーを手に入れる。料理担当を続けているため、部活には入っていない。

良子は那覇の短大に進学、この春から教師となり村の小学校で働いている。歌子は高校一年生。優子は共同売店で働いて一家を支えている。善一が妻に先立たれ、手が足りなくなったのだ。智は高校を卒業して三年、商売を広げようと頑張っている。賢秀は高校時代、ボクシングと喧嘩に明け暮れて中退。働いても長続きせず、今は家でゴロゴロしている。

ある日、岸壁で三人の若者が昼間から酔っ払い、酔った勢いで通りかかった老婆を突き飛ばす。そこを賢秀が通りがかり、三人を殴り倒してしまう。賢秀は警察に捕まるも、注意で済まされ、その日のうちに解放されるが、三人のうちの一人が眞境名商事の社長の息子だった。暢子は卒業後は眞境名商事に就職が内定していたが、取り消されてしまう

今日の歌子

「(賢三が、海の向こうで)元気にしてるかなぁ」

死んだ人間も、元気だったり元気でなかったりするのだろうか。

雑感

子役時代は終わり、一気に本役の人が登場。

7年間の出来事がナレで語られたが、驚くことばかり。賢秀が高校へ進学した? 良子が大学まで行った? 今年からは良子が給料を家に入れるようになったからぐっと楽になっただろうが、暢子も歌子も高校へ進学し、しかもかなりきれいな制服を着ている。よく見るとつぎが当たっていたりするようだが、見た目はよれよれではなく小奇麗なものに見える。先週あれほど困窮の極みだったのに、いったいどうしてそんなことができたのか。何の説明もなかったので、理解が追い付かない。きっと明日以降、謎が解明されるのだろう。

その他

  • 暢子はゆいのすけの生まれ変わり(?)の駿足を発揮するが、セーラー服で走るのはリアリティなさ過ぎる。あの服は上着もスカートも風をすごく受けるから、まともには走れないはず。なぜ陸上部男子は「勝負するなら体操着に着替えろ」と言わなかったのだろうか?
  • 早苗の登場が唐突。小学校時代も特に仲の良かった描写はなかったと思う。



映画ランキング

「鎌倉殿の13人」(16)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第16話「伝説の幕開け」

放送日

  • 2022年4月24日

概要

御家人たちをまとめ上げた源頼朝は弟・範頼を総大将、梶原景時を軍奉行とした本軍を派兵。八重に見送られた義時も従軍し、先発した義経と合流する。後白河法皇を捕らえ京に籠もる木曾義仲、福原を拠点に復権を伺う平宗盛に対し、鎌倉方は義経の天才的な軍略に導かれて奮戦。畠山重忠らが華々しく駆け……。(NHKオンデマンドの解説より)

雑感

前回の上総広常に続き、今回は木曽義仲が退場。最後まで惚れ惚れするいい武将であり、本作は、ステキな人だな~カッコいいな~と思った直後に死ぬ、というのが定番になりそうで怖い。

源義経が天才的な軍略の才を見せつける一方、人間としての幼さ、傲慢さも発揮する。また、範頼が意外に大将の才を見せる。前回、御所を襲撃した坂東武者たちを剣で制圧し、りくから「意外」と言われた範頼だが、今回も本軍を率い、先陣として待ち構えていた義経が(頼朝の命に反して)既に戦闘の火ぶたを切ったことを知ると、咄嗟に「自分が義経に命じたことにしよう」と断じるなど、清濁併せ飲んで現場を収め、モチベーションを落とさないようにした手腕は、見過ごされがちだが評価すべき点と考える。

京に攻め上って平氏を蹴散らした義仲の軍には、近隣の武士たちが馳せ参じ、大軍を成していたはずだが、なぜ頼朝軍にああもあっさりやられたのかが不明。そこを描くのが目的ではないとはいえ、もう少し説明のほしいところだ。(実は、子供の頃から、義仲が平氏に勝ったことと義経に負けたことはずっと疑問である。)

三浦義村は八重に「一人も二人も同じだろう」と言って自分の娘を預けてしまう。急にイヤな人間になったのは、いい男描写があると死のフラグが立つことを悟ったから……?
(2022-04-29 記)



映画ランキング

「ちむどんどん」(10)

第02週「別れの沖縄そば」(金)

放送日

  • 2022年4月22日

概要

東京の遠い親戚からの申し出は、「四人のこどものうち、ひとり預かってもいい」というものだった。誰を行かせるべきか。家族と離れるのは誰なのか。本当は四人の兄妹、誰も行きたくはなかった。悩む優子。さまざまな葛藤の末に、暢子が自ら「東京に行きたい!」と……。そして、やんばるを去る史彦、和彦とともに、暢子が家族と離れる日がやってきた……。(NHKオンデマンドの解説より)

そして7年の月日が流れる……

今日の暢子と和彦

「東京へ来たら俺を頼れ。俺が守ってやる」
「手を繋いで帰ろう」
「いやだよ」

雑感

いやいやいやいや

さんざん涙の別れの儀式をして盛り上げた挙句、行くのをやめましたって、それはありえんだろう。このままいったら優子の過労死・一家離散コースか、はたまた賢吉・和恵の心中か、しかないのではという中で、一人をよそへ預けるのは窮余の一策だったはず。それをせずにどうやってこの先やっていくのか。ところが東京行きを取りやめた途端にいきなり7年が経過する。暢子と歌子は高校へ行っているようだし、制服もきれいだったし。まあ賢秀と教師になるのを諦めた良子が働けば、だいぶ楽になって、下の二人は高校へ行かれるか……?

それにしても、東京のおばさんが部屋を用意したり布団を買ったりして準備していただろうことを考えると、ここへきての中止はあまりといえばあまり。「守ってやる」と告げた和彦の気持ちも宙に浮いてしまった。

もっとも、四人の中で暢子が行くのは悪手だとは思っていた。暢子がいなくなると料理をする人がいなくなるから。行くなら良子だろうと思っていたが……。良子にとっても、東京に住んでいる方が大学へ行きやすいだろう。賢秀は中学を出たら働く。まあ、優子はそういう計算はできない人なのだが。

その他

  • 暢子の最後の(?)夜に家族みんなで歌った曲が「椰子の実」。悪いとは言わないけど、それでいいのか。
  • 智も暢子のことが好きなのか? 歌子との三角関係なんかになったら厭だな……。単に寂しがっているだけ?
  • バスが右側通行(左ハンドル)だ。



映画ランキング