窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(028)

第6週「ドクダミ」(水)

放送日

  • 2023年05月10日

登場人物

概要

たどり着いた長屋の軒先で、倉木が植物標本を燃やそうとしていたところをギリギリ止めた万太郎。金を払うから標本を返してほしいと交渉しているところに、倉木の妻・えいがやってきて、倉木をとがめる。その後、福治ら長屋の住人たちの誘いで、夕食をご馳走になった万太郎と竹雄。万太郎は、長屋に空き部屋があると聞き……。(NHKオンデマンドの解説より)

えいの下の子がまた熱を出したと聞いた万太郎は、診せてくれるよう頼む。汗を拭いてやり、自分の熱さましを渡す。医師を呼ぶように言うが、ずいぶん払いを溜めているから来てくれないかも知れないと言うので、自分がすべて払うと言う。やってきた医師には竹雄が支払いをする。そうした様子を見て、長屋の住人が彼らに食事をご馳走し、夜も泊めてくれるのだった。

感想

この長屋に住むことになるんだろうな、と思ったが、果たしてそうだった。

万太郎が住人の信頼を勝ち得たのは、単に金払いが良かったからではない。それがうまく凝縮されたエピソードだった。

えいは隼人から、博打で勝った戦利品だと聞かされており、盗んだとは知らなかった。だからのこのこ質屋に売りに行ったのだ。しかも急いだのは、子が熱を出したからだった。隼人はヒネたところがあるが、えいは(他の住人も)悪人ではない。

隼人は元は武士だったらしい。町人からすれば、いい大人が昼間から働きもせずぶらぶらしていたら貧しいのは当たり前だとなろうが、当時はそういう人がゴロゴロいたのだろう。


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「らんまん」(027)

第6週「ドクダミ」(火)

放送日

  • 2023年05月09日

登場人物

概要

東京の町をさまよう万太郎と竹雄。なかなか下宿先が見つからず途方に暮れる。さらには、神社でお参りをしている隙に標本が入ったトランクを盗まれてしまう。質屋へ行くと万太郎のトランクを持った女が現われ……。トランクだけは取り戻せたものの、肝心の標本がなくなっていた。探し歩いた二人がたどり着いたのは、ドクダミだらけの長屋。そこにいたのは、トランクを盗んだ男だった。(NHKオンデマンドの解説より)

女の住むところを質屋の主人は「くさ長屋」と言った。万太郎は「草長屋」と思ったようだが、「臭長屋」だったようだ。

感想

前回、広瀬と昼食を共にした。今回、下宿を回るも次々と(荷物が多過ぎることを理由に)断わられ、万太郎が「お昼を過ぎた、お腹が空いた」と言い出したということは、当初予定した家(広瀬のおじの家)に、一泊だけはさせてもらい早朝に家を出たということだろう。

食事をする時も鞄だけは手に持つほど大事にしていたのに、お参りの時に目を離すとはうかつだが、佐川では、こうした生き馬の目を抜く様な人はいなかったのだろう。まあ、田舎から出て来たのが丸わかりな呑気な態度で荷物を曳いていたら、カモにされるのは請け合いというところか。

が、標本は素人にはゴミに見えても、鞄は新品だから、売ろうとするのでは、と骨董品屋や質屋を回ったのは慧眼だった。スリの現場の近所の質屋に持って行くなよ、とも思うが。


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「らんまん」(026)

第6週「ドクダミ」(月)

放送日

  • 2023年05月08日

登場人物

概要

東京に着いた万太郎と竹雄は、野田基善らがいる博物館へと足を運ぶ。野田から東京大学への紹介状をもらった万太郎は、名教館時代の学友・広瀬佑一郎の元へ。佑一郎に下宿先を紹介してもらっていたのだが、植物標本などの荷物が多すぎるから捨ててほしいと言われてしまい……(NHKオンデマンドの解説より)

せっかく佑一郎の父の家に書生として住み込むことが決まっていたのに、家を出て、新たな下宿を探すことにしたのだった。

今日の万太郎と竹雄

「峰屋を出た以上、おまんはもうわしの従者じゃない。相棒じゃ」

感想

住むところをどのように決めたのかは不思議に思っていた。旅館ならともかく、住む場所が決まらないまま東京に出て来ることはさすがにできないだろう。今なら現地の不動産屋に連絡を取って探してもらうこともできようが、当時そういうものはないだろう。野田基善や里中芳生は、そこまで頼めるほど親しくはないだろう。

ところが広瀬と連絡がつき、下宿先を探してもらえることになったという。広瀬ならば頼みやすいし、頼みを聞いてもくれよう。東京の事情に明るく、相談するにはもってこいだ。

しかし当然、書生部屋は狭く、自分の置ける荷物は限られている。「書生として住み込むからには、その家の流儀に従う必要がある」「もう峰屋にいた時のようにはいかん」という広瀬の言は、いちいちごもっともだ。

私だったら、頼み込んで一両日だけ置かせてもらい、野田の博物館か、これから仕事をすることになる東大の研究室に置かせてもらうよう交渉する。それがダメなら、いったん納屋に移動させて善後策を考える。いつでも見られるよう身の回りに置いておくという贅沢は、いったん封印する。

万太郎は我慢をしなかった。そして、下宿先も決まらないまま大八車に荷物を乗せ、家を出て来てしまった。ボンボンだなあ、と思う。


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「どうする家康」役者一覧〔5/7〕

役者一覧

「どうする家康」の主要登場人物について、過去の大河ドラマ麒麟がくる」「おんな城主直虎」「真田丸」「軍師官兵衛」での出演者を表にしてみた。武田勝頼山県昌景穴山信君を追加。

名前 どうする家康 麒麟がくる おんな城主直虎 真田丸 軍師官兵衛
徳川家康 松本潤 風間俊介 阿部サダヲ 内野聖陽 寺尾聰
瀬名 有村架純 - 菜々緒 - -
酒井忠次 大森南朋 - みのすけ - -
本多忠勝 山田裕貴 - 髙嶋政宏 藤岡弘、 塩野谷正幸
石川数正 松重豊 - 中村織央 伊藤正之 -
鳥居元忠 音尾琢真 - - 大堀こういち -
大久保忠世 小手伸也 - 渡辺哲 中野剛 -
平岩親吉 岡部大 - - 東武 -
榊原康政 杉野遥亮 - 尾美としのり - 中村育二
於大の方 松嶋菜々子 松本若菜 栗原小巻 - -
水野信元 寺島進 横田栄司 - - -
武田信玄 阿部寛 石橋凌 松平健 林邦史朗 -
武田勝頼 眞栄田郷敦 - 奥野瑛太 平岳大 -
山県昌景 橋本さとし - 山本龍二 - -
穴山信君 田辺誠一 - 田中要次 榎木孝明 -
織田信長 岡田准一 染谷将太 市川海老蔵 吉田鋼太郎 江口洋介
柴田勝家 吉原光夫 安藤政信 - - 近藤芳正
羽柴秀吉 ムロツヨシ 佐々木蔵之介 - 小日向文世 竹中直人
北川景子 井本彩花 - - 内田恭子
浅井長政 大貫勇輔 金井浩人 - - -
明智光秀 酒向芳 長谷川博己 光石研 岩下尚史 春風亭小朝
足利義昭 古田新太 滝藤賢一 - - 吹越満
井伊直政 板垣李光人 - 菅田将暉 - 東幹久

役者一覧(退場組)

本多正信茶屋四郎次郎は、今後まだ登場すると思われるが、今は一応こちら側にしておく。今川氏真は再登場あるか。

名前 どうする家康 麒麟がくる おんな城主直虎 真田丸 軍師官兵衛
松平広忠 飯田基祐 浅利陽介 - - -
鵜殿長照 野間口徹 佐藤誓 - - -
織田信秀 藤岡弘、 高橋克典 - - -
今川義元 野村萬斎 片岡愛之助 春風亭昇太 - -
今川氏真 溝端淳平 - 尾上松也 - -
糸(春) 志田未来 - 西原亜希 - -
本多正信 松山ケンイチ - 六角精児 近藤正臣 -
茶屋四郎次郎 中村勘九郎 - 辰巳琢郎 - -



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「どうする家康」(17)

題名

  • 「どうする家康」第17話「三方ヶ原合戦」

放送日

  • 2023年5月7日

登場人物

概要

信玄は徳川の拠点を次々に制圧。打つ手のない家康は、信長の本軍が加勢にくるまで浜松城に籠城すると決める。だが、浜松に攻め寄せてきた武田本軍は浜松城を素通りし、西へ向かおうとする。このまま武田軍を通せば、遠江の民から見限られ、信長の逆鱗に触れる。何より、瀬名ら家族のいる岡崎城が危ない。打って出るべきか、籠城を続けるか。家康は究極の選択を迫られる!(公式サイトより)

今日の武田信玄

「勝者はまず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗者はまず戦いてしかる後に勝を求む。童、戦は勝ってから始めるものじゃ」

今日の本多忠勝

「手当は無用。見ての通りかすり傷ひとつ負わなんだので」(それは血じゃ、という突っ込みに)「返り血じゃ!」

雑感

非常に面白かった。面白い大河ドラマは過去にいくらもあったから、今年が最高とは言えないが、優れていることは間違いない。戦は、実際に相まみえてちゃんちゃんバラバラをする前の段取り、何を考え、どう準備するかがいかに重要かということだ。信玄が「戦は勝ってから始めるもの」と嘯いたのも、早い段階から種をまき、準備段階で圧勝したという自信からだろう。ここに焦点を当てた大河はあまりなかったのではないか(「麒麟がくる」ではかなり見られたが)。

今年の大河は、ひょうげたタイトルや主人公なのに情けない家康、ふざけているとしか思えないCGなど、いわゆる「大河ドラマ」の重厚さからかけ離れた印象があり、脱落した人も少なくないようだ。好き嫌いは誰にでもあるから、それはそれでいい判断だと思うが、この面白さがわからないのはもったいないとは思う。

本多忠勝は生涯57度の戦に参加し、常に最前線で戦っていたが、傷ひとつ負わなかったと言われている。が、本人が返り血だと言い張っていただけ、という解釈も面白い。致命傷を負わなかっただけでもすごいことで、かすり傷すら負わなかったとするのは普通に考えてあり得ないから、納得させられた。


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「あまちゃん」(026)

第5週「おら、先輩が好きだ!」(火)

概要

シーズンが終わって潜れないアキは、北鉄の一日車掌を任され、夏の発案で「ウニ丼」を海女姿で車内販売することに。ファンが殺到し、イベントは大盛況。アキもみんなが喜ぶ姿を見て、うれしくなる。しかし、母・春子から、チヤホヤされていい気になってるんじゃないと厳しい言葉を浴びせられる。アキは、自分が何をやりたいか悩む。そんなアキを見たユイは、ある場所に誘いだす。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

アキは、この世界では「容姿はたいしたことはない」という設定なのだが、どうしても違和感が拭えない。これほど可愛い子はいないと思うのに。

それはそれとして、高校生くらいの若い女の子が海女の格好をして車内販売をしたら、それだけで人気は出るだろうな、とは思う。しかし若い子に過重労働を強いていないか、そこは気になる。


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「あまちゃん」(025)

第5週「おら、先輩が好きだ!」(月)

登場人物

  • 伊勢志摩(花巻珠子、事務員)

概要

アキは、初めて自分の手でウニを獲ることができ、海女として認められた。先輩の安部は「まめぶ」のPR活動のために町を去り、新たに花巻が娘を連れてやってくる。海女漁のシーズンが終わり、アキの心にぽっかりと穴が開いてしまう。新人海女のアキの人気で盛り上がった町おこしも下火になってしまった。大吉や菅原は、新たな策を思案して……。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

一般には週を重ねるごとに登場人物が少しずつ増えていくものだと思うが、これまでの4週間は、ほぼ初日に出て来た人だけで回していた。途中で登場し、以降、継続して出演している人となると、ヒビキ一郎くらいか? 今週は続々と新しい人が登場しそう。第一弾は安部ちゃんの代わりになる事務員。嫌味な人だが……

別れる人を駅で見送る、というのはドラマなどでしばしば見るが、現実にあり得ることなのだろうか。普通は前日なりにお別れ会を開いてたっぷり別れを惜しみ、当日はさっさと出発すればいいと思うが……

足立ユイはミスコンで優勝したのだから町をあげて応援するのはわかるが、なぜアキの動画がトップページに張られているのかが不明。ヒロシの個人的な趣味としか言いようがない。駅長や会長は呑気に構えているが、こういう特別扱いは禍根を残す。それほど可愛いと思っていなかったアキが人気を博するのなら、もっといろいろな女の子の頑張っている姿を撮影してWebにあげてはどうだろうか?


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「あまちゃん」(024)

第4週「おら、ウニが獲りてぇ」(土)

概要

ヒロシからの愛の告白のせいで、アキは一睡もできないまま「本気獲り」に臨む。今季の漁の最終日、ウニを獲れるだけ獲ってよい、海女たちの真剣勝負の日だ。天野家を代表して参加することになったアキは、夏や春子が見守る中、海の中へ。しかし、思うように動けず、もがくだけ。そこによみがえる夏や春子の言葉。果たしてアキはウニを獲り、一人前の海女になれるのか?!(NHKオンデマンドの解説より)

ついにアキはウニを獲ることができた。が、一個だけ。他の海女が何万円も稼いでいる中で、アキが得たのは500円。夏は「金の問題じゃねえ。海女にとっては一生もんだべ」と暖かく声をかける。このウニは海の神様に奉納されることになった。

感想

今まで獲れなかったのは獲れなかった理由があるのだろうが、基本的に長く潜っていられればいられるほど、獲れる可能性が増す。となると、心肺機能を鍛え、肺活量を増やすことが大事な気がするが、そういうトレーニングを(アキだけでなく、他の海女も)している様子はない。それで急に獲れるようになったのはご都合主義の気がしないでもない。

アキがたった一個を獲ってきた時の周囲の反応がいい。「初めて獲ったウニ」は誰にとっても一生に一個しかないからなあ。


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「らんまん」(025)

第5週「キツネノカミソリ」(金)

放送日

  • 2023年05月05日

概要

万太郎に「東京にはついてこなくて良い」と言われた竹雄。戸惑う竹雄は、タキに相談するも、「自分で決めたら良い」と言われさらに悩む。自分の気持ちを見つめ直し竹雄は、綾のもとへ向かい、今まで秘めてきた想いを告げるのだった。そして春。いよいよ万太郎が東京へ旅立つ日がやってきた。竹雄が下した決断は!?(NHKオンデマンドの解説より)

竹雄の決断は「若と一緒に東京へ行き、炊事洗濯、生活費稼ぎ、研究の手伝いをすること」。二人で東京へ行くことになった。

感想

よい最終回だった。(最終回じゃない)

ドラマとしては竹雄がついていないと進まない。だからこれはこれでいいのだが、普通に考えたら現実味がない。

「惚れた女の側にいるか、親友についていくか」の二択のように見えるが、これまで万太郎の世話をしていたのはタキの命によるもの。つまり峰屋の業務の一環。綾の手助けをする、つまり商いに精を出すのは、もちろん峰屋の業務。家を出る万太郎についていくというのは、竹雄も峰屋を出るということだ。

峰屋を出たら、お給金ももらえない(それどころか、生活費は自分が稼ぐという)。そもそも、それで万太郎は将来何者かになるかも知れないが、その時竹雄は何者になっているつもりか。現在の竹雄はまだ若いのだから、何ものでもないのは当然だ。これから商売を覚えて修行をすれば、やがて立派な商人になれる。万太郎が家を出るのはいい機会だ。峰屋を出るというのは、そういう未来と将来をも捨てること。それでいいのか。

それに、市蔵とふじには、竹雄のほかには子がいないようだ。万太郎は槙野の家のことは綾に託せたが、竹雄が家を出たら市蔵の後継ぎはどういうことになるのか。10年後、20年後に竹雄が戻ってきたところで、もう商人にはなれまい。そう考えると、よく市蔵やふじが許したものだと思う。

それでもなお、「圧倒的な才を持つ者をそばで見ていたい」ということだろうか。


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「らんまん」(024)

第5週「キツネノカミソリ」(木)

放送日

  • 2023年05月04日

概要

秋、今年も酒造りの季節がやってきた。万太郎は峰屋の面々に、春になったら東京へ行き植物学の道へ進むこと、峰屋は綾に任せることを伝える。分家に野次をとばされるも、綾は酒造りへの想いを懸命に語る。それから半年。万太郎と竹雄は「土佐植物目録」を作るため、植物採集に明け暮れていた。いよいよ万太郎の旅立ちが近づいたある日……。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

綾に婿を取らせ、その婿を次の当主にする、という流れかと思ったら、相手も決まっていないうちに万太郎の引退宣言、そして「姉ちゃんに任せる」ということは綾を当主にするということで、それは分家筋の反対は当然として、蔵人や店の人も不安に思うだろう。酒造りもそうだが、女が当主で商売がやっていかれるのかと。

しかし綾の「いつまで女は穢れていると言われ続けなければならないのか」を受けて、真っ先に女中(たま?)が「綾様についていきます」と答えたのはよかった。そして杜氏が蔵人を代表して臣従を誓う。これまでの綾の働きぶりが認められてきた証拠だ。そして番頭の「若よりも綾様の方が、何倍も店主に向いている」発言。本人は気の利いたことを言っているつもりでいつも外す番頭だが、今回は受けた。

竹雄は万太郎から、お前ともお別れだと言われ驚く。東京に竹雄を連れていかれるわけがないだろうに、なんで「初めて聞いた」みたいな顔をするんだ……。

杜氏は幸吉を、今年、こいつも所帯を持ちましたと紹介した。綾が見たのはまさに新婚ほやほやの時だったのね。

Excellent tweet


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「らんまん」(023)

第5週「キツネノカミソリ」(水)

放送日

  • 2023年05月03日

概要

佐川に帰る道すがら、万太郎は燃えるように鮮やかな花・キツネノカミソリを見つける。無事に峰屋についた万太郎と綾は、改めてタキに、自分たちが進みたい道について伝える。綾は自ら新しい酒を造って峰屋をもっと大きくしたい、そして万太郎は植物学の道に進むため東京に行かせてほしい、と。タキの答えは……。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

万太郎が「わしなんか生まれてこなけれりゃ良かったと思うちょった」と言った途端に、タキはビンタをかます。警察に捕まる羽目になり、わざわざ大勢で迎えに行く羽目になったことには怒らないが、こういうことには怒るのだ。

キツネノカミソリを見た綾は「逸馬さんみたい」と言う。着ていた着物の色と同じだからだが、真っ赤に燃えるような思いを秘めているという共通点もある。もしかして、逸馬の命がないことの暗喩だろうか? 花は枯れても(逸馬が死んでも)球根が根を張って、新たな命が芽吹いてくる、という。


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「らんまん」(022)

第5週「キツネノカミソリ」(火)

放送日

  • 2023年05月02日

概要

演説会に参加し、収監されてしまった万太郎。厳しい取り調べを受けている逸馬のもとに連れていかれ、仲間だと認めろと問い詰められるが……。一方、竹雄から話を聞いたタキらは、万太郎を助けるべく高知の警察署へと向かう。(NHKオンデマンドの解説より)

今日のタキ

「おまんが政治の土俵で生きちゅうがなら、命を取られても、曲げられんもんがあるじゃろう。けんど、そうではないなら、めそめそしゆうがはお門違いじゃ」
「代わりに何をするかじゃろ? 人は、すべてを持つことらできん。何かを選ぶことは、何かを捨てることじゃ」

感想

竹雄が夜を徹して峰屋まで走った姿は、(大河ドラマの)金ヶ崎の阿月を彷彿させる。もちろん朝ドラだから、あっという間に峰屋に着くけれど。竹雄とその両親は、竹雄がついていながら申し訳ありませんとタキに頭を下げるが、もとより竹雄に責任はない。そしてタキのいいところは、こういう時に決して怒らないことだ。

拷問を受けている逸馬は、万太郎のことを、仲間ではない、金づるにしようと声をかけただけだと言い張る。よく漫画などでは、これを聞いた万太郎が、いや違う、と言い返すことが多いが、万太郎は逸馬の気持ちを汲み、話を合わせる。もちろん、結社に入っていないのは事実だから、それが当然ではあるのだが。

市蔵と竹雄が高知の警察署へ行くのに、タキは警察署長が顔見知りだから自分も行くという。万太郎がその場で釈放されたのは、タキのコネ(と恐らくは鼻薬)と逸馬の証言があったからだろう。Google Mapで見ると佐川町高知市は27km離れている。男の足なら5時間くらい。タキや綾を連れてとなると、もっと時間がかかるだろう。竹雄は高知から走って峰屋へ行き、その足で引っ返しただろうが、その晩はいくら何でも高知に一泊したはず。であれば、その晩、宿でいろいろ話をしたであろうが、帰途は話をした様子が見えない。ちょっと謎だ。


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「らんまん」(021)

第5週「キツネノカミソリ」(月)

放送日

  • 2023年05月01日

概要

植物学の道に進むと決めた万太郎は、綾にも「自由に生きてほしい」と伝える。綾も峰屋のために生きると宣言。二人は、今日選んだ道を悔やまずに歩むことを誓い、竹雄もそれを見守るのだった。佐川に帰る前に、早川逸馬の演説会に参加した三人。思いがけず登壇することになった万太郎だが、突如乱入してきた警官隊に捕らえられてしまう。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の万太郎と綾と竹雄

「わしは峰屋を出る。ねえちゃんとは夫婦にはなれん」
「わかった。そうやったら峰屋は私に任せちょき」
「お二人は前だけ向いちょってください。うしろはわしがおりますき」

感想

万太郎が逸馬と別れたのは明け方だった。ジョン万からシーボルトの本を見せられたが、さすがにこんな貴重な本を初対面の人間がもらえるはずがなく、見せてくれただけだろう。だから万太郎は朝までかかって中を読んだのではないか。ジョン万と朝まで話し込んでいたとするのは非現実的ではないか。夜の10時か11時に訪ね、一時間ほど話したといったところだろう。

この時代は集会をしただけで捕まることがあるのだった。万太郎は逸馬から、帰る前にもう一度寄って顔を見せろと言われていたため、集会に顔を出すが、捕まるリスクがあるのに、万太郎を登壇させた逸馬は無責任だ。結社に入る決意を固めたなら、リスクも負わなければいけないが、万太郎は入らないと言っているのだから。

ところで逸馬らは、自分立ちは雑草だが、雑草にも自由はあると吠える。が、早川という姓があるということは、それなりの身分なのだろう。民権運動は没落士族が薩長への不平不満をぶつけるためにやっていた面もあるという。だから官吏もピリピリしていたのだろう。


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「どうする家康」(16)

題名

  • 「どうする家康」第16話「信玄を怒らせるな」

放送日

  • 2023年4月30日

登場人物

  • 長尾謙杜(久松源三郎、家康の義弟)
  • 眞栄田郷敦(武田勝頼

概要

浜松に居城を移した家康だが、城下で虎松と名乗る少年に襲われる。遠江の民は徳川を恨んでいるという虎松の言葉に、家康は傷つく。一方、信玄に対抗し、家康は上杉謙信との同盟を探るが、それが武田方に漏れ、信玄を激怒させてしまう。武田との決戦を避けられないと覚悟を決めた家康は、人質として武田に送っている義弟・源三郎を救い出すが、そこには信玄の思惑が隠されていた!(公式サイトより)

暗殺者を極刑にしようとする家臣を止め、家康は無罪放免する。虎松の声は民の声、彼らに味方してもらえるようにするのは我らの責任だと。しかし、武田は遠江に色気を出し、調略を仕掛けてきていることは明らかだ。家臣たちは、武田と戦ったら十に九は勝ち目がないからなんとしても信玄を怒らせないようにと家康を諫めるが、家康は、攻めてくることを決めている、怒らせようと怒らせまいと関係ないと言う。

服部半蔵に命じて源三郎を救い出すが、源三郎は信玄からのメッセージを預かっていた。いわく、力のない領主は迷惑だから滅びるのが世のため、滅びるのが嫌なら家臣にしてやる、ただし手を差し伸べるのは一回だけだ……と。自分の一存で決められることではないと家臣たちに相談する。忠勝は、十にひとつは勝ち目がある、信長は桶狭間でその十にひとつをやってのけたと言う。夏目広次は、家康個人は信玄に敵わないかも知れないが、家臣団がいる、みなで知恵を出し合えば進言に匹敵することができると力強く答える……

雑感

  • 信玄は家康が源三郎を取り返すつもりであること、その日程まで知っていたが、源三郎にメッセージを託し、逃亡を認める。認めるのなら、死人もけが人も出さず、静かに逃がしてやればいいのに、半蔵も女大鼠もけがを負ったし、武田の兵も何人か死んだ。面子もあるから何もしないわけにはいかないということか?
  • 源三郎は別にリンチに合っていたわけではなく、武田の若手は厳しく鍛えられる、一緒に同じことをやっていただけだという。勝頼はもっと厳しい訓練を受けていた、とも。ケガをしてもなお訓練を続行するのは、効果という点では意味がないと思うが、まあ時代が時代だからな……
  • 服部半蔵は大変な役目を言いつかり、命を懸けてやり遂げるのだが、登場するといつもコメディパートになってしまう。山田がうまいのか、脚本のせいなのか。



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「らんまん」(020)

第4週「ササユリ」(金)

放送日

  • 2023年04月28日

登場人物

概要

逸馬と共に、ジョン万次郎のもとを訪れた万太郎。「人の一生は短い。後悔はせんように」という言葉が、胸に深く刺さる。決意を新たにし、心を奮い立たせる万太郎に、万次郎はある物を贈る。一方の綾は、大きな決断を下す。竹雄はそんな綾と万太郎を一生支えると誓うのだった。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

幕末、日米修好通商条約を結ぶ際、交渉の場には英語のわからない人が通詞につき、万次郎は間者を疑われ、遠ざけられた。そのため不平等条約を結ばされてしまった。自分にしかできないことがあり、自分はそれを成すべきと思っていたのに関われなかった無念さを万太郎は万次郎から聞く。

その後、「草に興味があるなら」とシーボルトの植物事典を見せてもらう。詳しいし、絵もきれいだが、ひとつしか描いていないからダメだと万太郎は言う。季節ごとの違いを描き分けなければ植物のことはわからない。やはり外国人には無理だ。日本人で、植物が好きで、観察眼があって、絵もうまくて、かつ、英語の読み書きができ、日本の植物を海外に紹介できる人物……それは自分だ、と万太郎は自覚する。

綾は高知のお守りを竹雄と楽しんだあと、楽しい思いをしたから、佐川に帰っておばあちゃんの言う通りにするという。おばあちゃんが引き取ってくれなかったら、自分は孤児で、満足に生きていくことはできなかっただろう。こうして幸せな生活が送れるのはすべておばあちゃんのおかげ。だから。

もとより綾は祖母の言いつけに逆らう気はなかったが、気持ちを整理し、覚悟を決めるのに時間がほしかったということだろう。だとしたらなおさら、タキはいきなりすべてを決めつけたりせず、時間をかけて説明していたら、こんな騒ぎにはならずに済んだろうに。



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